北海道を除く全域で梅雨が明けたと同時に夏山シーズンに突入。
おそらくこの三日間は多くのハイカーや登山者で賑わうことだろう。
夏山と言えばやはり富士山がすぐに思い浮かぶ。
とは言え良い意味ではなく、思い浮かぶのはネガティブなことばかりだ。
ここ数年の富士山ブームは異常なまでとも思え、「それほどまでして登りたいのだろうか・・・」と疑問しか残らない。
自分も何度もお誘いを受けたが、過去三度登っておりもうこれ以上登るつもりは一切ない。
理由はこのブログにおいて綴ったことがあるが、敢えてもう一度言っておきたい。
一つ目の理由は、登山道があまりにも単調過ぎるということ。
部分的にもクライミング的要素があればまた別なのだが、金剛杖(またはストック)を用いてダラダラと登攀するだけ。
樹林帯も苦手だが、この単調さも苦手である。
次に人が多すぎるということ。
混雑するのは仕方ないとしても、その混雑さが半端ではない。
ましてやご来光を目的とする登山者が殆どとなれば、深夜にヘッデンを灯し「これでもか」と言わんばかりの大渋滞で登攀する。
まさに数珠つなぎ状態での登頂など御免被る。
最後は規制に縛られていることが多いということ。
その規制が増えてしまった理由はもちろん登山者にある。
嘗て登ったときはまだそれ程でもなく、朝5時くらいに五合目を出発すれば無理なく夕方には戻ってこれた。
所謂「「弾丸登山」ではあったが、それが普通にできた頃だった。
一つ付け加えておこう。
富士山には何の責任もない。
ないのだが、この数年来のあまりにも無茶で無謀な登山者、もっとはっきり言えば無知で馬鹿な輩たちのおかげで富士山が嫌いになりかけているのだ。
もう一度言う、富士山には何の責任もない。
もちろん全ての登山者がそうではないことは分かっているが、そんな輩が大勢いる山に登りたいという意欲が全く湧いてこないのだ。
職場の若者たちから何度も誘いを受けた。
というよりは「一緒に登ってもらえませんか」とういう依頼だった。
はっきりと理由は言わずやんわりと断ったのだが「えっ、どうしてですか? 日本一の山ですよ。日本で一番高い山なんですよ。」とも言われたが、自分にとって標高は関係ない。
大好きな登山を嫌な思いをしながら登ることが嫌なだけだった。
7月に入り、富士登山のニュースをTVで何度も見た。
「富士山レンジャー」なるチームが発足し、一定の権限を有しているようだがまだまだとも言える。
例えば、上下セパレートタイプの雨具がなければ入山できないらしく、近くの店舗で購入し許可を得て入山する。
「えっ、これっていいの? こんなんでOKなの?」と思った。
雨具を持ってこなかった理由がどこにあるのかも確認しないで本当にいいのだろうか・・・
仮に登山経験豊富で体力もある人が「ついうっかり」というのであればまだいい。
ほぼ初心者が「持っていないから持ってこなかった」だったり、「えっ雨具って必要なんですか・・・」などという理由であったなら、たとえ購入したからと言って入山させても良いのだろうか。
更にこんな登山者がいた。
服装・装備問題なしでゲートを通過した。
しばらくしてザックの中にしまってあったサンダルに履き替えて岩場を登っていた。
記者が質問をしていた。
「大丈夫なんですかこれで・・・」
「はい、だってこっちの方が楽ですから。」
もう言葉が出なかった。
こんな輩がいる限り事故が減ることは絶対にあり得ないと言い切れよう。
何かもっと方法はあるはずなんだろうが、自分が考える方法はあまりにも突拍子で説得力も実効性もない。(笑)
敢えて綴ってはみるが・・・
*詳細な内容の入山届の提出
・直近で(2~3年間)登った山はどこか。
・日帰り、テン泊、小屋泊、リーダーとして登ったのか否か。
・今回の富士登山における細かな登山計画(時刻、ルート、何処の小屋など)
・具体的な持ち物の記入。そして本当に持参してきているか否かのチェック。
*意思の確認と直筆による署名で証拠的なもの書面で残しておく。
・途中で高山病になってしまったが、それでも無理をして登山を続け動けなくなってしまった場合は有料で救助を受けます。
・登山道から外れたポイントで登り怪我をした場合は有料で救助を受けます。
・サンダルやスニーカー履きで登山をし怪我した場合は有料で救助を受けます。
・入山届に記入した内容に虚偽があり、それが原因で怪我をしてしまった場合は有料で救助を受けます。
・一般的常識と良識、ルール、マナー、モラルから逸脱したことが原因で怪我などをしてしまった場合はその理由の如何を問わず有料で救助を受けます。
上記の5項目の判断と権限をレンジャーなどの人に持たせ、言い訳は一切通用しない。
まぁ勝手に思っていることを書いてはみたが、こんなあまりにも無理な内容でもやらなければ無謀な輩はなくならないだろうと思っている。
最後に一つだけ。
登山において怪我や遭難などの事故は必ず起きる。
それは経験や年齢だけではかることはできない。
初心者でもベテランでも起きるときは起きるということだ。
その起きる可能性(確率)を少しでも減らすことしか各自にできることはない。
・登山に適した服装やギア各種の事前準備。
・ルートの事前調べ。(情報収集)。
・一定以上の体力や持久力の維持。
この三項目を確実にやっておくだけでも事故の確率は減ってくると信じている。
今年の夏山登山、秋になり終わってみて果たしてどのような結果となっているのだろうか。
言うだけではなく、自分もしっかりとしなければならない。