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南博のジャズピアノは、実に好きであります。
過去三枚ぐらい買っている。
最初の二枚は菊地成孔のプロデュースのストリングスが入ったモノだった。
これは、もう酒と阿片の日々とでもいうべき、
耽美的でスイートで危険な香りのジャズだった。
今回のものは、南博本人のプロデュースで
自身のトリオでの演奏であり、
これは実に、安定した、力強い、耽美的ではあるが健康的で
レギュラー感のある演奏だともう。
正直言ってピアノのテイストを云々できる解像度が私にはない。
ピアノも弾けないしね。
でも、なんというか、南博の緊張感あるエピキュリアン(快楽主義者)という
趣のピアノは、私が最も愛するモノである。
南博はその著作も実に面白いという意味で、
山下洋輔の遺伝子もあり、盟友菊地成孔とも同じ志向を持つが、
彼の二作目のアメリカでの話を読んで、膝を打ったのが、
ECMなどでリーダーアルバムを出している
ジャズピアニスト、スティーブ・キューンの家に
押しかけていってプライベートレッスンを受けたぐらい、
スティーブ・キューンに耽溺しているというくだりである。
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なるほど、スティーブ・キューンの耽美のニュアンスが
南博の角にあるモノかも知れない。
ただし、南博のそれは、さらに本邦ならではの
日本的な美意識を宿している。
そこがまた、ジャズを愛する日本人の心に
滲みる点ではないだろうか。
ちなみにトリオを形成する、芳垣安洋のドラムも、
そして鈴木正人のベースも素晴らしい。実に。
南博のトリオは、本邦でもトップクラスのミュージシャンによる
いまいちばん脂がのった、絶品のピアノトリオではないだろうか。
生で聴きたいと思います。
以下の2枚が菊地成孔のプロデュースによる
阿片と麝香なアルバム。お勧めします。
↓
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こちらは盟友菊地成孔とのサックスとピアノのデュオアルバム
↓
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白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編- (小学館文庫)南 博小学館このアイテムの詳細を見る |
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