リオデジャネイロオリンピックが白熱しています。連日日本人選手たちが大活躍でメダルを獲得しており、寝不足気味の方も多いことでしょう。
さて、毎回オリンピックというと必ず注目を集めるのが、お家芸といわれる「柔道」。今回は、男子は初の全階級でメダルを取るという快挙の一方で、金が2個ということに課題を見る向きもあるようです。しかし前回のロンドン大会では金がゼロだったわけですから、4年間の成果は確かです。
我々一般人にしてみれば「銅も十分ではないか、よく頑張った」と言いたくもなりますが、「絶対金」と言われ続けながら金を逃した選手たちは、一様に複雑な表情をしています。こういう状況の中で戦うプレッシャーというのは、大変なものでしょう。途中で負けても心挫けず獲得した銅の価値は、やはり大きなものです。
しかし逆に、その期待の裏には、それだけの環境も整っていると言えると思います。留学せずとも、近くで優秀な先達から指導も受けられる。そう考えると、競技名さえ十分に認知されていないカヌースラロームカナディアンシングルで銅メダルを獲得した羽根田卓也選手の功績などは、まさに大金星です。続く後輩たちも大いに勇気づけられたことでしょう。
王者の重圧、挑戦者の道なき道。どちらも大変な苦労です。しかしそれぞれの異なった境遇を背負いつつ、競技場に立てば皆同じ。これがスポーツの厳しくも面白いところです。引き続き、手に汗を握りつつ五輪観戦を楽しみたいと思います。