自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(5)

2018-01-20 | マンサク

1月18日(木),午後。花が開きかけると,程々に時間をかけて細かく観察を続けなくてはなりません。自宅にいる時間をしっかり確保できればよいのですが,勤めもあり出かけることもあり,なかなかそうはいきません。訪花昆虫が花に見合った小ささなので,ざぁーっと見るだけでは見逃しがちです。

これからは,見落とさないように注意深く見ていきたいと思います。

さっそく目に留まったのがクモ。糸にぶら下がって昆虫を待ち伏せていました。そのうちに葉に移動。 

 

昆虫第一号を発見! 初めてお目にかかる虫です。今のところ同定はできません。

 

もっと近づいて撮りました。単眼が確認できます。

 

花の中央奥に関心があるのは明らか。触覚の立派なこと! このアンテナで匂いを感じ飛来したのでしょう。 

 

別の花にユスリカのなかまがいました。例年見かけるものです。花弁の幅が1mmなので,体長は長くても2mmというところ。

 

懸命に餌を口にしている様子。

 

花弁の表面に口吻を突き刺しています。汁を吸っているのでしょう。

 

場所を変えながら同じ行動を続けました。

 

マンサクから目が離せません。 

 


マンサク,今(4)

2018-01-19 | マンサク

1月18日(木)。晴れ間の見える穏やかな日。気温は高めで,冬にすれば過ごしやすい一日でした。マンサクの花が一斉に開花宣言をしたように開きかけています。サクラでいえば,咲き始めといったところ。

午前。巻かれていた花弁が力を緩ませる様子を撮りました。匂いはほとんど感じません。ハエが大きな羽音を立てて飛び去りました。あまりにも速くて,姿を目撃できませんでした。

 

それぞれの花に花弁が4枚。それを精一杯に広げ,色と匂いで昆虫にアピールするのです。いよいよそのときがやって来ました。

午後,待望の昆虫がさっそく! 報告は次回に。 

 


ツマグロヒョウモン,越冬蛹!

2018-01-18 | ツマグロヒョウモン

1月に入ってツマグロヒョウモンの蛹を見かけました。場所は我が家の前栽。それを囲むかたちで生垣があります。その生垣にマツバギクを植えているのですが,それの枯れた茎に付いていたのです。

 

 

すぐ脇の道の隅にはスミレが生えていて,毎年ツマグロヒョウモンの幼虫が見られます。その点からすれば,なんらふしぎではありません。 

ツマグロヒョウモンの越冬態は幼虫か蛹といわれています。3年前,越冬蛹を継続観察しましたが,結局羽化せずじまいでした。それはブロック塀に付いたものでした。

 

さて,今回の蛹はどうなのでしょう。たった一つ気になるのは,翅脈が透き通って見えることです。春を待つふつうの姿なのか,羽化を間近にして寒さに見舞われいのち途絶えたのでしょうか。 

成り行きを観察する価値がじゅうぶんにあります。

この日,見事な夕焼けを見ました。うっとり。地球の自然はいのちも景色もすてきです。

 


マンサク,今(3)

2018-01-17 | マンサク

マンサクは毎年1月10日前後には開花します。あまりの寒さに花弁を広げるのをためらっていたのでしょうか,かすかに開きかかった状態で越年。それでも,ここに来て寒さに負けじとばかりにようやく開きかけました。日照時間の伸びを敏感に感じたゆえの結果でしょう。

1月15日(月)。晴れ。花弁がなにやら奥ゆかしそうに,恥ずかし気に伸びかかっています。

 

やっとこの瞬間がやって来たという感じ。匂いはまだまったく感じません。

 

別の花では渦巻き状の花弁がふんわりと,たった一片だけ開き始めました。

 

待っていた開花がとうとう始まりました。 

1月17日(水)。雨のち曇り。雨水を含んだ花が花弁を伸ばしていきます。いのちのほとばしりを感じます。

 

 


