自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

サルトリイバラと生きものたち(3)

2016-05-26 | 生物

サルトリイバラの葉は厚みがあって,ツヤがあって,日が当たるとピカピカしています。その上,パアッと手のひらを広げるような感じで思いっきり開いているので,虫たちには居心地がよいのでしょう。わたしの目にも,そうした印象が際立った葉に思われます。

一枚の葉に,カマキリの幼虫とハエのなかまがとまっていました。ちょっと見ると,カマキリがハエを狙っているようにも見えました。ポーズは立派ですが,獲物にしようとするのはまだ早そう。こういうとき,ハエは気づいているのでしょうか。そんなことを思っているうちに,ハエはパッと飛び去りました。


アマガエルが一匹。なんとものんびりしているみたいで,そこに獲物がやって来たらその瞬間,一口で捕らえるはず。保護色の威力が想像できます。


葉の裏にあったのが抜け殻。カゲロウのものです。よく見ると,脚が6本。翅の名残りも。それに長ーい尾が付いています。カゲロウのなかまは,羽化すると亜成虫になり,もう一度脱皮して成虫になるというめずらしい変態を遂げます。ということは,下写真は明らかに亜成虫の抜け殻ということになります。

 
近くの葉に成虫らしいカゲロウがいました。あやふやなのですが,オビカゲロウのようです。上写真の亜成虫とつながった個体なのかもしれません。もしそうだとすると,ふしぎが生まれます。オビカゲロウの幼虫は,山地にある小さな滝や,しぶきが当たるところに棲むらしいのです。ここはそういうところからかなり離れています。亜成虫になってここまで飛んできたと解釈できます。大した飛翔力です。

 
葉が曲がって2つ折りになっていました。隙間から覗くと,何かいそう。開けてみると,なんとアオズムカデが! 薄い膜に包まれていました。動きはほんのすこし感じられただけ。予想なのですが,メスで卵を産む直前だったのかもしれません。メスは卵を抱いて保護するそうですから,ちょうどそのポーズに見えます。

 
それにしても次々に出合いが続くものです。我ながら,感心しています。