ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

2度目のMOC:複数で登るということ

2011年09月20日 20時03分43秒 | Weblog


5合目を過ぎると、大きな岩が目立ちはじめる。
勾配も急となり、みなさん息が荒くなり始めた。
いよいよもって核心部へと近づく。
だが、時折振り返れば中禅寺湖の湖面は紺碧の空を反映し、時に風に揺られ光彩陸離している。
夏山だけに与えられた、思い切り深呼吸したい衝動に駈られる瞬間だ。

このあたりから個人の経験や技量の差が出始めた。
これは自分でも予測できたことだが、あまり出しゃばるのだけはやめようと決めていた。
何故なら、あくまでも自分は一人の参加者に過ぎない。
「知ったかぶり」だけは御法度。
謙虚に、Kさんをサポートできればそれでいい。
されど大胆に楽しみたいという思いもある。



ごく短い距離のトラバースがあった。
完全なガレ場ではあるが、何のことはないとさっさと進んだ。
しかし、人によっては困難極まる場でもあった。
どう進めばよいのか。どう足を運べばよいのか。なんとなく滑落しそうで怖い。
そんなトラバースでもあったのだ。

一人の女性が足がすくんで一歩が踏み出せないでいた。
自分はと言えば、みんなの様子を写真に納めようと先に渡ってしまっていた。
「えっ、どうしよう。怖いです。」
確かそんな言葉を言っていた。

どうしようか迷った。
スタンスの位置、踏み出し方、重心のかけ方、ストックの応用等々自分でも教えられることだったが、あまり出しゃばりたくはないという思いが迷いを生んでしまった。
すると、Kさんが近づき補助しながら足の運び方のアドバイスをしてくれた。
(すぐに気付いた俺が行くべきだったのか・・・)

あのときのことは今でも後悔している。
女性にも、Kさんにも申し訳ない気持ちだ。



ガレ場と樹林帯とを交互に登攀し、もうすぐ7合目となった。
岩場はますます厳しい。
経験と技量、そして体力の差が顕著に現れる。
全体のペースも落ちてきている。
個人の差が大きい複数での登攀のとき、何を優先し、何をフォローし、事前に計画していた時間配分をどれだけ崩さずに進めて登るべきか。
いつも自分が悩み迷っている課題を解決するきっかけとなれればと思う。


2度目のMOC:いろいろな人

2011年09月20日 00時17分36秒 | Weblog


老若男女入り乱れての参加者となった今回のMOC。
最後尾にいるだけに、みなさんの会話がきこえてきて、それを聞いているだけでも楽しい登攀となった。
私自身がよく会話をしたのが、東京から来られた30代の男性だった。
登山経験はそれほどないが、山好きな爽やかな青年といった印象だった。

今回は明らかに女性陣の方がよくしゃべる。
失礼な言い方になってしまうが、最も年配の方がいて、本当によくしゃべるなぁと、今でも鮮明に覚えている(笑)。
既に仕事を辞められ、ある意味悠々自適の生活。
山は好きなようで、年間を通して全国各地の山をかなり登っているようだ。
そんな情報を自分から教えてくれている。

富士山登頂を目指している人。
トレッキング程度の経験はあるが、岩場やガレ場は初めてという人。
とにかく話しの弾む女性陣だった。

一汗をかき、三合目まで来た。
ここで小休止となったが、例のおばさんはここでも元気。
「これはね、こうなの。」
「こうやってね、こうするの。」
と言った具合に、周囲の人へ自分の持っているギアの説明に余念がない。
ちょっと笑ってしまう、存在感たっぷりのおばさんだ。



天候がいいその分、暑さが厳しい。
かなりゆっくりのペースではあったが、汗が額からどんどんしたたり落ちてくる。
水分補給をしていると、Kさんから「塩飴」をいただいた。
そう言えば、前回のMOCでは手作りのクッキーを山頂でいただいたが、ひょっとして今日も何か作ってきたのだろうか。
イメージが湧かないだけに、それを想像するとどうしても笑ってしまいそうになる。
Kさんのザックの中身を気にしながら、必至で笑いを堪え塩飴をいただいた。

ここから四合目までは楽々ルートで進み、次はいよいよ少しずつ核心部へと近づいてゆく。
頭の中にはルートファインディングから凡その周囲の状況、危険箇所、見下ろした中禅寺湖の風景まで刻んである。
肝心なことはそれに慢心しないこと。
今日の目的はあくまでも体作りと調整。そして情報収集と技術の習得だ。