フユエダシャクのふしぎ

2018-01-16 | 昆虫

勤務先のミュージアムは山裾にあります。朝夕の行き帰りは山裾沿いの山道を通ります。山道といってもごく短く,一応舗装されています。

近頃,暗くなって帰っていると,自動車のヘッドライトに小さなガが映し出されることが度々。フユエダシャクだろうなと思いつつ,これまでしかと確めないままでいました。

このままではなんだか消化不良になりそう。それで捕虫網を自動車に置いておき捕獲することに。晴れて冷え上がる夜に出現しやすいので,その日を待ちました。

とうとうチャンスが巡って来て,捕獲に成功。捕獲場所から近い織物工場の横を通り過ぎようとしたとき,またも出現。目で追っていると,赤々と電灯が灯されたガラス窓に向かいました。そしてそのまままガラスにとまりました。しかし,捕獲に失敗。

とにかく家に帰って,ガを調べてみることに。結果,やはりフユエダシャクの一種と判明。同定はできませんが,厳冬期を好んで出現するガがいることに改めてびっくり。捕獲した時間帯の気温は2℃に達していません。 

 

捕り方がまずくて翅が傷んでしまいました。申し訳ない。触覚がまことに立派。 

 

前脚の格好はじつに堂々としたもの。

 

得た情報を整理してみましょう。

その1。「オスはメスの出すフェロモンを嗅いでメスを探す」。メスには翅がないので,当たり前ながら飛べないそうです。

その2。「冬だけ発生する」。どうやら進化の過程で,天敵に襲われる恐れの少ない冬季を生き抜く知恵を編み出したようです。

その3。「成虫には口がない」。当然短命なはずで,生殖・産卵のためのはかないいのちというわけです。口が退化しているといえば,ヤママユやカイコ,ミノムシが浮かんできます。

その4。「幼虫の食餌植物の一つがクヌギ」。わたしが個体を採集した山麓にもクヌギがかなり生えています。年1化性ということですから,暑い時期はどんなふうに生きているのか知りたいですね。

その5。「夜行性で,灯火によく飛来する」。道理で織物工場の窓ガラスに向かったわけです。

その6。「フユエダシャクのなかまは我が国だけで30種ほど棲息している」。同定がたいへん! 

自動車にはいつも網をのせているので,再び捕獲してみます。今度は完全な姿を画像記録しようと思います。 

 


1月14日,とんど

2018-01-15 | 日記

1月14日,雪がわずかに積もる朝を迎えました。とはいえ,頭上には青空が広がる予感がするほどの雰囲気が漂っていました。そしてキリッとした空気が感じられました。この日はむらのとんど。お正月を締めくくる行事です。

広場に組まれた左義長がこの日を待っていました。

 

午前10時にむらの人たちが集まって来て,行事の開始。このころになると,雪はほとんどなくなっていました。ぜんざいをいただきながら,話に花を咲かせます。

 

立ち上がる湯気が心地よい限り。

 

採火はわたしの担当。今回は火打ち式発火を採用しました。一回で発火成功。これを子どもたちの持つトーチに分火。それが左義長に移されました。

 

左義長が燃え上がって,雰囲気が盛り上がりました。むらが安泰であるようにと祈りながら,火を見守り続けました。

 


超接写がたのしい冬(6) ~雪~

2018-01-14 | 自然一般

1月14日(日)。起きたとき,カーテン越しの光がなんとなく明るく,白っぽく感じました。「もしかすると雪が積もっているのかな」と思い,確認。そのとおりで,辺りの景色はほんの薄っすらと雪化粧をしていました。

さっそくコンデジを持って外に。もちろん雪の結晶を撮るのです。

小さな,パラパラッとした雪で,結晶体としてはもう一つといった感じ。それでも,寒さに耐えながら撮影をしました。白く見える結晶が重なっていると,輪郭がはっきりしません。一つの結晶を浮き出させて撮るのはむずかしすぎます。背景が黒っぽいとなんとかなるので,できるだけそんな場所を選ぶようにしました。

探しているうちに特有の規則性を示す結晶が視野に入ってきました。 

 

