らんかみち

童話から老話まで

息子は免罪符刷りに忙しい

2011年09月06日 | 暮らしの落とし穴
 デイサービスの初日、案の定母は「行かない」といいだし、早く出かけるところを30分ほど遅らせて対応しました。
 大好きなグロンサン内服液を渡してから、「家の中にムカデが出始めたからバルサンを焚く」と、否応なく家から出なくてはならない状況を作りました。子供だましなんですけど、息子のいうことを素直に聞くような母じゃないもので……。

「老いては子に従え」という諺がありますよね、あれって老人が老人を諭しているように聞こえますが、子どもの側が作った金言に違いない、と今ならぼくにも洞察できます。
「宵越しの金は持つな」とか「金と智恵と◯◯はこの世で使え」とか云いますが、年寄りは金を抱いたままで死ぬべきだという人もいます。
「金を持っておるから息子や娘にチヤホヤしてもらえるんや」と、先年亡くなった友だちは実践して亡くなりましたが、もしかしたら彼は金の使い方を知らなかっただけじゃなかろうか。

 人はそれぞれですが、死んで閻魔大王に謁見を賜って「お前は母親を非道い態度であしらったであろう」と詰られとき、どう答えて良いのか分からないので今のうちに免罪符を増刷しておこう、というのがぼくのスタンスです。
 そんな親子で明日は通院なんですが、どうもデイサービスと同じようなイメージなのか、「しんどいけん行かん」と母はいいます。でも「痛いから歩きたくない」とはいわない。状況が好転していることを祈りたいです。