「英雄の書」を読んだ(前編)

2016年05月10日 00時05分00秒 | 生き方・人生観

▲<5月8日、「豊崎美らSANビーチ」へ行き、管理棟屋上で「日光浴&読書」をした>

連休中に読んでいた「英雄の書」に衝撃を受けて、再度読んでいる・・・。


▲<黒川伊保子著「英雄の書」独特の語り口だが、AI(人工知能)の研究から導かれた「英雄脳」を鋭く解説>

イタリア人は、試合や試験に挑む人へ、こう声を掛ける。『In bocca al lupo』(狼の口の中へという意味である)。
彼らにとって、ゲームとは「点を取って、取られて、取り返す」事であって、「単に点を取る」事ではない。
点を取られた時、「失敗した」と感じれば、まるでゲームが終わってしまったかのように動揺する事になる。そうすると重ねて点を取られてしまう。実際にゲームは終わってしまうのだ。日本人が「失敗」と呼ぶ事象のほとんどは、「人生をドラマチックにしてくれる、神様の演出」なのである。同じ事象を「失敗」と呼ぶのと、「やっとドラマが始まった」と思うのでは、天と地ほども違う。・・・こんな言葉から始まる。

この本の筆者、黒川伊保子氏は、1983年、奈良女子大学理学部物理学科卒業後、㈱富士通ソーシアルサイエンスラボラトリに14年勤務AI(人工知能)の研究に従事。その後、コンサルタント会社勤務、民間の研究所を経て、2003年に㈱感性リサーチを設立、代表取締役に就任。 2004年、脳機能論とAIの集大成による語感分析法『サブリミナル・インプレッション導出法』を発表。サービス開始と同時に化粧品、自動車、食品業界などの新商品名分析を相次いで受注し、感性分析の第一人者となる(ウイキペディア)。以下、興味深かく感じた言葉を抜粋。

●「失敗」は、脳の成長のメカニズムの一環で、必要不可欠なイベントなのだ。いちいち落ち込んでいたら、脳が疲弊してしまう。それは、おしっこする度に落ち込んでいるようなものだ。

●ヒトの脳には天文学的な数の神経回路が内在して、必要な時に必要な回路にだけ電気信号が流れ、その時々に脳の仕事をする。たくさん流れればいい訳でなく、必要な時に、必要な回路にだけ、素早く電気信号が流れる事。これこそが、良い脳の定義であり、成功者の脳の必要条件なのである。優先順位がしっかりしている脳は、つかみが良くて、勘がいい。だから、運がいいのである。

●脳は体験によって進化している。失敗すれば、失敗に使われた脳の関連回路に電流が流れにくくなり、失敗する前より、失敗しにくい脳に変わるのだ。逆に成功すれば、成功に使われた関連回路に電流が通りやすくなる。特に、成功に使われる本質的な回路は、使われる回数が多いので、優先順位が高くなる。これこそが物事の本質を見抜く洞察力に他ならない。これが、超一流のプロ達が持つ力だ。

●失敗をした時、けっして他人のせいにしてはいけない。100%他人のせいだとしても、その失敗を防げなかった自分を反省し、相手への憤りを自分の心の痛みに変える。これは、理想論や精神論で言っているのではなく、自らの脳に、失敗である事を知らせるためだ。他人のせいにしてしまうと、脳は失敗だと解らないから、回路を更新してくれない。せっかく痛い思いをしても脳が進化しないなんて、もったいないからだ。

●「あいつが悪い」「会社が悪い」「社会が悪い」「時代が悪い」・・・そんなふうに他者のせいにしていると、脳が、自分の失敗だと認知してくれない。せっかく痛い思いをしたのに、脳が進化してくれない。

●失敗はたくさんしていい。失敗したら、深く反省する事。ただし、「くよくよと思い返してはいけない」と、脳に教えて上げよう。「私には、まだ出来る事がある」はいいが、「あそこは失敗だった」はNG。よく似た言いぶりだが、前者の脳は、さらなる成功事例を見つめ、後者の脳は、今の失敗をなぞるので、その言葉の対脳効果は、天と地ほども違う。失敗を想定し過ぎると、必ず失敗する。

●ネガティブ思考が、脳神経回路に、失敗癖と挫折癖を創ってしまう。そうなると、成功体験を増やせないから、本質も見抜けない。いつまでたっても、どうでもいい事しか言えない事になる。50過ぎても、若手社員のように「会社が解ってくれない」と言い募るような事になる。英雄の真逆の生き方である。要は、何かに挑戦する前に、脳に上手く行かない事を数えない事。簡単である。逆に言えば、簡単な事で、人は埋もれて行く。気をつけよう。

●ヒトの脳は、潜在意識に90%を超える脳神経回路を使い、顕在意識に使うのは僅か数%のそれ、と言われている。潜在意識の方がはるかに繊細に、かつ広範囲に、脳に必要な情報を収集してくる【カクテルパーティ効果】。私達の潜在意識は、雑踏音の中に潜んでいる、自分を呼ぶ声を確実に拾う。つまり、森羅万象の中に潜んでいる、自らに必要な微小情報を確実に拾っているのである。顕在意識が小賢しく描く未来よりも、ずっと自分の脳に合った縁や運を紡ぐ能力が、潜在意識にはあるのだ。だから、顕在意識の夢、誰もが口にするようなステレオタイプな成功の夢で、脳をロックしてはいけない。好奇心に駆られて無邪気に動いた時、あるいは使命感と共に逆境に立たされた時、脳は、その潜在能力を最大限に使い切る。「夢」は、胸に秘めておくもの。それを語る時は、「目標」か「使命」として口に出そう。

・・・等々、興味が尽きない言葉に次々と出会え、脳が活性してくる。
次回は、(中編)へ続く。



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