CandyGazellこのアイテムの詳細を見る |
ジャズのスタンダードでは「Candy」という曲が好きだ。
有名なのはおそらくナット・キング・コールのVersionだが、これは軽くてとても上品だ。
僕がシビれたのは、ジョン・ピザレリというギタリスト/ジャズシンガーで、これは沖縄の銀行員である友人S川に教えてもらったギタリストだが、ホント最高だ。
彼の「Candy」はとても洒落ていて可愛くて、そうさな、妙な比喩を使えば、女郎屋で、そこに転がっている三味線で、だめな伊達男が歌ってるという感じか。ちょっとだらしのない二枚目風であって、これは鯔背だ。
どんな歌詞かというと
僕は彼女をキャンディって呼んでるんだ、僕にとってスイートだからね。
彼女は僕のことを理解してくれている、それは僕の考えだけどね。
いつも僕に共感してくれるんだ。
みたいな、ティーンの男の子みたいな歌詞。
が、これをトランペッター/ボーカルであるチェット・ベイカーの晩年のバージョンで聞くと様相が一変する。
ヤクでぼろぼろになったカラダに、さらに己を罰するように麻薬をやりながら、好きで好きで仕方がないラッパを吹いて歌う。チェットにとってのキャンディは、ヤクなのか、現の女なのか、はたまたジャズそのものなのか。
ヨーロッパで多く残されたチェットの晩年のドラムレスのトリオでのバンドでの演奏は、壮絶と言っていい。僕が聞いているバージョンの「キャンディ」は(アルバムは今わかんないんだが、後日お知らせするが)ヨレヨレのボーカルで始まった後ピアノソロが導かれ、そのあとトランペットのソロがあるが、これは、ヨレヨレな老人が突然軽やかに走り出すように鮮やかで軽やかである。短いベースソロのあと、もう一度ボーカルが入るが、この声は最初の声とは違って若者のように瑞々しい。そしてエンディング前には、スキャットをするんだが、このスキャットは、信じられないぐらい凄いものであって、歌なのに、アドリブをすると音色もアーティキレーションも、全くトランペットと同じになる。フレーズはもう、チェットのラッパそのもので、つまりはチェットはまったくもって、ラッパそのものと化しまうのだ。これはすごいです。
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