自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャガイモの花と虫(8)

2015-05-29 | ジャガイモ

ジャガイモ畑に通い,花と虫のつながりについて継続観察してきました。 目が慣れてくると,というか,つながり方が見えてくると,というか,実態がわかってくると,自然のありのままの姿が解きほぐされるように明らかになり始めました。

それと呼応するかのように,印象に残るシーンを目にする機会が多くなりました。

ヒラタアブたちの活躍は特筆したい例です。一つの花に2匹もの個体がごく当たり前のように訪れていたり。


わたしが至近距離に近づいても,ちっとも気がついていなかったり。もちろんこれは,気づかれないよう細心の注意を払ってきたわたしの慎重さの結果でもあります。こういう場面を画像として克明に残せたのは,わたしにとってかけがえのない撮影経験になるでしょう。 


このとき,ヒラタアブはしきりに蕊の先に関心を向けていました。なにしろ10分近く,その場を離れなかったのですから。

 
送受粉が,こうした昆虫のはたらきで完了しているとは,ふつう考えかけもしないでしょう。次のように言い表すと大上段に聞こえるかもしれませんが,「花を見ていても,花が見えていない」からです。わたしもまた,昨年のこの時期にはそこに関心はほとんどありませんでしたから。心ここにあらざれば見(視)れども見えず,だったのです。

なにがしかのきっかけで,物事を詳しくとらえようとする動機が心の内に生まれるかどうか,このことが人の知的好奇心の発展のしかたを左右します。なんでも粗末に考えないことです。

ジャガイモの花に乾杯! 

 


ジャガイモ栽培物語《タネイモ編》(11)

2015-05-29 | ジャガイモ

5月27日(水)。ジャガイモの果実がこれだけ生りかけると,実が生らないことのほうがどうもおかしいと感じるほどの錯覚に陥ります。

「貴重な機会。せっかくなので一つの房で花から実へ移行する様子を画像にきちんと残しておくか」と思い,早朝の畑に出かけました。最近は5月とはいえ,真夏日が各地で記録されるという異常な暑さが続いています。そんな炎天下で作業することは健康上よくありません。朝なら,この点大丈夫。それに,朝日が横から当たるので光をうまく利用できるでしょう。

そんなふうにして撮った画像をご紹介します。

束になった感じで,花が実に移行していきます。子房が膨らむにつれて,役目を終えた蕊が落ちます。

 
花がかたまっていれば,実がかたまってできます。花から実への移り変わりが,段階的に観察できます。


こんなふうに横一線に並ぶのは,観察条件としては最高です。 


花が開いて,萎んで,子房が膨らんできて,……。 


必ずしも,下向きに付いているわけでもありません。 


なんと行儀よく並んでいることか! 受粉できなかった花はもあります。それらは花の付け根から落下します。落下した後には,名残りの花茎が残ります。 


ここでも,そこでも,あちらでも,といった感じで観察できます。 

 
なかよく揃った実。朝の光を浴びて,実の中が充実していきます。


こうなると,やっぱり実が生らないほうが変だという感じになってきます。 おわかりいただけると思うのですが。


実はまだ1cm足らず。これからぐんぐん成長するでしょう。