自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

チャーミングな埴さん

2014-01-06 | 随想

埴(はに)さんは名を沙萠(しゃぼう)といいます。これはペンネーム。肩書きは“植物生態写真家”。もちろん現役です。年齢は82歳。

若いときにサボテン研究家の影響を受け,以来シャボテンにぞっこん。今は身近な植物との付き合いに没頭し続けていらっしゃる方です。名の由来は,このシャボテンを文字っているということです。経緯は本に書かれています。先に,NHKで何度か特集番組が組まれたとかで,埴さんのことをご存知の方が多いのではないでしょうか。

下写真は,埴さんの著書『足元の小宇宙』(NHK出版/初版2013(平成25)年11月30日)の表紙です。この姿勢と表情が,言うに言われぬ見事さを感じさせてくれます。こんなにひたむきに自然と対話ができる人生って,なんてあっぱれなことよと感じ入ります。

 

この本には,ほんとうにすてきな写真が収録されています。アッと驚くような一瞬の切りとり方にこころを引き付けられます。こんな瞬間の出来事を,こんなに巧みに写し撮れる腕ってスゴイ! どんなふうに鍛えたら自分のモノにできるのだろうと思うばかり。読んでいくとよくわかりますが,とにかく想像できない次元の歩みを重ねてこられた結果なのです。

解説文なり随想なりは,けっして小難しくはありません。おしゃれで,軽妙で,それでいて品格に満ちています。齢を重ねても,こんなふうにことばを生き生きと綴れるって,わたしはこころからあこがれてしまいますね。

徹底した生き方の一例が7年をかけた日本一周撮影旅行です。子どもの夏休みを利用して,ジープにテントを積み,足かけ7年というわけです。それに,植物をテーマにした著作物のスゴイこと!

中身についてはこれ以上触れませんが,チャームな“おじいさん”にお出会いできたことをとにかくうれしく感じています。昆虫を中心に生態を観ていこうとしているわたしには,あこがれの人になりました。こういうふうに,“若く”“生き生きと”老いていきたいなあと思うのです。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(なおなお) ~植木鉢栽培の結果③~

2014-01-06 | ジャガイモ

その5。鉢の中で他株より大きく育った例。

ストロンがいく分か伸びてイモが付いている,ストロンが伸びずにイモが付いている,この両方のイモが同居しています。根が長く伸びていたので,それを水洗いしてからだ全体写しました。

 

 

その6。極小のイモに芽が出始めている例。

イモはマッチ棒の先程の大きさなのに,よくよく見るとごく小さな葉が付いています。

 

大きく写してみると,よくわかります。一本の茎からストロンが出てきていて,片方の先が膨らんでいます。そして,その先端部に葉が! ストロンの先が太ったのです。先端は目がかたまっているので,いかにもイモらしい姿といえるでしょう。

 

イモのでき方はイモそれぞれで,多様です。多様でありながら,どの茎も養分の貯蔵庫としてイモを発達させていくという筋が一本貫いて通っています。ジャガイモのイモは,まさに茎そのものです。だから,塊茎なのです。