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ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

花巡り 「筑波山梅林①」

2025年06月05日 20時43分21秒 | Weblog

今年の春に花巡りとして訪れた場所があった。

茨城県にある筑波山である。

この山はお手軽な登山を楽しむだけではなく、季節の花々を愛でる散策的な楽しみもあり、以前から春になったら一度は散策として行ってみたいと思っていた。

自宅からは車で一時間ほどで着くし、決して無理のない行程である。

 

季節は三月。

桜はまだだがここには梅林がある。

天候には恵まれほぼピーカンだ。

風が吹けばやや肌寒さを感じるが、花巡り日和としてはもってこいの好天になってくれた。

早めに自宅を出発したが、好天ということもあってか駐車場は混雑していた。

梅林は駐車場から歩いてすぐのところにある。

南向きの山肌全体が梅林となっており、平地ではない。

ぐるりとまわるにせよ、いずれのルートを歩くにせよ常にアップダウンの連続であった。

とは言っても登山と比べればいたってお手軽なコースであり、花を愛でながらであれば尚のこと疲れなど出るはずもない。

案内板に沿って登り始めると早速白梅が出迎えてくれた。

青空をバックすれば白い花びらが一層引き立って見えた。

のんびりと歩きながら(登りながら)花を愛でる。

本音を言えば、このような行動は決して自分の柄ではないと思っている。

「花なんて似合いはしない」

常々そう思っているのだが、かといって興味や関心が無い訳ではない。

高山植物は好きだし、自宅の庭にもささやかながら花壇やプランターがある。

(まぁ所詮はその程度ってこと・・・)

 

一定の場所まで登ってきた。

振り返ってみる・・・が、はて、何かちょっと違うような。

白梅の梅林には違いないのだが、ピン!と来るものが無い。

何というか、風景の中に梅林がとけ込んでしまっており、白梅がぼやけて見えている感じだった。

梅林という場所に来る事自体が初めてであり、「こんなものなのか・・・」と思ってしまった。

ハッキリと言えば期待はずれであるのだが、そう言い切るのは尚早であると後に思い知らされた。

 

しばらくは白梅林の中を歩いた。

花や枝のすぐ近くで見れば綺麗であると思う。

また癒される思いになる。

が、ちょっと距離を置いて見てみると白がぼやけてしか見えない。

「花の咲く木とはそういうものなのだろうか・・・。それとも梅だけなのか。或いは白という色の花、それ故のことなのか・・・」

勝手にいろいろと推測しながら歩いて行くが、青空をバックにアップで撮れば「あぁやっぱり白だ。」とその美しさを自分なりに感じ取れる。

だが登山の時を思い返せば、遠目から見ても白い花の鮮明さは確かにある。

例えば日光男体山のシロヤシオツツジがそうだ。

季節は五月中旬から六月初旬あたりに一斉に咲き乱れるシロヤシオツツジ。

その白さは明らかに遠くからでも十分に目視できる。

まぁあまり深く考えてもせっかく花を愛でに来たのだからおもしろくなくなると思い考えるのをやめた。

 

紅梅が見えてきた。

この色は遠くからでもハッキリと目立つ色だった。

紅梅とは言っても一般的な「赤」ではなく、濃いめのピンク色だ。

自分としては真っ赤な色の花はあまり好みではなく、どちらかと言えばピンクがかった色が好みである。

夏が近づくと、家の庭やプランターに植える花の色にも赤はない。

淡いピンクか濃いピンクだけを選んで植えている。(他に黄色、白、オレンジ、青系)

理由はあるのだが、赤は嫌いなサッカーチームのチームカラーであるという単純な理由からだ。(笑)

(ただし浦和レッズではない)

 

白梅と紅梅とが入り乱れて咲いているが、パッと見た瞬間は紅梅の方が目立って見える。

いや、それでも一面白梅だけ、或いは紅梅だけと言うよりは紅白が混じり合っている方が互いが色を引き立て役となっており鮮やかに感じる。

筑波山にはもう何度も足を運び登った。

新しい登山靴を購入したら、先ずは靴慣らしに散歩に出かけ、その次に軽く低山に登り慣らし登りをする。

その山が筑波山だ。

ここに来て登らなかったのは初めてのことだが、たまにはこんな散策もいいものかもしれない。

 


楽しきかな雪中泊 「ICE HOUSE」

2025年06月03日 18時21分53秒 | Weblog

庵滝全体を間近で見ることができるポイントまで来た。

ほぼ毎年行っている雲龍渓谷(雲龍瀑)と比べれば確かに規模は小さいのだが、雲龍とは違った美しさがあった。

雲龍瀑を男滝(おだき)とするなら、こちらは女滝(めだき)とでも言えようか。

それでも中心となっている滝の部分は、見上げれば圧巻であった。

画像右手に見えるのがメインの滝なのだが、滝が徐々に凍ったと言うよりも周囲が数十メートルの大木がそのまま凍ってしまったようなにしか見えなかった。

それにしてもこれほどまでにも巨大に凍ってしまうものなのかと驚く。

その年の冬期における寒さにより出来上がる規模は違ってくるのだが、今年は久々に寒さが強かったこともあり見事だ。

 

