自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンシロチョウ,孵化失敗

2016-05-29 | 昆虫

どんな生きものについてもいえるのですが,生まれた数の卵,子がことごとく順調に育つわけではありません。生を授けられた瞬間から試練が待ち受けていて,それを乗り越える個体だけが生き残っていきます。

モンシロチョウが産み付ける卵もそうです。無事に孵る卵はまだよい方で,卵から孵らないままいのちを終える個体もまたあります。成虫になって次世代にいのちのバトンを託せる個体は,せいぜい2,3%にすぎないといわれています。生き残る個体はなんともハッピーなこと。自然の厳しさ,掟と括っていえばそうに違いありませんが,実際現実はまことに厳しいものです。そういうことを織り込み済みで,生物それぞれの産卵数が決まってきているのです。

カメラをセットして孵化を待っているにもかかわらず,いのちが絶えた例をご紹介しましょう。

5月23日(月)。なんだか孵化するかもしれないという予感。しかし,かたちがいびつなのがちょっと気になるところ。


5月24日(火)。朝,どうも,空気が抜けた風船のようにしぼんだ感じ。


5月24日(火)。深夜。どんどん縮んでいる感じ。


5月26日(木)。朝。すっかり縮んで,固まってしまった感じ。


トリミングしてみると,「もう,ダメだぁ」といいたくなる絶望的な風景。


結局,孵化失敗です。いのち絶えたいきさつは想像だにつきません。

これが現実の世界なのです。