「コクリコ坂から」

2011年08月11日 09時00分00秒 | 沖縄の生活

▲<スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」>

宮崎吾朗監督、第2作「コクリコ坂から」を先日観た。
企画・脚本、宮崎駿(脚本は、丹羽圭子共作)。原作は1980年に「なかよし」に連載され不発に終わった作品らしい。舞台は、1963年東京オリンピック前年の横浜。

当時の雰囲気を出しながら、私立高校の古い建物立て直しを阻止する学生達の活き活きした学園生活と、主人公カップルの古風な出生の秘密をテーマにした淡いラブストーリーを織り交ぜて行く。

しかし、絵の背景に奥行きがない。人物の動きがぎこちない。その上に脇役がたくさん出て無駄が多い(盛り込み過ぎ)。設定時代が、一部の人(66歳)には懐かしいだろうが、この時代設定が作品の質を上げたか疑問が残る。坂本九の「上を向いて歩こう」が、挿入歌で流れるがどうも作品としっくりこない・・・。

そうしたら、8月9日の夜NHKで「ふたり・宮崎駿×吾朗ジブリ新作コクリコ坂 父と子の300日戦争」の放送があった。それを観ると、親は息子の監督に反対、作品に不満。でも、自分の歳には勝てず長編アニメ作品を創る体力がない・・・。鈴木プロデューサ苦肉の経営策と解る(アニメで二世監督?)。

途中、東日本大震災が発生し、計画停電などで作品にかける時間が減少し、作品完成も危ぶまれる。吾朗・鈴木体制が出した震災による3日間の自宅待機方針に対して、駿氏が、どんな事があっても休まずやれ!と活を入れていた時は迫力があった(それでも、夏休み作品に間に合わせるため所々カットが少ない理由が解った)。


優れた長編アニメ作品を創る事がいかに難しい事か、このテレビを見て再度理解した。
ジブリが、宮崎駿に変わる監督を創り出す事に苦労をしている。突出した大作家の後は厳しい・・・。
ジブリに、宮崎駿×鈴木の後に人材が育っていない・・・。

日本のアニメが、世界に出せる数少ない産業だけに、ジブリ社が宮崎親子に任せるより、日本中から次の作家を発掘するシステムを確立させる必要がある(鈴木氏の最後の仕事でしょう)。


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