古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『原発はなぜ危険か』(岩波新書)を読んでいます。

2012年09月13日 03時32分33秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
               
 19日に農協杯の『グランドゴルフ大会』があるので、うちの村の老人会でも練習しようということになり、三木防災公園のグランドゴルフ場に練習に出掛けました。写真のような芝生の広場で練習します。あちこちの老人会が練習に来ており、「このスポーツは老人のあいだでは盛んなんだ」と感じました。
 岩波新書『原発はなぜ危険か』……元設計技師の証言……(1990年刊行・田中三彦著)を読んでいます。彼は「原発」の中心になる原子炉・圧力容器の設計にかかわった技師でした。『バブコック日立』・呉第二工場で1974年(昭和49年)に起こった製造過程での事故を、この本で告発しています。国家レベルの原発を推進する大企業を相手に告発するのですから、それ相当の覚悟がなくてはできません。それを覚悟して対決しているのです。
 問題の原子炉圧力容器は、福島第一原発の四号機用です。彼はその炉の設計にかかわっていました。原子炉の圧力容器は溶接して組み立てます。そして最後に容器の不自然なゆがみをとるために『溶接残留応力除去焼鈍』(SR)で数百度に加熱します。
 その作業中に圧力容器がゆがんでしまったのです。問題はここから。そのゆがみを矯正するためには、中に突っ張りをいれてまた加熱しなければなりません。ところが加熱すると鋼鉄のねばりというか強度は落ちます。そうした作業のマニュアルはアメリカの写しであり、製造時点での技術レベルでしかつくれません。
 1974年(昭和49年)あなたは何歳でしたか。あのときの技術レベルで作った圧力容器の原子炉が、いま稼動しているのです。 …… ぼくはうまく説明できませんが、とにかく原発は危ないこと、そして技術者の良心が伝わってきました。それをいまの原発問題の20年も前に、彼は私たちに警告していたのです。(この本は去年再版されたとか……アマゾンの書評で読みました)
 こんな製造過程での『事故』が他の原子炉圧力容器を製造する過程でも起こったかもしれない。でも明るみに出ることはない。
 見なければよかった。知らなければよかった。ではすまない問題なんですが……。
 
コメント
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