三人それぞれ思い思いに写真を撮った。

歩くことのみでしか辿り着くことができないということが、一層秘境感を増している。

そして今だけしか見ることができない冬の芸術。

寒かったが来て良かった、ザックは重かったがそれも楽しいとさへ思える。

 

滝の裏側で一枚。

ここはアイゼンがなければ一歩たりとも安心して歩くことができない場所。

画像で見る限り足元は雪が積もっている様に見えるが、実は相当な厚さの氷の床となっている。

その上に僅かに雪が積もっているだけだ。

これも滝の裏側の写真。

背中側は、このポイントで唯一氷が張っていない岩の壁だが、正面は綺麗な氷の壁、と言うより氷のカーテンのようだった。

アイスブルーがグラデーションとなっている氷のカーテン。

自分のようなド素人ではこの美しさを写真として上手く撮ることができない。

それが悔しいと思うほどこのアイスブルーのカーテンは美しかった。

 

せっかくだから氷のカーテンをバックに写真を撮ることにしたのだが、この氷の床はなかなかの難敵でそれなりに斜度がありチェーンスパイクや軽アイゼンでは思うように登ることができなかった。

しっかりと一歩一歩を踏みつけるようにし、アイゼンの爪を氷に噛ませなければ転んでしまう。

Teさんはチェーンスパイクだが、ご覧の通り転倒してしまった。

自分は6本爪の軽アイゼンだったが、それでも転倒してしまった。

唯一12本爪の本格的アイゼンだったTsuさんだけは大丈夫だった。

考えてみればそんなことは当たり前のことで、厳冬期の雪山において1500m以上のルートにあるアイスバーンであれば10~12本爪のアイゼンでなければ何の意味もない。

まぁ今回は庵滝ということもあり、なんとかそれで済んだ。

 

不思議なものを見た。

「えっ、なんでこんな切れ込みが・・・」

氷柱の一部が途中で切れていたのだ。

しかもその切り口は綺麗に真横に一直線となっていた。

誰かが意図的にやったとしか思えないのだが、もしそうであったとしてもその理由がわからない。

この切れ込みのような部分が自然にそうなったのかは不明だ。

いずれにせよ危険を感じることなので触れないでおいた。

 

氷の床、氷の柱、そして氷のカーテンで一枚。

そして最後に恒例の一枚を撮ろうとしたのだが、まともなフラットポイントが無く、ちょっと崩れたポーズとなってしまった。(笑)

運動会の組み体操においてよくやっている「扇」をやろうとしたのだが、足元の雪は殆ど圧雪されておらず、「破れ扇」となってしまった。

まぁこれも良き思い出の一枚である。

 


楽しきかな雪中泊 「庵滝へ」

2025年05月21日 19時00分12秒 | Weblog

夜中に何度か目が覚めた。

そのたびにテントのダクトから外を覗いてみた。

かすかに白いものがちらちらと舞っているのが視認できる。

(「朝までには回復してくれているといいのだが・・・」)

睡魔が勝りまた眠りに就いた。

 

翌早朝5時に起きた。

マット、シュラフ、シュラフカバー、そしてカイロのおかげで温かく一夜を越すことができたが、息を大きく吸えば冷気が鼻から入ってくるのが嫌でもわかる。

外気温は当然氷点下であることはわかっていたが敢えて温度計で確かめるのが面倒だった。

テント本体とフライシートのファスナーを解放し新鮮な、そしてあまりにも冷たい空気を取り入れお湯を沸かした。

空を見上げてもまだ暗かったが雪は止んでいた。

朝食の前に珈琲を飲み煙草をふかす。

隣のテントの中からはガサゴソと音がしていた。

(「おっ、みんな起きてきたな。」)

朝食とは言ってもごく簡単な雑炊的なものだが、今日はいつもとちょっとだけ違う洋風の味付けだ。

かに風味の和風をベースにそこに固形ブイヨンを溶かして混ぜたもの。

このほんの僅かな変化がテン泊には嬉しい贅沢な味となる。

テントに積もった雪をまだ取り除いていない自分のテント。(笑)

予定では8:00に出発。

それまでに荷物の整理を終え、ザック内に収納しデポしておく。

持ち物は貴重品と水程度だけだ。

 

8時少しを過ぎて出発した。

冷え切った朝の空気が不思議と嬉しくも感じる。

このポイントからなら一時間もかからずに滝へと着くことができるのだが、今日ものんびりペースで全く問題ない行程であり、途中雪遊びをしながら進むことにした。

しかし昨夜の降雪によりトレースが完全に雪に埋もれてしまっている区間が幾つもあった。

滝そのものの場所は地図とコンパスで確認できる。

地図アプリを使えば尚更安心だ。

向かう方角だけを何度も確認しながら、あとは安全なルートファインディングをすればよい。

とは言え、途中には何十本もの倒木あり、踏み抜きありで決して油断はできない。

もう一つ心配だったのはごく小さなせせらぎの様な川があるのだが、現在は雪に覆われており一面雪原の様で流れを目視することができない状況にあった。

その川の中に足を突っ込んでしまうことのないようルートファインディングには注意が必要だった。

「この辺りが小川になっているはずなんだけど・・・」

そう思えるポイントに何度が出くわした。

やはり水の流れを見ることができないし、音も確認できなかった。

氷が張っていれば渡れるかも知れないが、どの程度の厚みなのかがわからない。

冒険はやめよう。

少し遠回りになっても安全なポイントを見つけて進むべきだ。

そんな面倒と思えることさへも楽しかった。

 

目標とする谷間が見えてきた。

その谷間に庵滝がある。(はずだ)

赤○の谷間に庵滝がある。(はずだ)

進むべき方向へのトレースは殆ど消えている。

なんとなくだがそれっぽい跡もあるが、それよりは自分たちでルートファインディングをしながら進む方がずっと楽しい。

庵滝へ向けさぁ歩こう。

安全でさへあれば雪山は楽しい!

