らんかみち

童話から老話まで

正月に観るなら頭を使わない映画が良い

2008年01月02日 | エンタメ
 正月のテレビ番組にこれといって興味をそそられるのが無かったので、レンタルビデオ屋さんのお世話になりました。
 
 借りたのは、日、中、韓の合作「墨攻」、アニメの「ピアノの森」、旧東ドイツが舞台の「善き人のためのソナタ」、ひところ話題になった「パフューム」など、ジャンルやポリシーに一貫性を欠いたチョイスに、日ごろから映画に無知であることがバレルというものです。
 
 海外どころか日本人俳優の顔も名前も分からないし、映画監督にこだわりもないし、どこの国の作品であろうと偏見無く鑑賞できるので、B級作品をつかまされてがっかりすることも多いですが、掘り出し物が見つかることも時々あります。今回は「善き人のためのソナタ」がそれでした。
 
 先に書いたように映画の批評をできるような男ではないので、ほとんど戯言に過ぎないのですが、墨攻には少なからずがっかりさせられました。
 原作は、歴史の流れに抗い、たった一人で強敵に立ち向かいながら、結局何一つとして変えることができなかった無常がテーマのハードボイルドな物語なんです。それを愛と友情と勝利でデコレートして受けを狙ったため、1年限りで忘れ去られてしまいそうな作品になっていました。
 
 でも正月映画としてお屠蘇気分で観るのには手ごろな作品でした。圧倒的なスケールと美男美女の競演には満足です。ピアノの森はほぼ原作に忠実ながらも少年向けになっていて十分です。新春早々から観るには頭を使わない映画も楽しいもんです。