屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺 <田植>

2021年10月10日 | 琴しぐれ
<田植>

若き五月女 田植唄
玉苗顔ゆる苗籠に
日焼け笑顔の早乙女の
菅笠並び黒き土は
植田色なす幾緑

夕映えかかり水田に
早苗波打つ八重潮と
泥に塗れし五月女等
三々五々と田植路を
帰途につき行く長閑なり


金星と月が大接近!サソリ座のアンタレスは見えなかった。
あの山影は手稲山




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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺 <雨の日>

2021年10月09日 | 琴しぐれ

<雨の日>

傘さしに
狭い坂路を
降りしきる雨露は
いっか筋なし
ちょろちょろと軽げに
長靴を通り過ぐ

くもる空は鈍く
雨の音はそぼそ
結葉の滴つ音
歩り交う白露

坂路の途中に枝なす桜
白布を染める薄紅の淡き
透き小花むれなし枝々
その糸雨にいよよ彩なす

芦別:「三段の滝」
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京都の建仁寺大統院

2021年10月04日 | 琴しぐれ


 わたしは遊女よ昼の灯を点し      時実新子

 一つ家に遊女も寝たり萩と月      芭蕉

京都の建仁寺大統院 で遊女にまつわる講演がおこなわれました。
講師の出身は旭川市(第六期旭川東高卒)ですが、生家(4条15丁目)は売春禁止法が施行されるまえ、いわゆる色町のど真ん中にありました。
幼いときから思春期まで、そんな環境のなかで育ったわけです。

ちなみに講師は詩集「琴しぐれ」の著者・夕愁白嶺です。


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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺 <四月の故郷>

2021年10月03日 | 琴しぐれ
<四月の故郷>

新設の宴はうれしきや
鎌取り始め土の香に
酔へる四月の今は春
かぐわし若菜 新草の
田畑に芽吹き広がりて
黄緑しみるよ初々と

いま故郷は鹿の子地の
色なす頃となりにけり
雪片流るる石狩川
その川岸は若緑
土筆 蒲公英萌え出でて
童女は摘む髪さしに

雪肌汗ばむ故郷は
四月の日和りたゆたいて
水気陽炎起ちゆらぐ
軒をかすめる南風に
尾根の下の滴つ音を
春告げ鳥の鳴き音とぞ

車路 端路なめらぎて
来にけり街路樹や
新下騎の音の鳴り始め
自転車の横ぎるはずみめに
四条あたりを歩み行く
素足に軽き薄れ微風


札幌駅
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