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■中橋修展 内包-何処へ- (7月6日まで)

2008年07月04日 19時53分33秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 立体造形や平面インスタレーションへと活動の幅を広げている札幌の中橋修さんが、紀伊国屋書店札幌本店の2階ギャラリーの横にあるスペースで個展をひらいています。
 おもしろいので、いろいろ写真を撮ってきました。
 ただし、写真では、白と黒の対比がなかなか見た印象そのままには出すのはかなり困難なので(←ヘタなことのいいわけ)、やはりここは実物を見に行くことをおすすめします。

 会場に入ると、中央部に、都市を思わせる、白いアクリルの立体が重なり、点在し、周囲の床には、黒く塗られた木の玉がおびただしく転がっています。

 中央部の白い立体は、数センチの小さいものから大きいものまで6種類。
 塔かビルディングに見えるものは大きいものを積み重ねています。
 いちばん小さいものは63個、その次のものは25個あるのだということです。


        

 中央に置かれた塔は高さ2メートル余り。

 白の立方体のうち、大きなものは、4つの側面のうち2方向がスリットになっています。
 そこから内部が透けて見えますが、発泡スチロールで作った大小の球体が中空に浮かんでいます。
 なんだか、DNAとか宇宙の模型を思わせます。


        

 ところが、側面が細いすき間の連続でできているので、ちょっと視点をずらすと、もう中が見えないのです。
 位置によって見え方が違うのは、オプアートのようでもあります。




 真上から見たところ。

 すべての立体に、発泡スチロールの球がおさめられています。
「成長して育ってほしい-というような気持ちですかね」
 どこか種子のようでもあります。

 なお、白い立体はいずれも、天井に当たる部分に透明の板が貼られています。


        

 木の玉は、ここ10年ほど各所の個展で使い回しているものが多いですが、大きいものは今回初登場です。
 かなり広範囲にわたって置かれており、会場の端のベンチの下にも転がっていました。


 中橋さんは、はじめにコンセプトを固めてから取りかかるタイプではなく、まず手を動かして作るのだそうです。
 できあがってから
「そういうことだったのか」
と気づくことも多いとか。
 今回のインスタレーションは、アクリルと木という異なった素材を並列させたという点では、中橋さんにとって初めての試み。
 そして
「生のもの↔加工されたもの」
「心↔肉体」
「野生、自然↔文明、都市」
など、いろいろな対比が、そこから読み取れると思います。

 とはいえ、美術作品はコンセプトの説明、視覚化ではありませんから、自由に見た方がよいでしょう。




 こうして低い視点から見ると、アクリルの塔が、巨大な文明の象徴にも思われます。

 中橋さんは、北海道立体表現展を見て、野又圭司さんの作品と「ちょっとかぶっちゃったかな」と思ったそうですが、こうして見ると、やはりかなり違いますね。


08年7月1日(火)-6日(日)10:00-19:00(初日12:00-、最終日-18:00)
紀伊國屋書店札幌本店2階(中央区北5西5 地図A)

□ART Works NAKAHASHI http://www5.ocn.ne.jp/~naka565/

□STVエントランスアートのページ http://www.stvkohatu.co.jp/entransart/nakahsiosamu/nakahasim.html

ARTIST WEEK vol.1 air(08年6月)
中橋修展 内包-内にあるもの black&blue (07年6月)
06年の個展
■04年の個展
■03年の個展
奏でる音と立体の響き(02年、画像なし)
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