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■遥かなる風 中橋修水彩画展 (2019年6月10~16日、札幌)

2019年06月20日 12時01分28秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 長く絵画を制作して毎年のように札幌時計台ギャラリーで個展を開いていた中橋修さん(札幌)が、立体造形やインスタレーションに転じたのが1990年代後半。この3、4年ほどは、自宅にある画材を活用しようと、絵画の世界に帰ってきている。
 水彩の作品はいずれも、シンプルそのもの。
 小さな画面の中に、ごく少ない要素で、宇宙的な広がりのある世界をつくりだしている。

 これだけシンプルなのに、塗り絵に陥っていないのは、水をたっぷり含ませて絵の具を置いているところと、乾いた筆を置く技法(ドライブラシ)を、混合させているからという。
 絶妙のグラデーションがつくられている。

 冒頭画像でわかるように、向かって左側は、山の絵が多い。
 「山の麓」と題した絵が3点ある。

 以前の山の絵に比べると、やさしく平明な境地とでもいったおもむきが漂う。

 「長年やってきた道内の岬巡りの徒歩の旅が終わったので、超えるべき対象からふもとでのんびりする対象に、山が変わったのではないかと」
と中橋さんは話す。
「山に包み込まれて、自分が山になったような気持ちもあります。落ち着いてゆっくりやろうという心境の変化が絵になっていると思う」

 インスタレーションなどを精力的に作っていた中橋さんだが、その頃から、シンプルさへの指向は強かったなあと思う。

 この中では「伝言」の2点が、青と赤の横の縞による絵柄で、異彩を放っている。
 近づいてみると、鉛筆によるラフな、心電図のような往復の線が、何本も横に走っていて、その振幅の幅がそのまま縞模様の幅になっている。
 周囲を白く残しているので、マットがない。
「マットなしでも絵になる、ということがわかりました」
と中橋さんは笑っていた。


 出品作は次の通り。

山の麓(同題3点)
春の香
落ち着く居場所
ここにいる
道を拓く
時の巡り
雲海飛行
岐路に立つ
秋の風
伝言 確かな願い
伝言 熱い思い
連鎖
休息
(他に1点)


2019年6月10日(月)~16日(日)午前10時~午後6時(初日午後1時~、最終日~5時)
らいらっく・ぎゃらりぃ(札幌市中央区大通西3 北海道銀行本店)


□ ART WORKS NAKAHASHI http://nakakana25.server-shared.com/index.html

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