らんかみち

童話から老話まで

今年の漢字に物申したい

2013年12月12日 | 暮らしの落とし穴
 イタリアの気候と日本のそれは似ているといわれる。この表現は、A.ヴィヴァルディのバイオリンコンチェルト「四季」を解説するときに引き合いに出される。ここ瀬戸内海も「地中海的気候」や「東洋のエーゲ海」などと例えられることが多い。けど、地中海に住んだことはもちろん行ったこともないから、知らんがな。

 ぼくの好きなアーティチョークという食材は、この地中海辺りで良く栽培され、消費も多いのだとか。アーティチョークのオイル漬けを作りたくてネットを検索すると、イタリア人と結婚した日本人女性がレシピを紹介してくれていたりして、とてもありがたい。
「イタリアでは夏にアーティチョークを漬け込み、冬になるとその瓶を開け、楽しかった夏を思い出しながらいただきます」というセリフは定番らしく、素直に信じてオイル漬けを作ったのが6月の始めだった。

 アーティチョークが食べ頃を迎えたときって、日本だったらまだ梅雨前だよね。個人的な恨み言じゃなく、夏の楽しさなんてなかった。やっと夏を迎えたと思ったら叔母が突然亡くなり、そこから先はうんざりするようなことばかり。
 夏の楽しい思い出というより、パンドラの箱を開けるような気分で今宵アーティチョークのオイル漬けを開けてみる……やっぱ美味しくない! 初めての仕込みの時は良いレシピが見つからず、作り方もでたらめだったからな。

 うんざりの後は骨折して手術。尋常でない回数の通院という困難が続いたかと思ったら、怒り心頭に発する行為が露見した。相手が絶対的な権力で、住民の感情が蹂躙されたという図式をスルーできるわけない。
 腹立ち紛れにアーティチョークのオイル漬けを開け、今年の漢字は「怒」だなとテレビを観ていると「輪」だった。
 メニュー偽装の「偽」もあったかなと思うけど、「輪」のほうが良いに決まっている。来年まで「秘」とか「偽」なんて漢字は引きずりたくない。気持ちよく年を越したいよね。

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