しかし、その安全を確保するためのノウハウを知り実践できるかが重要となる。

知らなければだめであり、知っているだけでもだめ。

でもって頼りになる仲間がいるということも大切であり心強い。

 

ピンポイントで滝の場所は見えている。

滝そのものが見えていないだけだ。

トレースが埋もれてしまっている分スノーシューであってもそれなりに雪に埋もれる。

フカフカの感触だが、早朝から体力を使うなぁと思えてくる。

汗をかくほどではないものの、意外と喉が渇いた。

 

スタートして一時間は過ぎただろうか。

何となくだがそれ(滝)らしいものを目視できる場所まで来た。

「あれっぽいけど、まだ確信はできないなぁ・・・」

「う~んそうですね。でもそれっぽいですね。」

そんな会話をしながら進んだ。

一歩一歩とは言わないが、数分歩けばそれは確信へと変わっていった。

明らかにどでかく長いつららが見える。

厳しい寒さがあってこその自然の造形美が見える。

決して人の手が入っていないからこその美しさが待っている。

立派な氷柱が何本もハッキリと目視できる。

なるほど、昨日すれ違った人が言っていた「今が最高の時」の言葉そのものであろう。

 

自分は遠目の写真を撮るために少し遅れて着くことにした。

Teさんたちは先に着いたのだが、人が滝の真下にいることでその大きさの比較対象ができた。

あらためて立派な氷柱である。

画像左下にいるのがたぶんTsuさん・・・かな。

早く辿り着きたいと思うが、思わず何度も見とれてしまう美しさだった。

 

一般的な人たちよりは冬期におけるアウトドアの経験値はあると思う。

雪山登山もそれなりには経験しているし、命の危険を感じたこともある。

一歩間違えば・・・、もうほんの数秒違っていたら・・・

なんてことは何度もあった。

それでもやはり山(自然)の美しさは冬にこそある。

あらためてそう感じた。

 


楽しきかな雪中泊 「寒いけど、楽しきかな宴②」

2025年05月17日 10時36分00秒 | Weblog

酒と酒肴はそれぞれ各自で持ち寄った。

酒肴は乾き物が主だが、自分がテン泊で飲む酒はいつもバーボンなので、乾き物とは別にかなりカカオ含有量の多い甘さを抑えたチョコレートも持ってきた。

この苦いチョコレートが不思議とバーボンに合う。

本来であればオンザロックを楽しみたかったのだが、テン場近くにつららを見つけることができず今宵はストレートか水割りで楽しむこととなった。

通常の大きさのビンを持ってくるにはやや嵩張るしザックも重くなってしまうことから小瓶タイプのバーボンを持ってきた。

先ずは乾杯!

ウィスキーとはちょっと違う独特の甘さを感じる香りがテント内に満ちる。

自分は酒はあまりいける口ではないので、4~5杯も飲めば十分だし飲み過ぎは翌日に影響が出てしまうこともありチビチビと頂いた。

「どうですかチョコとの相性は?」と聞いた。

「なるほど、これいけますね。」

酒の話、山の話、普段職場では話せない仕事の話など、男同士ここだけの会話で盛り上がった。

特にTsuさんは間もなく異動となってしまうため名残惜しさもある。

鍋料理と酒で体の中から暖まる。

が、さすがに三人で飲めば小瓶はすぐに空となった。

次はTeさんとTsuさんが持ってきたビールを飲んだ。

テントのすぐ外に置いておいただけだがキンキンに冷えていた。

空になったバーボンのビン、そして笑顔。

山好きの男が集まればこんな楽しい夜はない。

それほど心を解き放したひとときだった。

ビーフジャーキーをつまみに缶ビールを一本飲んだ。

美味いと思う。

その美味さは鍋と同じであり、雪中テン泊という非日常的な要素があってこそだろう。

同じ酒でも、家の中や店で飲む時の味とは明らかに違っている。

 

