虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

なぜ政治家の動きを伝えない?

2011-03-26 | 新聞・テレビから
大震災以後、2面3面にあった政治記事がなくなった。政治記事というより、政局記事といってよく、国民にはどうでもいい政治家の動きを事情通らしい記者が書いていたのだが、それがない。いや、肝腎の政府の動きすらも伝えていない。菅首相はどうしていたか、他の大臣は何をしているか、の記事もない。自民党、公明党、共産党、社民党など各党の動きもさっぱり伝えない。政治部記者は何をしているのだ?

この大災難の時、国会議員たちは、被災地の人々を助けるために、それぞれどんな動きをしていたのか、あるいは、何もしないでいるのか、政治部記者なら伝える義務があるだろう。

あるいは、今回の原発事故は、産・官・学・政・メディアが連帯しあった支配権力の一角が大きく崩れることになったので、メディアも防備の態勢をとっているのだろうか。少なくとも、今のところ、メディアからは、菅首相をはじめ国の指導にも、原発事業者に対しても、とりたてて批判的な意見はない。原発の情報が伝わらないと同じように、国会議員たちの動きも伝わらない。

菅首相は原発事故については、専門家の意見をよく聞いて対処します、と語った。

その専門家のトップ、専門家中の専門家が、今、特別顧問になっている人が原子力安全委員長の斑目春樹氏だ。

この斑目氏は2007年、中部電力の原発の訴訟で中部電力側の証人として出廷、「原発内の非常用電源がすべてダウンしたら」と問われて、「ちょっと可能性がある、そういうものを全部組み合わせていったら、ものなんて絶対造れません」などと答えた人物だそうだ。
また、現在の保安院のトップ保安院長は寺坂信昭氏は、昨年、炉心溶融について問われ、「そういうことはありえないだろうというぐらい安全設計している」とその可能性を否定した人物だそうだ(以上は、今日の朝日新聞から)。

こういう専門家にまかせて菅首相よ、ほんとに大丈夫か?


テレビ局の存在理由

2011-03-26 | 映画・テレビ
このところ、テレビ番組にニュースがない、ということばかり書いていて、ちょっとしつこいかもしれない。わたしとしては、驚きなのだ。不思議でならないのだ。おかしいのはわたしの方で、テレビ局の感覚がふつうなのだろうか。

今日は土曜日。仕事や学校も休みで、テレビを見ている人もいつもよりも多い日だ。

お昼の正午から夜の10時まで、ニュース番組は、NHKをのぞけば、民放では、毎日放送の5時半からの報道特集(1時間)のみ。あとは、なーんにもない。

お昼は、NHKも高校野球中継で、どのチャンネル回しても地震の被災地、原発の情報はいっさいない。避難者は20万人を越え、行方不明者もまだ1万人以上もいて、被災者の救援もまだまだできていない非常事態なのに。
今日は、原発周辺の海から基準値の1200倍以上の放射線が測定されたという。空気、土、植物、そして、海の汚染。いずれ、生き物に深刻な影響を出るだろう。しかし、テレビはいつものように娯楽番組を流し、ニュース、被災地、原発情報は流さない。何もないかのよう。


民放では、予定していた大切な番組があるのならまだしも、ほとんど再放送のドラマを流していた。全時間とはいわない。せめて、1時間でも2時間でも、なぜ緊急放送として、原発情報を伝えないのか。自主避難しなさいと政府がいっているのに、情報がわからなくては、避難のしょうがない。

特集番組はいくらでも作ることができるる。
「日本の原発地帯」「これまでの原発事故」「原子力委員会の仕事」「原発で働く人々」「原発事故から身を守るために」「東電の報告総ざらい」「保安院の役割」などなど。テレビ局の幹部は何をボサッとしてるんやろ。特番組むと、圧力かかって、首になるって?被災地の人々は全てを失っているのに。

夜7時以降は、NHKのニュース番組のみで、民放はなし(5分くらいのニュース番組はあるが、論外だ)。

テレビ局が力を発揮して人々の役に立てる時は今をおいて他にはないのじゃないのか?
「みんなで助け合おう」とCMを流すなら、テレビ局は今こそ、社の総力をあげて、原発の情報、被災地支援のための情報を発信するべきだ。

未曾有の大震災・原発事故。この時、テレビは何を報道したか、忘れずに記憶しておくつもりだ。

何のためのテレビだ!(怒)