フライシートのばたつきは相変わらず強く、雨粒の当たる音も激しかった。
メインの縦走ができなくなったことは残念ではあったが、ある程度は覚悟していたことであり、膝の痛みを考慮すればむしろそれでよかったのかも知れない・・・。
二度寝をし目が覚めたのは10時を過ぎてからだった。
もう一度珈琲を飲みジッパーを開け外の天候を確認した。
「やっぱり無理かぁ・・・」
こうまで風雨が強ければ諦めもつくというものだ。
雨あしが弱くなった時を見計らい外へと出てみた。
鷲羽岳はガスの中。
せめて全容が見えていれば気持ちも違ったものとなるのだろうが、これから先、今日一日をどう過ごすか悩むところとなった。
ゆっくりと煙草を吸いテントへと戻った。
再び本を読み始めるも、何故か落ち着かない。
テントの中ではできる「姿勢」は限られており、座位で読むか寝そべって読むかのどちらかしかない。
なんとなく飽きてしまった頃、丁度昼飯の時間となった。
二人を誘い小屋へと向かった。
中に入る前にせっかくの小雨状態でもあるので小屋の周辺を歩いたが、時間を潰すにはたかが知れているし肌寒かった。
「午後、どうします? なんか飽きちゃいました(笑)」
「俺もそうなんだけど、かといってすること無いしね・・・・」
みんな同じような思いだったようだ。
昼食は「あんかけラーメン」を注文した。
出てきたものはレトルトの中華丼の「あん」をラーメンの上にのせただけのものだったが、これはこれで良いアイデアを頂いたと思った。
「なるほどね、こりゃいつか自分でもやってみよう」
とうなずけるものだった。
食後の珈琲は自分のテントでみんなで飲んだ。
飲みながら登山の話をしばし時間を忘れて語り合った。
それでもまだ14時を過ぎたばかりだし、昼寝をしてしまったら肝心の夜に眠れなくなってしまいそうだった。
降雨の合間をぬってレインウェアを干しているKMさん。
「そっか、何でもいいから体を動かそう」
再び降り出すことは間違いないが、せめて今だけでも干しておこうと外へと出た。
完全に渇いてくれることは無理だろうが、何かしら体を動かしたかった。
それもできればテントの外でだ。
せっかくなので散歩がてら近くを歩いたが、そんなときに限って再び雨が降ってきた。
慌ててテントへと戻り、干したウェアを中に入れた。
夕食までまだまだだが、体を動かすことは諦めた。
何故かふと北方稜線縦走から今回の山行に至るまでの自分の気持ちをふり返ってみようと思った。
「しばらくは山には登りたくはない」とまで思ってしまうようになった北方稜線。
確かに、今回の裏銀座までの一か月半は一切山には登っていない。
この一か月半の間ずっともやもやとした思いでいたような感じだったし、「登りたい」という強い願望を抱くことはなかった。
それでも「のんびりと裏銀座縦走くらいだったらいいかな・・・」程度には回復(?)してきたが、本格的な岩稜地帯の登山だけはまだ出かける気にはなれていなかった。
そこまでの登山をする気にはなれていなかった。
悔しいとかリベンジとか、今まで何度も感じてきた湧き上がるようなそんな想いに至らなかったのは初めてのことだった。
北方稜線とは、自分にとってそこまでインパクトのある縦走ルートだった。
「来年、もう一度行ってみようかなぁ。今度こそ単独で縦走してみよう。」
この時はまだそこまでの気持ちにはなれていなかった。
繰り返し何度もあの時の縦走をふり返ってはみたが、気持ちの整理はつかなかった。
そのうち考えることが面倒にさへなってしまった。
「あぁ~まだ4時(16時)過ぎかぁ・・・。 暇だ!」
メインの縦走ができなくなったことは残念ではあったが、ある程度は覚悟していたことであり、膝の痛みを考慮すればむしろそれでよかったのかも知れない・・・。
二度寝をし目が覚めたのは10時を過ぎてからだった。
もう一度珈琲を飲みジッパーを開け外の天候を確認した。
「やっぱり無理かぁ・・・」
こうまで風雨が強ければ諦めもつくというものだ。
雨あしが弱くなった時を見計らい外へと出てみた。
鷲羽岳はガスの中。
せめて全容が見えていれば気持ちも違ったものとなるのだろうが、これから先、今日一日をどう過ごすか悩むところとなった。
ゆっくりと煙草を吸いテントへと戻った。
再び本を読み始めるも、何故か落ち着かない。
テントの中ではできる「姿勢」は限られており、座位で読むか寝そべって読むかのどちらかしかない。
なんとなく飽きてしまった頃、丁度昼飯の時間となった。
二人を誘い小屋へと向かった。
中に入る前にせっかくの小雨状態でもあるので小屋の周辺を歩いたが、時間を潰すにはたかが知れているし肌寒かった。
「午後、どうします? なんか飽きちゃいました(笑)」
「俺もそうなんだけど、かといってすること無いしね・・・・」
みんな同じような思いだったようだ。
昼食は「あんかけラーメン」を注文した。
出てきたものはレトルトの中華丼の「あん」をラーメンの上にのせただけのものだったが、これはこれで良いアイデアを頂いたと思った。
「なるほどね、こりゃいつか自分でもやってみよう」
とうなずけるものだった。
食後の珈琲は自分のテントでみんなで飲んだ。
飲みながら登山の話をしばし時間を忘れて語り合った。
それでもまだ14時を過ぎたばかりだし、昼寝をしてしまったら肝心の夜に眠れなくなってしまいそうだった。
降雨の合間をぬってレインウェアを干しているKMさん。
「そっか、何でもいいから体を動かそう」
再び降り出すことは間違いないが、せめて今だけでも干しておこうと外へと出た。
完全に渇いてくれることは無理だろうが、何かしら体を動かしたかった。
それもできればテントの外でだ。
せっかくなので散歩がてら近くを歩いたが、そんなときに限って再び雨が降ってきた。
慌ててテントへと戻り、干したウェアを中に入れた。
夕食までまだまだだが、体を動かすことは諦めた。
何故かふと北方稜線縦走から今回の山行に至るまでの自分の気持ちをふり返ってみようと思った。
「しばらくは山には登りたくはない」とまで思ってしまうようになった北方稜線。
確かに、今回の裏銀座までの一か月半は一切山には登っていない。
この一か月半の間ずっともやもやとした思いでいたような感じだったし、「登りたい」という強い願望を抱くことはなかった。
それでも「のんびりと裏銀座縦走くらいだったらいいかな・・・」程度には回復(?)してきたが、本格的な岩稜地帯の登山だけはまだ出かける気にはなれていなかった。
そこまでの登山をする気にはなれていなかった。
悔しいとかリベンジとか、今まで何度も感じてきた湧き上がるようなそんな想いに至らなかったのは初めてのことだった。
北方稜線とは、自分にとってそこまでインパクトのある縦走ルートだった。
「来年、もう一度行ってみようかなぁ。今度こそ単独で縦走してみよう。」
この時はまだそこまでの気持ちにはなれていなかった。
繰り返し何度もあの時の縦走をふり返ってはみたが、気持ちの整理はつかなかった。
そのうち考えることが面倒にさへなってしまった。
「あぁ~まだ4時(16時)過ぎかぁ・・・。 暇だ!」