自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その289)

2014-01-23 | ジャコウアゲハ

厳冬期を迎えた今,ジャコウアゲハの棲息地の現状を確かめておこうと思い,訪れました。継続観察には,そのときどきの確認が欠かせません。

無事に蛹になっているのは,見る限りでは10個体程でした。この現状を前にして,まことに心細く思われました。なにしろ,これまででいちばんすくないのです。

ところで,蛹は自然物,人工物を選り好みすることなくどちらにも付いています。それだけ,環境への適応性が大きいといえば,そのとおりなのでしょう。しかし,やっぱり,草や木にある蛹は本来の自然環境と溶け合っています。ぴったりお似合い,というか。撮影するにも,撮り応えがあります。

クリの太い枝の下側に付いています。高さは3m程。枝は横に伸びており,それを見上げた感じで写しました。

 
別の枝にも付いていました。やっぱり下側に。


冬はいのちが危険にさらされる季節です。そうでなくても,冬を迎える前には,いろんな災いが待ち受けています。枯れた草に付いている蛹が,無惨にもいのちを絶っています。 


すぐ脇で,蛹化直前の前蛹が硬化していました。 


一頭の成虫が産む卵のうち,無事に成虫にまで育つ割合はほんの1,2%。越冬態についていえば,低温と凍結は最大の難関でしょう。寒々とした風景の中に,いのちのいろんなかたちがあります。