自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(9)

2016-05-02 | 随想

わたしたちのミュージアムは依頼があれば出かけて,そこで要望に沿った活動を行います。いわゆる出前教室です。観望会,プラネタリウムの他科学教室や協賛事業などがあります。行先は学校園,公民館,社会教育団体,地域組織などいろいろです。そうした機会を大事にして地域に気軽に飛び込み,ミュージアムを身近に感じていただきたいと日頃から願っています。

わたしもまた,自分ができる内容なら積極的に出かけて行きたいと思っています。地域に入って共に活動することで,ミュージアムが身近な存在になり,親しみを持って迎えていただける土壌づくりにつながるでしょう。一緒に活動すれば,いろんな声・期待が直に感じとれて貴重な情報になるはず。そのための汗を自分が流すのはごく当たり前のことです。地域ならではのミュージアムゆえに,身軽にできることです。

今回わたしが担当した出前教室は自分がなんとかかかわっていける内容で,『火打石発火法をマスターしよう』と名付けたもの。行先は隣接T市,依頼母体は子育て母親グループ。火打石採取,発火道具の制作,発火練習,簡単調理という流れのなかでアドバイスしていきます。

1回目は河川敷に集合して火打石探しをしました。場所は参加者の皆さんがお住まいの地域を流れる川。事前に下見をしておきました。ただ,惜しいことに大きめの,良質の石がごろごろしているといった場所ではありません。条件はよくはありませんが,身近な,地元の自然での採取という点にこだわってここに決めたのです。万一に備えて,あらかじめ大きめの火打石を別のところで拾って準備しておきました。これも役立つでしょうから。

参加者は親子5組。はじめに火起こしの手順を演示して,必要な道具のことや火起こしのしくみについてひとまずわかっていただきました。

これが終わると,さっそく火打石探し。目が慣れるまでにはすこし時間がかかりましたが,コツがわかるとどんどん見つかり始めました。当初の心配は吹っ飛びました。


ある程度石が集まると,それと火打金を使って,発火練習をしていただきました。


もちろん,個人差はありながらも大成功! 発火技術についての質問もたくさん出てきました。たとえば「昔は消し炭になにを使っていたんですか」というように。「これはスゴイ!」と思いました。だって,受け身の参加じゃない証拠ですから。 


発火法は技術です。技術はコツを踏まえれば,だれもが再現できる技を指します。ミュージアムとして,そんな確かな技術をお伝えできれば……。 

 


ルリタテハの幼虫の成長

2016-05-02 | ルリタテハ

5月2日(月)。先頃,孵化を確認して,元の食草に戻した幼虫は元気で育っているか,見てみると……。

 いました,いました。食痕をまず確認。葉の裏側にうっすらと幼虫の影が見えています。 


葉を裏返すと,きっちり幼虫が1匹。もう脱皮をして,ずいぶん大きくなっています。 


他に食痕はないか探していると,糞が数粒のった葉がありました。「おやっ? どんな幼虫がいるのかな」と思い,上側の葉を見ると,その裏に幼虫が1匹。ホシアシブトハバチの幼虫です。 ホシアシブトハバチの幼虫はサルトリイバラの葉も食べるということになります。図鑑ではエノキの葉を食すると書かれていたことを考えると,結構,他の植物も食べるということでしょうか。

 
からだをうんと丸めていました。身を守る姿勢なのでしょうか。


これからの時期,ルリタテハを含め,いろんな幼虫から目を離せません。