自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(11)

2016-05-07 | 随想

5月7日(土)午前。隣市への出前講座『火打石で火を起こそう』で出かけました。先週の土曜日に続く2回目は発火具制作。火打ち金,火口,付け木の3つです。参加者は7家族。


まずは火打ち金から。台になる木材片を切って加工します。それができると,鋼鉄を打ち込みます。

 


次は火口作り。綿100%のメリヤス生地を燃やして,消し炭に。

 


おしまいは,付け木を作ります。木をうんと薄く削ぎ,できた木片の先にイオウを付けてできあがり。マッチというイメージです。

 


これですべてが完成! それで試してみます。残り時間が少なくて全員ができるまでには至りませんでしたが,道具はなんとか完成。ここまでで2時間コースです。やってみなくちゃわからないことがいくつも出てきました。体験はからだごとの理解につながります。道具の自作はグッドですね。

 


次回は,火打ち式発火で得た火で超簡単調理をする予定です。

ところで,いずれのミュージアムも抱えるのは費用対効果。投資するだけの価値があるかどうか,です。この出前は,その価値投資の一つ。広域的な見方に立てば,市民の目線も,近隣市町住民の目線も同じ。魅力的な施設なら,市民であれ,近隣市町の住民であれ,積極的に訪れたくなるものです。魅力的な施設が提供する提案なら,人はそれに乗っかるのもおもしろいと感じるのではないでしょうか。

出前は,まさにそう。一度ならず,何度も利用してみたくなるかもしれません。たくさんの方にリピーターになっていただきたいな,と思っています。そのために魅力度をアップするのがわたしたちの仕事。

この魅力というものは仕掛けの中身にかかっています。仕掛けるには知恵を絞り,あれこれ思案を巡らす必要があります。思案を巡らすのはたのしいものです。仕掛けがデザインできたら,それを発信しなくてはなりません。一連のそうした仕事には苦労が伴いますが,利用者の目に立てば立つほどわくわくしてきます。なんといっても,科学するたのしさを配達できるのですから。

わたしたちのミュージアムは,ご依頼いただければ積極的に出前講座・出前教室に出かけていきます。どうぞお気軽にお声かけください。