自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャガイモの花と虫(1)

2015-05-04 | ジャガイモ

畝のあちこちで,ジャガイモ(アンデスレッド)の花が咲きかけました。 

 

今シーズン,わたしが関心を持って観察してみようと思っている一つに,ジャガイモの花にはどんな虫が訪れるのか,という点があります。

ジャガイモは本来自家受粉を嫌う植物です。したがって,タネイモを植えた場合は,すべてが自分自身(分身)ということになり,実(種子)ができるには他の品種の花粉が付かなくてはなりません。花弁には色が付いています。さらにメシベがオシベより飛び出しています。ということは,訪花昆虫に対して,花の存在をアピールしていることは確かです。メシベが,他(品種)の花粉を受け取ろうとしているのも確かです。

これまでわたしはさほど訪花昆虫に関心はなかったので,例えば,モンシロチョウやテントウムシ,カメムシが花にいるのを見たぐらいの記憶しかありません。それらだって,送粉に貢献しているかといえば,必ずしもそうではないのかもしれません。モンシロチョウにしても,口吻を伸ばして蜜を吸っていたという印象はまるでありません。

花の色は,遠くからでも目立つようにというシグナルです。しかし,テントウムシやカメムシがそれを頼って訪花する中心的な昆虫とも思えません。なのに,品種によっては実がどっさり生るのです。

では,名を特定できるような昆虫が存在するのでしょうか。もちろん,存在すると考えるほかありません。この点について北海道にある農業試験場の馬鈴薯部に尋ねてみました。しかし,残念ながら育種研究者の話ですっきりする回答は得られませんでした。研究者にしても,どうもあやふやなのです。それでわたしは,わからなくても,とにかくジャガイモの花を訪れる昆虫を自分で探してみようという気持ちになりました。

開きかけた花を観察し始めて,最初に見かけたのがアブラムシです。しかし,アブラムシは移動性の小さな昆虫です。これが送受粉に一定の役割を果たしているとも思えません。 


別の花にも,アブラムシがいました。 

 
疑問を持ちながら見ていけば,今後なんらかの手がかりが見えかけるかもしれません。そこに期待して,これから観察していこうと思います。 

 


産卵!

2015-05-04 | ツマグロヒョウモン

職場の昼休みのこと。

窓から外を見ると,玄関先のプランター付近をツマグロヒョウモンが一頭舞っています。ただ舞うのでなく,そこに興味を持っているようで,去る気配はありません。プランターにはパンジーが植えられています。

「ははーん,これは産卵行動だな」と思い,外に出て見守ることにしました。 すると,思ったとおりチョウはパンジーに近づいていきました。このタイミングを逃してはならないと思い,大慌てで腰からコンデジを取り出して写しました。惜しいことに,葉で死角になってしまい,翅が写っているだけです。しかし,状況証拠にはなるでしょう。


チョウが去ったあと,葉を確認しました。すると,いちばん地面に近くて,古くなった葉に一粒の卵が産み付けられていました。卵の向きが横方向だったので,意外に感じました。それはともかく,産卵行動だというのは正解だったのです。 

 
チョウは去ることなく,別のプランター付近で産卵を続けるようなしぐさを見せました。そして,しばらくして飛び去りました。


卵が他にも見つからないだろうかと思って,なんとなく探してみました。ふしぎなことに,一株めの葉裏を見ようとして手で葉を動かすと,そこに卵があったのです。それは葉ではなく,茎にポツンとあったものですから,すぐに目に付きました。幸運な展開でした。 


これが,ツマグロヒョウモンの卵との今季初めての 出合いとなりました。これらの卵の変化を追ってみようと思います。