らんかみち

童話から老話まで

宇宙災を待たずして

2008年01月17日 | 暮らしの落とし穴
 そうですか、「1.17」は、Windows95が発売された1995年ですから、もう13年になるんですね。

 命の重み、助け合い=「1.17」体験、次の世代へ-阪神大震災13年、鎮魂祈り (時事通信) - goo ニュース

 被災した兄もこのニュースを見るまでもなく当時を振り返っていることでしょう、「あれがオレの人生を狂わせたんや」と。
 実際、被災直後から避難所生活を余儀なくされ、そこから通勤していたんですが、人生を狂わせた気の毒な事とはそういった苦労ではなく、「施し慣れ」をしてしまったことだといいます。

 施し慣れというより、施され慣れといった方が正しいのかもしれませんが、「誰かが何とかしてくれる」と、他力任せな状態が長く続くと、自力で立ち上がる気力を削がれてしまうといいます。肉親を失い、財産を失った人の次に不幸なのは、こういう気力を失った人なのかも知れません。

 地震などの天災も怖いですが、911テロの犠牲者は分かっているだけで2973人。イラク侵攻で失った連合国側兵の犠牲者が、やはり分かっているだけで6000人くらいといわれます。イラク民間人の犠牲に至っては、阪神大震災の100倍の65万5千人とも報道されているのを聞くと、人間は天災に対してより人災に対していかに無力なのかを痛感させられます。

 でも今年あたり鳥インフルエンザが世界規模で流行するらしいですから、戦争をやってる場合じゃなくなるかもしれません。天災に救われるのだといえばそうかもしれませんが、「死は決して裏切らない」というのだけが確かなことだなんて……。