らんかみち

童話から老話まで

黒いぼくの悪あがき

2008年05月30日 | 童話
 断酒から一週間が過ぎて、今がちょうど最後の山場といったところでしょうか、体調がすこぶる悪いです。咳は出るし顔は上気するし、心臓がバクバクして肩が凝ります。きっとぼくの中で黒いぼくと白いぼくがせめぎあって、黒いぼくが最後の悪あがきに出たんでしょう。
 
「もう逃げられんぞ。まあそやけど、酒でもよこしたたら、白いこいつを自由にしたってもええでぇ」
「おい、だまされるんじゃないぞ! この黒いやつは嘘をついている。酒をやったら二人とも殺されるぞ」
「どっちみち死ぬんやったら、酒飲んで死んだ方がええんとちゃうか?」
「耳をふさげ、いま酒を飲んだら元の木阿弥だ!」
 といったような声が聞こえてきそうな今夜なので、食塩無添加のトマトジュースをがぶ飲みして気を紛らわせてます。
 
 月末締め切りの童話公募向け5枚作品を、断酒がスタートしたのと同時に書き始めたんですが、初め三人称で書こうとしたらうまくいきません。そこで主人公を「ぼく」にしたら半日ほどで仕上がり、直しに直してこれ以上もう直せないなと、投函しようとして思い直しました。どうして三人称で書けなかったんだろう? と疑問が湧いたからです。
 
 そこで三人称に書き直してみたら、消費税分ほど字数をオーバーしたものの、すんなりと書けました。どうして最初に書けなかったか不思議ですが、とりあえずカット出来るところはないかと考えたら、不要な部分が見つかりました。
 余裕があるからといって余分なものを転がしておいても仕方ないので、一人称の方でもカットして、さあこれでどちらを出そう? と応募規定をよく読んだら、「テーマは心のふれあい」とあります。
 
 ぼくはいつもこういうテーマで書いているので問題はないんですが、ぴったりとテーマに沿っているというよりは、微妙に他のものが混じっている今回の作品です。だからといってどっぷりとテーマに浸かるのも潔しと出来ないので悩むところ……ではあっても、結局は長いものに巻かれて悪あがきしながら書き直します。明日の消印有効までに。

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