先日大宮に泊まった際、駅前にブックオフを発見。何も旅先で、、、と思わなくもなかったのですが、やっぱり立ち寄ってしまいました。
文庫本を3冊手に入れたのですが、その中の1冊が故筑紫哲也氏の「旅のあとらんだむ」というエッセイ(朝日文庫)。ジャーナリストとして世界中を飛び回った経験に基づき、旅についてのあれこれを綴っています。私も山響に入団して以来、随分旅慣れたなぁと悦に入っていたものですが、氏のそれは、もう「人生の偉大な一部分(大部分?)」といっても過言ではないくらい、年期の入ったものでした。
1988年の出版物ですので、内容には色々時代を感じさせられます。最初の章に、大学三年の時に香港へボランティア活動(一日1ドルの肉体労働だったそうな)で行った話がのっていましたが、そこで偶然高校の先輩に出会い、食事をご馳走してもらった際、先輩が財布から取り出したのは、見た事もない真っ赤な100ドル紙幣だったというエピソードが紹介されていました。100ドルという大金が、赤という色によって、より衝撃的に脳裏に刻み込まれたことでしょう。
私が訪れた外国は限られていますが、お札というのは確かに、よく見るとなかなか面白いものです。留学先のイギリスでは、紙幣のあまりの汚さに閉口させられました。皺だらけとかそういうレベルではなく、メモがわりとしか思えない意味不明の数字が書き込まれていたり、不謹慎にも女王の肖像に落書きがなされていたりするのですから。。。新札なんかにはまずお目にかかれず、ちょっとでもきれいなお札が手に入れば、レッスン代用にとっておいたものです。
それに比べて日本のお札は大変きれいです。銀座あたりで買い物をすると、かなりの高い確率で新札のお釣りが返ってきたりして、なかなか気分の良いものです。この貴重さを知る事ができたのも、旅の賜物といえましょう。