時刻は21時を過ぎた。

残念だがそろそろお開きとしなければなるまい。

簡単に後片付けをし、寝る準備を整えた。

外へ出て煙草を吸う。

小雪が舞っていた。

外に出しておいたザックには雪が積もっている。

「明日はどうかな・・・本降りではない予報だけど。」

ほろ酔い加減でテントに戻った。

ザックに積もった雪。

外気温はマイナス15°だった。

就寝時の寒さ対策は十分に準備をしてきたし問題はないだろう。

先ずはシュラフの下に敷くマットだが、R値(断熱性)の高いウレタンに空気を入れるタイプが一枚。

そして100%ウレタンのマットを重ねた。

標高僅かに1600mあたりとは言え今は厳冬期、用心に越したことはない。

シュラフは冬期専用の♯0とシュラフカバー。

カバーはシュラフの濡れを防ぐためのものだが、「+α」程度の保温効果もある。

そして体そのものへの対策として貼るタイプの使い捨てカイロを多用した。

背中の肩胛骨の間あたりに一枚(もちろん衣服の上から)。

腰に一枚、大腿部に一枚ずつ。

足そのものは、先ず極厚のウールソックスを履き、その上からつま先部分にカイロを貼った。

そして予備のソックスを重ね履きするか、フットウォーマーを履くかだ。

今回はゆったり感を持たせたかったのでソックスの重ね履きはせず、フットウォーマーを履いた。

実は背中に貼るカイロは、今までは背中のほぼ中央部あたりに二枚貼っていたのだが、今回は肩胛骨の間に一枚貼ってみた。

これは陸上自衛隊の人たちが冬期演習時に塹壕を掘り、その中で寝る時に実際に行っている寒さ対策だそうだ。

今まで自分がしていたことと僅かに違うだけだが、どれ程の効果があるのか試してみたかった。

 

シュラフに入る。

ゆっくりだがじんわりと体が暖まってくるのが実感できた。

(「これなら寒さを堪えて眠るということは無さそうだ。」)

静かな夜が過ぎて行く。

 


楽しきかな雪中泊 「寒いけど、楽しきかな宴①」

2025年05月14日 19時19分24秒 | Weblog

次第に夕闇が迫ってきた。

ここは山間の平地だけに、西に日が沈む・・・と言うよりは太陽が山に隠れてしまい暗くなってしまうのが早い。

「じゃぁぼちぼち行きますか!」

自分の一声を待っていた二人の顔が思わずニンマリとしたのが印象的だった。

一つ懸念されるのがテントの狭さである。

どか雪ではないが終始降雪状態であり、外での夕食は無理と判断した。

嫌でもテント内での活動となってくる。

これは事前に「こうゆう状況になってしまったら男三人で一つのテントでの夕食になります。」と言っておいたので、狭いとわかっていてのこと。

かなり窮屈感は歪めないが、それはそれで楽しいものだ。

 

今夜のメニューは「海鮮鍋」+「海鮮雑炊」。

食材は予め自宅で切っておいたので手間は省ける。

味はTeさんのリクエストで塩海鮮なのだが、自分のもっているコッヘル(鍋)の大きさでは限界があり一気にすべての具材を投入することができない。

先ずは第一弾として野菜類と水餃子。

第二弾としてメインの海鮮類。

最後は〆の雑炊となっている。

 

それにしても男三人はやっぱり狭さを感じる。(笑)

へたをすれば膝が鍋にぶつかってひっくり返してしまう恐れがあった。

それだけは絶対に避けなければならない。

融雪した水を沸騰させ、鍋キューブを入れる。同時に野菜類と水餃子も投入した。

後はぐつぐつと煮れば終了だ。

外とテント内との気温差があり、カメラのレンズがすぐに曇ってしまうが、それよりは飯だ。

ものの5分程度も煮れば食べられよう。

第一弾、いただきます。

冷えた体、空腹の胃袋に温かさと美味さが同時にしみ込んでくる。

雪山テント泊ならではの体感だ。

三人とも異口同音に「あ~~美味い!」「たまんないですね~」

できあいの味付けに野菜を入れただけというシンプルな料理なのだが、雪を溶かして濾過した水を基にしているということが家で食べる鍋とはひと味違っている。(と、勝手に思っている)

第一弾はあっという間に終了した。

ではいよいよメインの第二弾と行こう。

味付けはそのままだが、汁が少なくなってきたので水と鍋キューブを追加した。

エビ、タラの切り身、ホタテ、イカ、つくねをありったけ入れた。

魚介類のいい香りが狭いテント内に充満してきた。

「僕、タラが大好きなんですよ。嬉しいです!」

と言ってくれたのはTsuさん。

第二弾はさすがに半生は恐いので、じっくりと煮えるまで待った。

本来であればここでビールを飲みながらと行きたいのだが、何せ狭い空間でありついうっかりビールを・・・とも限らない。

食事が終わるまで酒はやめておいた。

 

第二弾の出来上がり。

なんと、一人三杯もおかわりができてしまった。

〆の雑炊は味変をした。

またご飯を入れると同時に、生卵を二つ投入した。

「え~っ、たまごまで持ってきたんですか!」とTeさんの歓びの声。

「こんな時だからこそ、プチ贅沢がしたかったんですよ。」(笑)

何故かこの時、自分が発した言葉は「弾着 今!」

たまごが鍋に落ちると同時に言った。

所謂自衛隊用語の一つとだけ言っておこう。

やや辛めの味を、玉子が幾分マイルドにしてくれた。

これがまた美味かった。

そしてけっこう腹を満たしてくれた。

時刻はまだ19時前だが、翌日の朝を考えれば山の夜はあまりにも早い。

「それじゃやりますか。」

互いに持ち寄った酒と酒肴を取り出してささやかな宴が始まった。

 


