▲<桜坂劇場で上映中の「残波」>
先週、桜坂劇場で、「残波」という映画を観た。
監督は、出馬康成(いずまやすなり)さんで、「オバアは喜劇の女王仲田幸子沖縄芝居に生きる」「マブイの旅」「ソフテン!」などの作品がある。
「残波」という映画は、不思議なストリーだった。過去と現代が行き来し、「YUSURA」演じる女性が実在する女なのか?
主人公(美勇士)の死ぬ間際の母が、「YUSYRA」の身体を借りて、息子の「命」を助ける。
仕事の無いやくざ親分の命令で、県外の「ヤマト原子力発電所」に出稼ぎに行く。
地震で、漏れた「原子力発電所」の「放射能」除去作業で死ぬ作業員・・・。「ヤマト原子力発電所」の除去作業で死んだ作業員の調査(隠蔽)に役人が沖縄に来る・・・。反対運動が起きる。最近の出来事が、暗示のように続く。
「じゅり」だった母の形見の「ジーファ(銀製のかんざし)」をめぐる二人の女性。
母が昔、「じゅり」だった頃の(?)「じゅり馬」踊りの映像が、映し出される(沖縄でも、なかなか観られない貴重な映像だ)。
母親役の「玉城節子」さんの「琉踊」と、八重山の唄者「大工哲弘」さん演じる「ジーファ職人」。その他、沖縄のタレント・芸能関係者の出演が、作品にリアリティ効果になっている。
出馬監督が、情念の世界を複数の伏線に絡めて仕上げている・・・。
評価:★★★