ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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チャーリー・ヘイデンとキースのデュオ、 これは名演、間違いなし。 「生と死の幻想」の2人..

2010年05月28日 00時21分49秒 | CD&コンサートレビュー
Jasmine

Ecm Records

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渋谷のタワーレコードで見て一目で買ったアルバムです。
ジャズピアノの現存する最良のピアニストかもしれない、キース・ジャレットのアルバム。
なんたって、チャーリー・ヘイデンとキースのデュオと来れば、
これは名演、間違いなし。
「生と死の幻想」の二人ですからね。

さて、このアルバムは実際に聴いてみる。
やっぱり名演です。
しかも「生と死の幻想」の若い頃の粘りというか
溢れる過剰さが、いい具合に枯れて油が落ちて、
逆に凜とした美しさが際だってきていると思うのです。

本作はチャーリー・ヘイデンがキースの家に来たときに
ベースを持ってきていたので、それじゃちょっとやろうか、と
自宅のスタジオで録音したものだそうですが、
キッカケがどれだけ気軽なものであれ、
名匠達が音楽をはじめれば、もう命がけの真剣さなのであります。
それが、音楽の神に魅入られた者たちの
性であり、生き様なんだろうなと。

泉鏡花の『歌行燈』を思わせる。

と言(ことば)の中(うち)に、膝で解く、その風呂敷の中を見よ。土佐の名手が画(えが)いたような、紅(あか)い調(しらべ)は立田川(たつたがわ)、月の裏皮、表皮。玉の砧(きぬた)を、打つや、うつつに、天人も聞けかしとて、雲井、と銘(めい)ある秘蔵の塗胴(ぬりどう)。老(おい)の手捌(てさば)き美しく、錦(にしき)に梭(ひ)を、投ぐるよう、さらさらと緒を緊(し)めて、火鉢の火に高く翳(かざ)す、と……呼吸(いき)をのんで驚いたように見ていたお千は、思わず、はっと両手を支(つ)いた。
 芸の威厳は争われず、この捻平を誰とかする、七十八歳の翁(おきな)、辺見秀之進。近頃孫に代(よ)を譲って、雪叟(せっそう)とて隠居した、小鼓取って、本朝無双の名人である。
 いざや、小父者(おじご)は能役者、当流第一の老手、恩地源三郎、すなわちこれ。
 この二人は、侯爵(こうしゃく)津の守(かみ)が、参宮の、仮の館(やかた)に催された、一調の番組を勤め済まして、あとを膝栗毛で帰る途中であった。
(青空文庫より)


生と死の幻想(紙ジャケット仕様)
キース・ジャレット,デューイ・レッドマン,チャーリー・ヘイデン,ポール・モチアン,ギレルミ・フランコ
ユニバーサル ミュージック クラシック

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ちなみにキース・ジャレットのこの歴史的名盤の演奏は、
チャーリー・ヘイデンを擁する「アメリカンカルテット」と言われてます。
(同時期にヨーロピアンカルテットもやっていて、それも美しい!)

アメリカンカルテッドのドラムのポール・モチアンは、ワルツ・フォー・デビーなどビルエバンスの名演のアルバムでドラムを叩いている名人だし、
サックスデューイ・レッドマンは、いま若手ナンバーワンのジョシア・レッドマンのお父さんであります。


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