goo blog サービス終了のお知らせ 

カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

またしても、熊本県熊本地方周辺 のみならず阿蘇地域でも大きな地震!!

2016-04-16 03:50:42 | 日記
引用画像は、16日1時25分頃発生した地震の震央と各観測地点震度分布図
:全国版



:九州地方版



です。共に気象庁HPより引用


14日の熊本地震の余震が活発な中、4月16日01時25分頃、熊本県熊本地方(北緯32.8度、東経130.8度、長崎の東90km付近)で、震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.3と推定される強い地震がありました。

この地震で、熊本県熊本市中央区や西区、東など屋、阿蘇地域周辺で震度6強 また、熊本県北部地域の所々で震度6弱を、さらに、九州各地で、震度5強や震度5弱の激しい揺れを観測しました。

この地震は、布田川・日奈九断層帯の中で、14日の熊本地震を発生させた断層の北側の西南西〜東北東に走る断層帯で発生した地震、14日の熊本地震で誘発発生した地震と思われます。

いずれにしても、布田川・日奈九断層帯、位置する地層が比較的もろく、多数の断層が重なって一つの断層帯を形成している地域です。当然、余震はきわめて多く、規模の大きな余震も多発すること必至ですから、14日の熊本地震で、建造物がダメージうけたり、土砂災害が発生しやすくなっています。厳重な警戒をお願いいたします!

14日の熊本地震、地震波形からの特徴は?

2016-04-16 03:16:31 | 日記
引用画像は、14日21時26分に発生した㍻28年熊本地震で、震度7を観測した熊本県益城町のKikーnet 
地震観測網データからの地表部分の地震波形データ(単位は加速度gal ㌢毎秒毎秒)です。防災科学技術研究所HPより引用。



14日21時26分に発生した ㍻28年熊本地震ですが、震度7を観測して甚大な被害が出た熊本県益城町での地震波形データですが、

各成分最大加速度は

南北方向 760gal

東西方向 925gal

上下方向 1399gal

を観測しております。以上3成分合成値で1580gal 計測震度6・5(震度7)となっております。


3成分、激しい揺れと推測されますが、とりわけ、上下成分の揺れがすさまじかった(重力加速度以上)地震といえますね。

地震波形の上下成分が、地震発生後いち早く観測されていますが(P波ですね)、最大は、地震発生後およそ19秒後に観測されております。南北方向成分、東西方向成分(S波の部分です)の最大値発生時刻付近と合致しています。S波がやってきた後もP波が伝搬していることになりますね。教科書通りに、P波がやってきた後、S波がやってくるといったわけにはいかないようですね。

実は、今回の熊本地震に限らず、地震波形というもの、このような波形にはなっています。

strong>まず最初にP波がやってきますが、その後もP波は地震発生する地殻変動により形成され続けており、
次第に、S波と合流するようになること、換言すれば、P波S波同士、互いのエネルギーの一部を吸収し合うようになるわけですね。
さらに、地震波は、伝播する地中に断層があったり、傾斜になっていたりして、伝播する地中のの地盤の強度にムラがあったるすると、伝播する地震波はまっすぐに伝播せずに、
相対的に固い地盤で跳ね返る伝播をするようになります。これが地震波の屈折を呼ばれるものです。

地震波の実体波(地中を伝播する地震波)である、P波とS波とでは、P波の方が伝播中に屈折をさせやすいものですね。

さらに、地震波は地表に到達すると、地表を伝播する地震波(表面波)も発生します。表面波も上下成分(レーリー波)と南北東西成分(ラヴ波)との2種類発生します。

引用図内、益城町の地震波形より、各3成分で、最大加速度患側後も、東西成分と南北成分では、地震波の振幅は比較的大きいですが、地震波の波形は、緩やかになっています。
この状態は、表面派のラヴ波が卓越している状態ですが、地表の地盤が、軟らかい表土層が多く堆積している地域ほど、この傾向が強まります。


以上より、益城町周辺では、地表付近の表土層が比較的厚く(地盤軟弱)で、地中が、断層があったり、傾斜が見られる地域であると断定できます。

このことより、今回の熊本地震で、益城町周辺で、帯状に被害大きい地域が発生していた点、説明つきそうですね。

戦後5番目、熊本県益城町で震度7を観測!!

2016-04-15 01:15:12 | 日記
引用画像は 14日21時26分頃発生した地震の震央と各地域震度分布図
:九州周辺


:熊本県周辺


です。気象庁HPより引用。


14日21時26分頃、九州地方で強い地震がありました。

震源地は熊本県熊本地方(北緯32.7度、東経130.8度)で、
震源の深さは約11km、地震の規模(マグニチュード)は6.5と推定されます。

この地震で、熊本県益城町で、戦後5回目の震度7を観測!熊本市内で震度6弱、他、熊本県内の広範囲で震度5弱以上となる強い揺れを観測しました。

各報道で、本震時の熊本市内の揺れの状況屋、市内の被害状況を見る限り、比較的周期の短い地震波が多かったようにも思われますが震源の深さが約11㎞と浅く、震源地付近の地殻は、阿蘇火山を構成する火山性地層で、、比較的もろいものです。こうなりますと、本震後の余震が極めて多いことが特徴です。

strong>概ね、余震の規模(マグニチュード)=本震の規模(マグニチュード)-1~0・5 (筆者調べ)となっており、震源が火山性地質など比較的もろい箇所では、余震の規模は、本震の規模と比較して規模の差が少ないのが特徴ですね。

こうなりますと、建造物により大きなダメージがかかりやすくなり、建造物の倒壊や破損で、人的被害も多くなる懸念があります。

すでに、15日0時10分までに、震源地付近で、震度6強〜震度5弱程度のかなり大きな余震が発生しております。

今後も、震源地付近では、マグニチュード6・0程度、震度6弱から6強程度の激しい揺れに繰り返し見舞われる恐れがあります。更なる大きな被害がないことを切に祈ります!