 

六角形が連想できます。

 

 

他の雪から浮かんだようにしてある結晶は観察しやすいですね。整ったかたちにうっとり。 

 

 

アップして撮りました。近寄れば近寄るほど被写界深度が浅くなるので,この辺りが限界と見ました。透明感のある美しい姿です。 

 

 

小石の上にある結晶は,背景の色のお陰でかたちがよくわかります。腕の両側から斜め方向にたくさんの枝が出ています。

 

大空からの贈り物に,しばらく見入りました。 

 


超接写がたのしい冬(5) ~霜(続)~

2018-01-13 | 自然一般

霜の表情はじつに多様です。できる条件や環境が異なれば,ずいぶん違ってきます。

タンポポの綿毛についた霜は,前と違って角ばった立体がつながって,ごつごつした姿を見せています。一本の毛でこうなのですから,全体は氷砂糖の集合体のよう。

 

ホトケノザの葉には空洞になった長い柱が付いていました。 それがまっ直ぐ上に伸びたり,倒れたり。

 

ロゼットになったブタナに見る霜はふしぎな姿。等間隔に林立する柱はなぜ,こんなふうにできたのか,知りたくなります。

 

ブロックが積み重なったようで,頭でっかち。 

 

葉ボタンの葉を見ました。細長い霜が適当な向きに伸びています。 

 

氷柱が無造作にできたといった感じ。

 

柱一つひとつは中空です。

 

白い葉に付いた霜です。日の光が当たりかけると,奥行きが感じられます。まことに賑やかな風景です。 

 

自然は水分を材料にして多様な造形美を見せてくれます。 

 


冬,虫の目写真(14) ~タンポポ,晴れ(続々)~

2018-01-12 | 植物

厳冬期のタンポポを撮ろうと,早朝,同じ河川敷に出かけました。この日は,日が昇りかけた時間帯を選びました。

足元の草には霜が降りています。タンポポにも霜が付着しています。綿毛は堂々と,というか,「寒さに負けないぞ」という感じで力強く開いていました。立派なものです。 

 

それでも,なんだか寒そう。この綿毛には霜がどっと張り付いています。

 

地表すれすれにある綿毛にはとにかく霜がびっしり。真横から光が射しました。 

 

綿毛を上方向から眺めました。日が当たると,草々の霜は急ぐように融けかけました。

 

背が低くても,伸びようとする意志のような強さが伝わって来ます。

 

光とり競争をする相手はなし。ゆっくり地表で咲けばよし。付着していた霜が解けて水滴になりました。青空が広がります。スカッとした天気になりそうです。

 


冬,虫の目写真(13) ~寒波の朝~

2018-01-11 | 日記

1月11日(木)。晴れ。寒い寒い一日でした。雪国と比べるとずっと寒さが緩やかなのに,空気が肌をびんびん刺す感じでした。

以下,午前中に撮った写真から。

堤防ではアメリカセンダングサが風に揺れていました。止まる瞬間を待っているときの寒さったら,すごかったです。なにしろ素手でカメラを保持していたのですから。おまけにズボンにくっ付き虫がどっさり! この写真には撮ったときの印象がずっと残り続けることでしょう。 

 

風景の一部を切り取って写すと……。

 

土が露わになった道で。水たまりに張った氷が割れて,水面から浮き出ていました。氷の厚さは5mm程度です。

 

石のかたちが氷にくっきり。

 

セイヨウタンポポの花がきりっとした姿を見せていました。脇を調査員の方が挨拶をして通り過ぎます。そのときレンズを見て,「ふしぎな格好をしたレンズですね。どんな写真が撮れるのですか」と尋ねて来られました。

 

「早く飛び出したいよー!」。なんだか,セイタカアワダチソウの綿毛たちが叫んでいるような。

 

寒くても青空が広がっていれば,いいことがありそうでスカッとします。今日はそんな一日でした。

 

【後記】一日を終わってみれば,最低気温-2.9℃,最高気温4.0℃でした。