5月6日付け記事で,ヤマトシジミがカタバミの葉に産卵する様子をご紹介しました。
この株は高さがせいぜい5cm。葉数は15,6枚。花は蕾が一つだけ。こんな小さな株なので,観察にはもってこいなのですが,見るには地面に這いつくばるようにしなくちゃなりません。
実際そのようにして,朝(5月10日),観察しているときのこと。偶然蕾の根元,つまりと萼(がく)と花茎との境に卵一つ付いているのを発見しました。もちろんヤマトシジミのそれです。大いにびっくりし,飛び上がるほどの嬉しさを感じました。というのは,孵化に至る観察がとてもた易くなるからです。
すでに観察中の卵は葉の裏側にあります。ところが,カタバミには光を感じて葉を開閉する性質があるために,夜間の観察は不十分にならざるを得ません。ところが,新たに発見した位置なら一日のいつでも卵の様子を確認できます。写真撮影も格段に楽になります。植木鉢にでも植え替えて観察すればバッチリ。
こんなわけで,“飛び上がるほどの嬉しさ”を感じたというわけなのです。
発見してすこしばかり時間が経過。辺りがうんと明るくなってきました。それにつれて花が開きかけました。
卵付近を拡大してみましょう。
中央付近が窪んだかたち,規則正しい凹凸の表面,それらははっきりヤマトシジミの卵であることを物語っています。
この日の夕方,早速植木鉢に植え替えました。そして,翌朝(5月11日)花を見ると,もう花弁がすっかり縮れて閉じたまま。受粉は無事に完了したのでしょうか。
そして,夜。見ると,薄っすらと黒っぽい部分があるような感じがします。下写真の卵では,左下にあたります。それとも気のせいでしょうか。
なお,葉に付いた卵に大きな変化は見られません。