リマタンゴを見に行った
3月24日(金)20:00~
『Lima Tango』
廣澤哲(sax) 山口コーイチ(p) 清水良憲(cb)
チャージ¥2000
@なってるハウス
台東区松が谷4-1-8
03-3847-2113
念願だったリマタンゴ。なってるはうすの店長であり、渋さ知らズのメンバーであり、朋友金子鉄心の友人であるがわかったテナーサクソフォン奏者、リマさんが率いる、巨漢たちのタンゴ。
なんで、タンゴをやってるのですか、と、以前リマさんに以前聞いたことがあった。小田急相模原で夜霧を見たときだと思う。
その時リマさんがいったのはガトー・バビリエリをやろうとすると、どうしてもタンゴを避けて通れなかった。それではじめた。と言う話だった。でも今はタンゴでなくてもいいのだ、ともいっていた。
ピアノ山口コーイチ、コントラバス清水良憲、サックス広沢哲という、正直行ってむさ苦しい男たちが奏でるタンゴは、ごつい男の世界であった。しかし男の世界とは、ゴツイだけではなく、強面の向こう側には、ほとんど子どものような無邪気さと優しさと、女性ではありえないほどのロマンティシズムがあるように思える。
ジャズの現場で見るリマさんやコーイチさんとは違って、リマタンゴでは、たとえばアバンギャルドなアプローチやフリーキーなカオスはなかった(少なくとも先日のライブでは)。その代わりにあるのは、三人のメンバーがメロディを軸にしながら、自在にテンポをうごかしたりアンティシペーションをしたり、ある意味で複数の時間軸があるように聞こえつつ、しかもしれがしっかりリンクしているという、タイムによるスリリングなやりとりが、ゾクゾクするぐらいに気持ちがいい。和声ではなく、メロディとタイム。コーイチさんのソロもほとんど和声を使っていなかったように思った。清水さんのベースは、弓弾き(アルコ)の比率が高かったが、これはタンゴなのだからだろうか、ソロのアルコがとても素敵だった。