今年の春に花巡りとして訪れた場所があった。
茨城県にある筑波山である。
この山はお手軽な登山を楽しむだけではなく、季節の花々を愛でる散策的な楽しみもあり、以前から春になったら一度は散策として行ってみたいと思っていた。
自宅からは車で一時間ほどで着くし、決して無理のない行程である。
季節は三月。
桜はまだだがここには梅林がある。
天候には恵まれほぼピーカンだ。
風が吹けばやや肌寒さを感じるが、花巡り日和としてはもってこいの好天になってくれた。
早めに自宅を出発したが、好天ということもあってか駐車場は混雑していた。
梅林は駐車場から歩いてすぐのところにある。
南向きの山肌全体が梅林となっており、平地ではない。
ぐるりとまわるにせよ、いずれのルートを歩くにせよ常にアップダウンの連続であった。
とは言っても登山と比べればいたってお手軽なコースであり、花を愛でながらであれば尚のこと疲れなど出るはずもない。
案内板に沿って登り始めると早速白梅が出迎えてくれた。
青空をバックすれば白い花びらが一層引き立って見えた。
のんびりと歩きながら(登りながら)花を愛でる。
本音を言えば、このような行動は決して自分の柄ではないと思っている。
「花なんて似合いはしない」
常々そう思っているのだが、かといって興味や関心が無い訳ではない。
高山植物は好きだし、自宅の庭にもささやかながら花壇やプランターがある。
(まぁ所詮はその程度ってこと・・・)
一定の場所まで登ってきた。
振り返ってみる・・・が、はて、何かちょっと違うような。
白梅の梅林には違いないのだが、ピン!と来るものが無い。
何というか、風景の中に梅林がとけ込んでしまっており、白梅がぼやけて見えている感じだった。
梅林という場所に来る事自体が初めてであり、「こんなものなのか・・・」と思ってしまった。
ハッキリと言えば期待はずれであるのだが、そう言い切るのは尚早であると後に思い知らされた。
しばらくは白梅林の中を歩いた。
花や枝のすぐ近くで見れば綺麗であると思う。
また癒される思いになる。
が、ちょっと距離を置いて見てみると白がぼやけてしか見えない。
「花の咲く木とはそういうものなのだろうか・・・。それとも梅だけなのか。或いは白という色の花、それ故のことなのか・・・」
勝手にいろいろと推測しながら歩いて行くが、青空をバックにアップで撮れば「あぁやっぱり白だ。」とその美しさを自分なりに感じ取れる。
だが登山の時を思い返せば、遠目から見ても白い花の鮮明さは確かにある。
例えば日光男体山のシロヤシオツツジがそうだ。
季節は五月中旬から六月初旬あたりに一斉に咲き乱れるシロヤシオツツジ。
その白さは明らかに遠くからでも十分に目視できる。
まぁあまり深く考えてもせっかく花を愛でに来たのだからおもしろくなくなると思い考えるのをやめた。
紅梅が見えてきた。
この色は遠くからでもハッキリと目立つ色だった。
紅梅とは言っても一般的な「赤」ではなく、濃いめのピンク色だ。
自分としては真っ赤な色の花はあまり好みではなく、どちらかと言えばピンクがかった色が好みである。
夏が近づくと、家の庭やプランターに植える花の色にも赤はない。
淡いピンクか濃いピンクだけを選んで植えている。(他に黄色、白、オレンジ、青系)
理由はあるのだが、赤は嫌いなサッカーチームのチームカラーであるという単純な理由からだ。(笑)
(ただし浦和レッズではない)
白梅と紅梅とが入り乱れて咲いているが、パッと見た瞬間は紅梅の方が目立って見える。
いや、それでも一面白梅だけ、或いは紅梅だけと言うよりは紅白が混じり合っている方が互いが色を引き立て役となっており鮮やかに感じる。
筑波山にはもう何度も足を運び登った。
新しい登山靴を購入したら、先ずは靴慣らしに散歩に出かけ、その次に軽く低山に登り慣らし登りをする。
その山が筑波山だ。
ここに来て登らなかったのは初めてのことだが、たまにはこんな散策もいいものかもしれない。
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