免疫力(5)

2015年10月11日 00時05分00秒 | 健康

▲<民家の庭先に咲く「月桃」の花>

●マクガバンレポート
理想的な食生活のあり方で、参考になるのが、『アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書』(通称:『マクガバンレポート』)です。マクガバンレポートとは、1977年に米国で報告された、食事と慢性疾患の因果関係についての研究結果で、米国内に、あまりに多い「心臓病」や「がん」の疾病を国民的課題とみなし医療改革を掲げ、上院に設置した「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」で、7年に渡って調査研究した。ジョージ.S.マクガバン委員長の名前に由来したレポートです。

この中で、「ガン」「心臓病」「脳卒中」などの生活習慣病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした“食源病”であり、薬では治らないと指摘し、食事や栄養の摂り方と病気の関連が初めて公式の場で明らかにされた。

これをきっかけに米国では、「肉食中心の食生活が見直され」、健康増進のサプリメントを法的に整備し、予防医学にも真剣に取り組み、この活動で「ガン死亡者数が抑えられ」、医療費の大幅削減が出来た


▲<ゴルフ場の柵に咲く「カエンボク」>

●増えている大腸がん
今日、日本の死亡理由をみると、「ガン」「心臓病」が1位、2位を占めている。なかでも、「大腸がん」の増加は著しいものがある。これは、現在日本人が「高たんぱく」「高脂質な食品」の摂取過多といえる「欧米型食生活」が、原因であると考えられる。

●理想の食事とは?
マクガバンレポートの中で「理想食」として挙げられているのが、元禄時代以前の日本の食事なのです。つまり、一切の添加物を排し、精白していない穀類を主食とし、季節の野菜や海草、小さい魚介類を摂る食事の事です。

けれども現実には、この「理想」に近づくのは極めて難しいと言わざるを得ません。私達のお腹に棲んでいる「腸内細菌」は、共に人生を歩んでいるパートナーのようなものです。このパートナーと共に健康でいたいのですが、「乱れがちな食事内容」「不規則な生活」「過度のストレス」など、私達の身の回りには健康を脅かす要因があふれ、腸内細菌のバランスも敏感にその影響を受けています。

でも、自分の健康は自分で守る他ありません!健康な毎日を送るために、もう一度、自分の大切なパートナーである「腸内細菌」に目を向けて、自分自身の「腸内細菌」と上手に付き合って行く事が大切なのです。


▲<道路脇の花>

●便秘と腸内細菌のバランス
便秘の悩みを抱える女性が多いと言われます。便秘による不快感も嫌なものですが、便秘によって「腸内細菌」のバランスが「悪玉菌」優勢になると、様々な病気を引き起こす原因になります。

便秘になると、腸内で便が滞留する時間が長くなり、「悪玉菌」が出す有害物質が吸収されやすくなります。「悪玉菌」が多くなると、腸の蠕動運動が停滞し、悪臭を持ったガスが発生し、「ガン」や「生活習慣病」に罹るキッカケを生みます。顔に出来る吹き出物も、腸にたまった有害物質が原因です。

逆に、「腸内細菌」のバランスが「善玉菌」優勢になっていれば、腸内の乳酸菌により乳酸が生産され、乳酸により腸が適度に刺激を受けて蠕動運動が活発になり、排便が促され、便が速やかに排泄される事で有害物質の吸収がされにくくなります。


▲<住宅庭に咲く「クチナシ」の花(沖縄の方言で「カジマヤー」(風車)と呼ぶ>

●腸内細菌のバランスを良好に保つためには
腸内菌の多くが、「日和見菌」と呼ばれる中間菌です。「日和見菌」は、名前の通り、腸内において「悪玉菌」が優勢であれば「悪玉菌」の味方に付き、「善玉菌」が優勢であれば「善玉菌」の味方に付くどっちつかずの存在です。

腸内では「善玉菌」と「悪玉菌」が常にバランスを取り合っていますが、「善玉菌」が多いと腸の調子は良く、本来持っている高い免疫力を維持出来ている状態と言えます。逆に、「悪玉菌」が多くなると腸の動きは悪くなり、有毒物を含んだ便やガスが停滞して様々な病気を引き起こす原因になります。そこで、私達はいかにして「日和見菌」を「善玉菌」の味方にしておくかが重要です。

自分の腸は「善玉菌」優勢なのか、または「悪玉菌」優勢なのか、排泄される便から判断しましょう。便の色や状態を見て、自分の腸内環境がどうなっているかを把握する事は自己の健康管理において有効です。便の色、形、ニオイからの考察について詳しく見る。もし、不健康な便が続くようであれば、乳酸菌の摂取量を増やすなどして「善玉菌」を増やし、食生活や生活環境を見直す。


▲<御嶽に咲く「イッペー」の花>

ちなみに、肉好きな人は便もオナラも臭いと言われます。肉は「悪玉菌」の大好物ですので、肉中心の食事に偏っている人の腸内は「悪玉菌」が優勢の場合が多い。すると、オナラは臭くなり、便も黒ずんで臭いもきつくなります。肉を食べたら、「善玉菌」のエサになる「乳酸菌類」、「食物繊維」を摂取して、腸が老化してしまわないように気をつける。

しかし、「乳酸菌」が多く含まれる「ヨーグルト」は、「胃酸」で解けるので腸まで届かない事が多い。「朝ヨーグルト」をたくさん食べるより、胃で解けない「カプセル」入りの「乳酸菌」を飲む方が効果的だと言われている。

※この項は、株式会社光栄科学研究所HPを参考にして、「朝のヨーグルト」については、私の見解を加えている。


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