楽しきかな雪中泊 「三人分の水」

2025年05月11日 19時49分43秒 | Weblog

適切だと判断できるテン場を探して進んだ。

それなりと思える場所はいくつか見つかったのだが、やや斜度があるなどして決まらない。

ある程度の斜度は積雪量でなんとかごまかせるのだが、この時期の雪は水分が少なく、所謂パウダースノーに近い。

つまりは押し固めることが困難であると言うこと。

たとえ見た目が水平になったとしても、そこに座ってしまうだけで凹みができてしまい、最初に作った水平(と思える)テント内は、すぐに凹凸だらけの雪面となってしまう。

まぁこれはいつものことであり、わかっていることだ。

それでもできるだけ地面そのものは平らな場所としたい。

 

やっとのこと三張り以上は余裕で設営できるポイントが見つかった。

でかく重いザックを降ろし、三人ともホッと一息・・・したいところなのだが、先ずはやらねばならないことをやってしまってからゆっくりと一息だ。

スノースコップは自分が持参したもの一つだけであるので、それを順番で回しながら使用した。

しかし前述したとおり、スコップでかき分ける→雪面を踏み固める→スコップで表面を叩いて平らにする。

かなり丁寧にやっても一歩足を降ろせば、或いは尻を着けば大きく深い凹みができてしまう。

わかっていてもちょっと悔しい思いにもなった。

スノースコップでテント周りの雪をかきだしているTsuさん。

雪中テン泊はまだ数回しか経験はないがスムーズに仕上がっているようだ。

竹ペグを穴を掘った雪中に差し込んでいるTeさん。

さすがに仕上がりは早い。

なんとか日が暮れる前に設営が終わった。

まだ一息つくには早く、融雪による水作りをしなければならない。

自分とTeさんがバーナー等の準備をしている間、Tsuさんはスコップで雪を集め即席のテーブルと椅子を作ってくれている。ありがたい。

 

何かとやるべき事がたくさんありゆっくりとできないのが雪中テン泊なのだが、実を言えば融雪による水作りは全くと言って良いほど体力は使わないで済むので、作りながらも休憩ができる。

熱い珈琲を飲みながらでもできるのだ。

さて融雪作業に取りかかろう。

準備をしながら一服だけさせてもらった。

 

さっそく雪集めをした。

一見どれほど綺麗でゴミなどの無い雪に見えても、溶かした後にドリップペーパーで濾過すればそれなりにゴミはたまってくる。

それでもそれなりに綺麗そうに見える雪をスコップでかき集めレジ袋に入れた。

「この雪が命の水になるんですねぇ。」

たった一言だが、Tsuさんが言ったことばが如何に重い意味を持っているか・・・それは経験からくるものであり、決して大袈裟ではない。

三人分の夕食と朝食に必要な量と行動中に飲む量。

そしてある程度は予備も作っておかねばならない。

「足りなくなるよりは余った方が良い」

これは嘗ての自分の苦い経験から生まれた戒めの言葉だ。

 

バーナー二つを用いて融雪作業をする。

さすがに二つともなれば水となって溜められる量が多く早い。

だが体力は使わないが、その分体が冷えてくるのが嫌でもわかる。

体はまだ重ね着をすれば済むのだが、最も辛かったのは指先だった。

冷えて冷たい・・・いや、痛いと言った方が確かだろう。

厚手のグルーブをすれば済むことなのだが、そうしてしまうと細かな作業ができなくなる。

ここはひたすら耐えるのみだった。

解けて出来上がった水をレードルですくいドリップペーパーで濾過している。

「けっこうゴミってあるもんなんですね。」

これは樹林帯の中の雪である故のことで、森林限界線を越えた標高2500m以上であればゴミはそれほど溜まることはない。

今日は致し方のないことだ。

 

今夜は降雪となる予報で、外で食事ができる可能性は低い。

せっかく作ったテーブルだが、おそらくはテントの中での夕食となるだろう。

時間はまだ余裕がある。

みんなで作った水でお湯を沸かし珈琲を飲んだ。

今日はじめてゆっくりと一息つくことができた時間だった。

 


楽しきかな雪中泊 「自由なテン場探し」

2025年05月08日 20時01分27秒 | Weblog

次に予定している休憩ポイントまでは木道の上を歩くことになっている。

しかし木道とは言ってもすべて雪の下であり、「道」は見えない。

幸いに手すりが設置されているのでルートを間違うことはないが、手すりのない区間もありルートファインディングは慎重になる。

更に奥に進めばトレースもなく地図やGPS、そして周囲の状況や地形を見て判断した。

まぁ勘に頼ることも少しはあったが。(笑)

トレースが明瞭な区間もあるが、奥へ行くに従って人の入った形跡は少なくなってきた。

この辺り一帯は熊の生息域であって、目撃情報も多い。

今は冬眠時期でありそれはないだろうが、出会うとすれば鹿、猿、ウサギだろうか。

雪中テント泊の時、物音一つしない静まりかえった夜間に僅かに雪面を踏む(ような)足音を聞いたことが何度かあった。

それはそれは不気味であり、独りであるが故に恐怖心で一杯となった。

翌朝テントの周囲には鹿の足跡がいくつも残っていた。

今にして思えば笑って話せるが、その時はなんとなく「鹿だろうなぁ・・・」とわかっていたことでも決していい気持ちではない。

また、鹿であったことは幸いでもあった。

もし猿であったなら食べ物を求めてやや過激な行動に移ることもあり得る。

夜間に猿が動き回ることはないだろうが、日中であれば要注意だ。

 

