晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 続 日本の地名 11/10

2011-11-11 | 雨読

2011.11.10(木)曇

  「日本の地名」の続編と言うことですが、内容的には継続しているものではありません。続編では動物地名を扱っています。古代から動物たちは人の生活と共にありました。時には敵対して戦ったり、怖れたり敬ったり様々ですが、地名となっている動物のトップは鹿であり、熊と猪でベストスリーとなるそうです。やはり古来からこの三種の動物には関わりがあったのでしょう。
 「続 日本の地名」谷川健一著 岩波新書1998年5月第一刷 定価640円 購入価1円
P1000329  地元の小字などを見ていると、中上林地区では8ヶ所、奥上林地区では18ヶ所となっています。動物別で複数あるのは中上林で馬ー4ヶ所、奥上林で鳥類ー6ヶ所、狼、牛、獅子、馬、魚類が各2ヶ所となっています。中上林では動物地名が少なく、しかも家畜が多く、奥上林では自然の動物名が多いというのはある意味で動物との関わり合いの程度が表れているのかも知れません。
 さて本書では魚類、ほ乳類、爬虫類、両生類、鳥類から貝や蛸など、ついにはカッパまで扱っています。
 一般的に動物地名と言っても、もともと地形用語であったものが、音が一緒だったので親しみのある動物の名をあてたものがほとんどと思われます。例えば遠野市(岩手県)の猿ヶ石川(さるがいしがわ)などは、アイヌ語でサル=葦をあらわし、石は釜石のように~のところという意味で、葦の多く生えている川という意味だそうです。また洪水で大きな被害のあった十津川村には猿飼(さるかい)の地名があります。サルは崖を表し、カイは峡を表すそうです。つまり動物の猿には無縁な地名なのです。Img_1330
 こういう一般的な地名も扱っていますが、やはり地名の大御所だけあって難解地名や奇妙な地名を多く書いておられます。
 犬では犬卒塔婆(いぬそとば)、犬島、小犬丸(こいぬまる)、犬川(いんがー)など一般的でない地名が登場します。私としては犬山や犬飼、犬鳴山などの普通の地名について知りたいと思います。
 日吉町の地名を調べていて、神楽坂(かぐらざか)について書いたのですが(2011.10.11参照)、実はどうも納得がいきません。すると本書の猪の項に、狩り言葉としてカクラというのが出てきました。狩倉のつづまった言葉ですが、狩りの対象となる動物が居そうなところ、狩り場という意味だそうです。岐阜県郡上郡和良村に鹿倉(かくら)、佐賀県東松浦郡鎮西町に加倉(かくら)があり、南北朝時代には狩倉と書かれていたそうです。この意味だと神楽坂も理解できそうなのですが、そういえば三和町にも鹿倉山(しかくらやま)という山があります。
 上林周辺の小字を見ていて最も気になる動物地名は牛鬼です。この妖怪を示す地名が山間部に結構見あたるのです。有名な宇和島の牛鬼は秀吉の朝鮮出兵の際の一種の戦車みたいなものという説がありますが、この地方の地名としては関係なさそうです。どうも地形をあらわす地名と思われますが、いまだこの地名に関する情報は見あたりません。P1000330
 

宇和島の牛鬼。

【作業日誌 11/10】
プリンタ台つくり

今日のじょん:じょんがクンクン嗅ぐので谷を見てみると、アチャー猪だ。じょんのび谷上部と水源の当たりがすっかり掘られている。多分カニとか捕ってるんだろう。もう解禁だもんね。P1000313 P1000312

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 続・社員旅行 11/9  | トップ | 冬の準備始まる 11/11 »

コメントを投稿