自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

野菜の冬 ~ニンジンの表情~

2014-01-17 | 植物

ダイコンが“大根” という漢字が当てられている理由は想像できますが,ニンジンが“人参”である理由については「ちょっと待てよ」と立ち止まってしまう人が多いはず。わたしもその一人でした。

ニンジンはセリ科植物のなかまです。セリ科には,このほか身近なものではパセリやハナウドなどがあります。これらには共通してキアゲハが産卵に訪れます。

“人参”なる漢字は,ウコギ科の朝鮮人参からきたといわれています。朝鮮人参は高級な薬草ですが,根のかたちが人(頭・手・足)を連想させるものが最上だとされていたことによって,“人参”の文字が与えられたのだそうです。簡単にいえば,薬用人参から発した文字が野菜人参に転用されたというわけです。

このニンジンが今,畑で育っています。 主根の周りに生えた側根がたくさん付いたまま掘り起こせたらおもしろいのですが,今回はそこまではこだわりませんでした。

 

ニンジンは長いので,分割して写真に収めました。 

 

根の先の方まで側根があります。 

 

もっと先にも付いています。 

 

水をかけながら,すこしずつ丁寧に掘り上げるともっともっと側根が残るでしょう。しかし,そうなると土が残りません。側根は水を浴びて,自然な姿が壊れてしまうでしょう。ありのままに近いかたちで撮影するには,時間をかけて生えている状況に近いすがたをできるだけ再現する必要があります。

 

写真の世界は奥深いものです。

撮影した後,ふつうなら捨てる根元付近の茎を水に浸して,水栽培に使いました。冬の台所をほんのすこし元気付けます。