さて、白樺林が目立ってきた。

休憩ポイントはまだ先だが、その休憩場所からは小田代原一帯を景観することができ、最も奥に一本の白樺が立っている。

こと真冬ともなれば、一面の銀世界に凛として立っている一本の白樺。

誰が名付けたかは知らないが「貴婦人の木」と呼ばれている。

白樺の木を左にして進む。

ほぼフラットなルートであり、たった一泊のテン泊であるがザックの重量が少し堪えるようになってきた。

「一泊だから贅沢できる。重くなっても一泊だし・・・」と言う理由で、食材関係や酒、酒肴など結構な量となった。

予定では休憩を入れてもあと2時間はかからない。(はずだ)

 

やっと休憩ポイント到着し、ザックを降ろし一息ついた。

ゆっくりと一服するが、煙草の煙と吐く息の白さが同じに見えた。

ここで今夜のテン場について再確認をした。

正式なテン場などは一切無いこと。

安全と快適さを両立できる場所を探し、しかも三つのテントが近距離で設営できる場所。

滝に近ければそれだけ到着は遅くなるが、明日が楽にはなる。

何を優先するかもう一度話し合ったが、答えはやはり同じで、距離ではなく安全と快適さであった。

ここでいう安全とは言わずもがな「雪崩」である。

こんなところで・・・と思うかも知れないが、事実この数日後に滝近くで雪崩が発生した。

決して侮れないことである。

 

最後の休憩を済ませ、弓張峠へと向かった。

緩やかに坂道を上り緩やかに下れば峠へと着くが、そこから先は完全なバリエーションルートとなる。

弓張峠のポイントで団体さんとすれ違った。

滝の情報を尋ねたところ、今が最高の時ではないかとのことで期待感で胸躍る思いとなった。

また自分たちの装備や今の時間帯にここにいることからして、テント泊であることは誰の目から見ても明らかなこと。

リーダーらしき人から「夜は楽しんでくださいね。(笑)」と言われた。

 

先ずはトレースに沿って進んだ。

緩やかではあるが常に登るようなルートとなっており、やや呼吸が辛くもなった。

前方だけでなく、右、そして左を見ながらテントを三張り設営できそうなポイントを探しながら歩く。

以前に来た時は自分のテントのみだったこともあり、「まぁどこでも・・・」であったが、今日はそうは行かない。

テン場を探しながら進む。

場所探し、設営準備(雪面ならし)、設営、水作り、やることはたくさんある。

Teさんも久々の雪中テン泊だけにザックが重いと言っていた。

でももうすぐザックをおろせる。

 

自由にどこでもOKなテン場だが、自由の対にあるのは自己責任である。

何かあってからではダメであり、何事もなくであるが為の自由であろう。

・・・などとあまり固いことは考え過ぎず自由に探したい。

 


楽しきかな雪中泊 「時は今 厳冬期」

2025年05月05日 21時03分01秒 | Weblog

今年の冬は、ここ数年の中ではかなりの降雪量となった。

本音を言えば「なってくれた」と言うべきだろう。

日程調整がうまく合わなかったり天候悪化によりなかなか遠出ができない状況だったが、一泊程度ならなんとかなりそうと、一月の末に軽く雪中テント泊へと出かけることができた。

今回は職場の仲間であるTeさんとTsuさんの男三名で決行した。

一泊と言うことで遠出はちょっと無理故にお手軽な地元の日光とし、場所はせっかくの厳冬期ならではのポイントである「庵滝」とした。

庵滝、この時期ならではの人気スポットである。

規模はさほど大きくはないが凍った滝の水が太い氷柱となり、岩壁一面が分厚い氷の壁となって厳冬期限りの自然の造形美を愛でることができる。

またほぼスノーシューで移動でき、ルートの状況もほぼフラットである。

嘗て単独で滝のすぐ近くにテントを設営し、静かな一夜を過ごし翌日に滝を見に行ったことがあった。

滝までは地図には出ていないルートであり迷いやすいのだが、ネットで調べてほぼ迷うことなく辿り着くことができた。

今回は山と地図読みに慣れた男三人、問題はない(だろう)。

 

