晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大唐内のこと(16) 鬼伝説 12/3

2010-12-04 | 歴史・民俗

2010.12.3(金)雨、曇

 麻呂子親王とは如何なる人物か。麻呂子親王は実在の人物である。用明天皇と葛城直磐村の女、広子との間の子で聖徳太子の異母弟にあたる。聖徳太子の政治の実動面を果たしたと見られている。麻呂子親王伝説は日本の鬼の交流博物館の発行する、「大江山鬼神幻景」という冊子に詳しい。大江山に遠征して「英胡」(えいこ)「迦楼夜叉」(かるやしゃ)「土熊」(つちくま)という三鬼を退治したというものである。
清園寺縁起絵や仏生寺縁起などに伝説が残っているのだが、その特徴は丹後を中心に各地に地名の由来などとともに伝説が残っていることと、七仏薬師信仰と深く関わっていることである。Img_1871
 日本の鬼の交流博物館には酒呑童子や麻呂子親王伝説に関する冊子が用意されている。


 綾部市における麻呂子親王伝説は志賀の七不思議と言われる志賀郷の伝承に残されている。西方の宝満寺に七不思議の由来を記した古文書があり、そこに麻呂子親王の鬼賊退治のことが記されているそうだ。また麻呂子親王が志賀郷の五社を厚く信仰されたということで、藤、茗荷、萩、柿、竹をお手植えになったということだ。Img_2045
 茗荷神事の行われる茗荷田(阿須々伎神社)



 さて、この麻呂子親王伝説は何を表しているのかと考えると、やはり玖珂耳之御笠同様大和朝廷が丹波地方のまつろわぬ豪族を征討したというのが妥当な考えだろう。
 麻呂子親王が退治した鬼の名称はなかなか興味深い。各文書によって少しずつ違うので紹介しよう。

清園寺略縁起 奠胡(てんこ)、迦楼夜叉(かるやしゃ)、槌熊(つちくま)
清園寺古縁起 天鼓(てんこ)、軽夜丹(かろやに)、土熊(つちくま)
          五月姫(さつきひめ)
仏性寺縁起  英胡(えいこ)、迦樓夜叉(かるやしゃ)、土熊(つちくま)
宝満寺古文書 焔光(えんこう)、駆足、地車
斎明神縁起   鰾古、軽足、土車
※かなのうってないのは書かれていないため、悪しからず。

これらを見ると少しずつ違うのだが、五月姫を除いて概ね同じ名のものを表現しているようである。「大江山鬼神幻景」に三鬼の名称の意味について考察されている箇所があるので次回に紹介しよう。つづく (大唐内のこと(15)は2010.12.1)

今日のじょん:夕べは強風が吹き荒れた。じょんの一番苦手な風である。風の音や物が当たって鳴る音、木々が揺れたりする景色を極端に怖がる。サークルは窓の近くで怖がるのでそういう夜はペットゲートを開けてやり、居間の真ん中で眠っている。Img_1461

この辺がベストポジション(2010.10.3)

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