冬型気圧配置なのに日本海の筋状雲少ない!逆に山越え颪風が・・・・・

2016-04-12 01:59:11 | 日記
①4月11日12時の天気図 気象庁HPより引用


②4月11日12時の 
:赤外画像図  


:水蒸気画像図

共に気象庁HPより引用


冬型気圧配置になりますと、日本海には、寒気吹き出しに伴う筋状雲がみられますが、引用図②双方の情報図より、東北以西の日本海側には、筋状雲はあまり目立ちません。
引用図②より寒気を表す水蒸気画像上のU字型の暗域の後ろ側に、東北以西の各地は入っており、上空3000㍍付近では下降流の場となっているのがわかります。

こうなるますと、日本海から本州の脊梁山脈を気流が流れる際に、上空3000㍍付近の下降流域のため、気流自体を押し広がる作用が働き、当該気流事態の流速(風速)は増大するようになりますし、脊梁山脈と当該気流とが接する地表との摩擦で乱流が発生して、当該気流は、風速を増しつつ、脊梁山脈を吹きおりるようになります。
これが、山越え颪風の要因です。

上空3000㍍付近の風速よりも、上空1000㍍付近の風速が増すようになることも、この、山越え颪風の特徴ですね。
③4月11日12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用


引用図③より、上空1000㍍付近の風向風速に目を向けると、本州に日本海側の風速よりも、本州太平洋側の風速が強まっており


④4月11日12時のウインドプロファイラー時間高度断面図(熊谷) 気象庁HPより引用




引用図④からも、熊谷では、下降流の場で、上空3000㍍付近よりも上空1000㍍付近の風速が強まっています。このことより、本州脊梁山脈からの山越え颪風が強まっていることを物語るものですね。

日本海を低気圧が発達しながら移動!この場合、低気圧の進路と若狭湾付近の気流動向に注目!!

2016-04-08 18:23:55 | 日記
①4月7日9時の天気図 気象庁HPより引用


7日、低気圧が日本海を発達しながら東北東へ進んで、東日本や西日本では、ところによっては瞬間で40㍍毎秒を超す台風並みの暴風に見舞われて、まさに、さくらの花散らしとなる、」春の嵐となりました。

今回のように日本海を低気圧が発達しながら移動して日本列島を横切る場合、
Ⅰ:当該低気圧の進行経路

Ⅱ:日本列島周辺の気流と降水域の動向

Ⅲ:若狭湾周辺の気流の動向

以上3点に注目するべき、であると私は考えます。


まず、Ⅰですが、

低気圧の進行経路が日本海西部から、日本海中部の能登半島沖から佐渡沖で、北緯40度線より北の場合、当該低気圧は、とりわけ発達するもので、北海道から九州まで、低気圧の前側は南東から南〜南西風が、後ろ側では、南西〜西寄り風が卓越し、
広範囲で強風が吹き荒れます。


のに対して

低気圧の進行経路が、日本海沿岸に近く、能登半島や佐渡をかすめるような進路ですと、強風の範囲は、東日本では太平洋沿岸に限られ、関東や甲信などの東日本の内陸部では、低気圧の通過前までは、強風が比較的吹きにくいという傾向があります。


続いて、Ⅱですが、

上空1000㍍〜3000㍍までの気流の動向をみると、低気圧(温帯低気圧)の暖域内で、気流の収束が現れる個所では、帯状の降水域(スコールライン)が発達し易くなり、その気流の収束箇所が、上空3000㍍付近までに及ぶほど、当該箇所で発生発達するスコールラインは、より活動は強まり、強い雨を降らせるものです。

さらに、Ⅲですが、

低気圧が近畿地方に接近前に、上空1000㍍付近での気流において、、若狭湾周辺で、気流の収束による低気圧性循環(南東〜南西風)が現れると、南東風が、濃尾平野から岐阜県関ケ原周辺の地形的鞍部に気流がどんどんと流れこんでくるため、
福井県嶺何地域周辺で、南東風が強まります。こうなりますと、若狭湾から南西方向に位置する、紀伊水道から大阪湾沿岸部で、南〜南西風が局地的に殊の外強まり、風速20㍍毎秒以上の暴風を観測することも多々あります。


このⅢの様子を、引用図①の7日9時の天気図と、同時刻の、
②:7日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 :7日9時の近畿地方周辺アメダス風向風速分布図 で確認してみましょう。


:


:



7日は近畿地方周辺では、引用図の時刻頃から紀伊水道から大阪湾沿岸部で南〜南西府が強まり。一時10分間の平均風速が20㍍毎秒~25㍍毎秒、
瞬間では30㍍毎秒を超す暴風が吹き荒れて、関空連絡橋やJR阪和線では、日中、列車の運行が弾速的にストップしてしまいました。


低気圧は、日本列島の地形的特性を受け易い所以ですよね。