一月三十日早朝、時は今将に厳冬期。

この時期を逃しては氷瀑を見ることはできない。

車で一路日光まで出かけたが、車を降りるやいなや真っ白な息がここ奥日光の寒さを物語っていた。

事前に調べた積雪量はバッチリで、あとはどれだけ計画通りに実行できるかだった。

湯元温泉からバスに乗り、一端「湯滝」へと戻る形でスタートポイントへと向かった。

湯滝は冬期でも氷瀑となることはなく、轟々と音を立てて流れ落ちる。

ここから休憩予定地の泉宿池(いずみやど)までは、何度もスノーシューハイクできておりルートは十分にわかっている。

問題は積雪量だ。

多いにこしたことはないのだが、多すぎることで膝近くまで埋もれてしまい動きに支障をきたすことになる。

運良くトレースがあってくれれば助かるのだが・・・。

湯滝駐車場にて。

向かって右がTeさん、左がTsuさん。

駐車場は冬期は閉鎖されているが、人が入った形跡がたくさんあった。

スノーシューハイクを楽しみに来ている人が多いと言うことだ。

湯滝をバックに男三人。

風は微風だったが、同じ栃木県とは言えここは奥日光。

標高は1400mを越えているだけに肌に凍みる思いだった。

だが心は期待感で一杯であり、冬のアウトドアを満喫したい。

 

湯滝からいよいよ戦場ヶ原へと入るのだが、その手前にはちょっとやっかいな階段がある。

階段とは言っても名ばかりで、雪が積もりアイスバーン状となっている。

下りるのに一苦労しがちなのだが、そこは雪山に慣れた三人。

やや尻は痛いがシリセードで下りるという手段がある。

ネガティブな状況をポジティブに楽しむ方法に事欠かない。

「ヤッホ~イ!」のかけ声高く楽しそうなTeさん。

やっぱりアウトドアは楽しまなけりゃ損だ。

 

泉門池までは30~40分もあれば着くことができる。

今日は比較的時間にゆとりがあるので、途中途中いろいろと楽しみながらのんびりと歩くことにした。

スノーシューのトレースはハッキリとしていたのだが、そこから敢えて意図的に外れてフカフカと言うべきかズボズボと言うべきか、雪に埋もれながらも雪を楽しみながら進んだ。

これは雪山登山であれば尚のことであり、トレースのないところに自分だけのトレースをアイゼンで刻むという行為に山男の歓びと自己満足がある。

斜度が厳しければそれだけ滑落や転落のリスクは高まるが、そこを敢えて他人の作ったトレースに自分のトレースを重ねるのではなく、新たに自分のトレースを残す。

ましてやピッケルを用い、更にはピッケルはステイクポジションではなく、雪壁に打ち込まなければ登攀できないハイダガーポジション、アイゼンワークは当然キックステップで作った自分だけのトレースとなれば、振り返ってみたときには思わずニヤリである。

まぁこれで落ちれば唯のバカ。

自己責任の世界だけに自分もそうはやってはいない。

スタート直後はトレースに沿って地味に歩く。

・・・が何か物足りなさを感じる。

程なくして道を外れフカフカエリアを進む。

足元は取られやすく長距離ともなれば体力もそれなりに消耗するが、今日に限ってはお手軽スノーシューハイクであり何の懸念もない。

 

ゆっくりと歩いてきたつもりであったが、50分ほどで泉門池に到着した。

ここにはテーブルと椅子が設置されており、ハイカー達が休憩するにはもってこいの場所となっている。

天候に恵まれれば男体山の勇姿を見ることができるのだが、今日は曇天でありそれは叶わなかった。

さっそくザックからバーナーなどを取り出し準備にかかる。

冬はやはり熱い汁物に限ると言うことは誰もが承知のことで、カップラーメンが出来上がるまでの間、珈琲や紅茶を飲んで体内を温めた。

テーブルと椅子の上には雪が積もっており、それを払ってからの昼食準備となった。

Tsuさんは予めサーモスにお湯を入れてきておりすぐに食べられそうだ。

普段家で食べるラーメンとは大違いの美味さがここにはある。

不思議なものだと、山に登るといつも感じる。

 

のんびりと昼食を済ませ再スタート。

次は戦場ヶ原から小田代原へと向かい、最深部まで歩く。

そこで最後の休憩を取り弓張峠へと向かう予定だ。

テント場は特に決めてはいない。

ではなく、元よりテント場などはなく、自分たちで適切な場所を見つけなければならないのが今回のテン泊。

それもまた楽しからずやだろうか。

さて腹も満たしたし、小田代原まで行こう!

食べたばかりだが、今夜の夕食作りが今から待ち遠しい。

 


静けさを求めて「雪の北アルプスを見てみたい」

2025年04月30日 19時09分57秒 | Weblog

二度温泉に浸り、夜はゆっくりと時が流れるがままに過ごした。

テレビは敢えて見ることはせず、本を読んだりして自然に眠気が来ることを待った。

 

翌朝、妻は朝風呂へと行ったが自分は眠気が優先し朝食間際までベッドでダラダラと・・・。

時間が来たので朝食の部屋へと向かうと、昨夜同様に膳は準備されていた。

先ずはスムージーを飲む。

野菜と果物とが程良くブレンドされており、目覚めの一杯に相応しい美味しさだった。

実はこの数日後から、妻が朝は野菜と果物とのブレンドスムージーを作ってくれており、我が家の朝食メニューが一品増えるようになった。

朝食は和食がメインだが、デザートありお茶あり、珈琲ありと最後まで十分満足できるものだった。

温泉ホテルのよくある定番メニューの朝食とは違ったメニューがありがたかった。

 

今日は帰宅するだけなのだが、せっかくなので那須の少し手前にある板室温泉郷を通って那須へと向かい、美味しいと評判のステーキ店で昼食を食べる予定だ。

板室温泉郷はバイクツーリングで何度か通過した程度しかないが、昔ながらの湯治場的静けさのある雰囲気だ。

 

次第に那須方面へと近づいて行くと、雪を纏った那須連山が見えてきた。

「もう冬なんだね」という妻の一言に「あ~登りたい!」という言葉が出そうになった。

敢えて言葉として出さなかったのは、いつもいつも独り(或いは仲間と)で勝手に計画し勝手に登りに出かけてしまっている後ろめたさのようなものからだった。

すると妻から意外な一言が・・・

「私は登れないけど、雪の北アルプスが見てみたい。」

(「おっ、これってチャンスかも・・・」)

「テレビやYou Tubeでしか知らないけど、雪の大谷に行ってみたいなぁ。」

「次の春に行ってみるか。でも富山だから遠いよ。」

行くことに何の問題も無いのだが、雪の大谷は富山県の室堂エリアまで行くことになる。

そう、室堂と言えば自分が毎年登っている剣岳へのスタートポイントだ。

なんだかんだで三十回近くは行っている室堂、案内は任せておけと言っておいた。

手前は麦畑(?)、奥に雪を纏った那須連山。

冬の青空に映える風景に、思わず車を停めシャッターを押した。

少し近づいたポイントからの一枚。

うっすらとだが降雪が目視できた。

するとまたまた妻から意外な一言が・・・

「雪の大谷って北アルプスでしょう。雪の壁だけじゃなくって山も見られるの?」

あくまでも天候次第だが、3000m級の北アルプスに囲まれてること。

そしてそれがすぐ目の前にそびえていること。

更には立山連山のすぐ後方には劔岳が屹立しており、立山連山とは全く違った畏敬の念で見てしまうほどの圧を感じてしまうこと。

そんな説明をした。

今回の旅行は静けさを求めての宿がメインだったが、次回は観光がメインとなりそうだ。

だが、せっかく室堂まで行っておきながら山に登らないとは・・・

そんな室堂は嘗て一度もない。(笑)

 


静けさを求めて「夕食 静けさに満たされて」

2025年04月28日 23時31分35秒 | Weblog

風呂は男女それぞれが貸し切り状態で、かなりゆったりのんびりと入ることができた。

5~6人は余裕で入れる程の広さであり、脚を伸ばし温泉の湯に癒される思いであった。

夕食まではもう少し時間があったので一服しようと外へと出たのだが、日が落ちた後の館内外の灯りがまた優しく、冬の寒さを忘れ見入ってしまいそうだった。

玄関へのアプローチ。

間接照明がいい感じで夜の闇に浮かんでいる。

玄関へ向かってのアプローチ。

こんな所で煙草を吸うなどもってのほか!

そんな気分にもなってしまった。(笑)

玄関にある小さな花瓶。

陶器の台座の上に木で編んだ花瓶カバーが「和」だなぁと思った。

これ、我が家でも是非真似てみたい。

 

さて食事の時間となり席に向かった。

既に前菜がセットされており部屋にはごく静かに曲が流れていた。

部屋には我々一組だけだったが、決して会話の妨げにはならない適度な音の大きさであり、普段は殆ど聞くことのないクラッシック音楽が心地よかった。

野菜を中心とした前菜とスープなどなど・・・。

前菜のメインとなっている野菜なのだが、二十数種類の野菜が使われている。

「お品書き」に詳しく書かれていたのだが、聞いたことのない名前の野菜もあった。

一見するとこんなに野菜ばかりでちょっと・・・とも思ってしまったのだが、一つの野菜の量がごく少量であり、決して飽きのこない盛りつけとなっていた。

「へぇ~野菜って美味しいんだな♪」

今更ながらではあるが、あらためて野菜のシンプルな美味しさを感じた前菜だった。

この後魚料理や蒸し料理などが出され、味はもちろんのこと見た目でも楽しめるコース料理だった。

 

待ってました! 大好きな肉料理だ。

画像では量が少なく見えるが、先にちょっと食べてしまってから撮ったもの。

またこのスープが肉料理に合うんだな!

デザートと珈琲。

珈琲は二杯飲んだ。

 

食べ放題的なビュッフェタイプの観光ホテルは好きなものを好きなだけ食べて満足できよう。

それはそれで好きだ。

しかし、嘗て何十年も参加してきた年末の職員忘年会では、もう決まり切った内容の料理であって特に期待感もないし嬉しさもなかった。

飲んで騒いでが先であり、料理は二の次。

致し方のないこととわかってはいるが、せめて妻との旅行ではそれだけは勘弁して欲しいと言った覚えがある。

前述したことだが、観光・食事・宿のいずれかをメインにして出かけようと決めた。

今回は「静かな宿」がメインであったが、いやどうしてどうしてこの食事には満足だった。

自分は年齢の割にはかなり量を食べる方なのだが、期待以上の満腹感だった。

あまり飲めない酒も、大きなグラスで珍しくビールを二杯飲んだ。

 

部屋へと戻り食事の話をした。

まだ一晩経ってもいないのに、また泊まりたいという同じ感想だった。

酔いが覚めた頃にもう一度風呂に入った。

明日の朝食が楽しみだ。