北海道美術ネット別館

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■いすのゆめ (11月8日まで)

2009年11月07日 23時48分54秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 北広島では毎年、市内の陶芸家松原成樹さんのプロデュースによるユニークなグループ展がひらかれています。市の行事ですが、「市内の作家じゃないとダメ」みたいな、ケチくさいことを言わないのには、好感が持てます。
 昨年のテーマは「はしご」。
 その展覧会に出品した9氏が、ふたたび集結したのが、今回の「いすのゆめ」。みなさん、いすをテーマにした作品を発表しています。
 
はしご展(2008年)
はしご展・続き


 全員、忙しい合間をぬって出品しているのがすごいです。
 作品はバラエティーに富んでいます。

 作品写真がちょっと露出アンダーぎみですが、ご了承ください。
 
 藤井葉子「翔てよ! アフロディティ」。
 正面からの画像だとわかりにくいと思いますが、フェルトで作ったひとの形が4枚あって、シャドウボックスのように間隔を開けて重なり合っています(シャドウボックスと異なるのは、壁側のほうが傾いていること)。デフォルメした女性なのですが、どこかなまめかしくセクシーな印象を受けました。
 左右には、紅白の小さないすが置かれています。













 手前は、清水郁太郎「さんぽ(いす)」。
 今回の出品作の中では、いちばんふつうのいすっぽい木工品です。
 もっとも、おとなが腰かけるには小さすぎるのですが。

 右に並んでいるのは、齋藤周「つながるかんけい」。
 七つのキャンバスからなる作品です。
 今回、いわゆるタブローは、この作品しかありません。
 齋藤周さんというと、ドローイングふうの、紙に描いた部品が平面インスタレーションふうの展開の中にある場合が多いのですが、今回のキャンバスはかなり厚く、物質感があります。
http://shusaito.com/







 小林大「刻 機をまつ私の可能性は童のよう」。
 小林さんはどこか幻想性を漂わせる版画を制作する人ですが、「はしご展」あたりから、タブロー以外にも手を染めるようになってきました。
 今回のインスタレーションで、中央に置かれてチクタクと音を発しているのは、おそらく柱時計をなかば分解したものなのでしょう。
 右手にも、かごのような物が置かれています。
 いすの上に載っている赤ん坊は、平面で、これがたぶん版画なのだと思います。
 名前の「大」の字にも見えるのは、意図していなかったそうです。





 松原成樹「巨石の廻りで」
 それほど大きくはないのですが、なんだかストーンヘンジに見えます。
 松原さんの陶の作品は、何千万年か経てきた石のような存在感を放っています。












 中橋修「内包-志向」
 会場を睥睨へいげいしているかのような大作です。高さは2.4メートルもあります。
 例によって白いアクリル板を規則正しくつなげて作っています。
 いすは、坐る部分があいており、中に入って首を出すことができます。
「見るだけの作品から、『内包』の題の通り、包まれるような作品にしていきたい」
と中橋さんは笑顔でした。

http://www5.ocn.ne.jp/~naka565/









 永田まさゆき「朝は四つ足でやってくる」
 楽しい動物園のような作品。木彫5体が輪になっています。

http://homepage.mac.com/onnn/ONN/onn_home.html










 國松希根太「DUO」 
 壁にかかっている作品です。
 永田さんにくらべるとやや小ぶり。

http://www.kinetakunimatsu.com/











 佐々木雅子「ひとりですわる」「やわらかい場所」「有頂天の椅子」
 画像はこのうちの2点。
 お母さんになってこれほど優しい作品を作るとは。
 この会場には、中央に隠し小部屋のようなスペースがあるのですが、そこにひっそりと息づいているのがふさわしい小品。



2009年11月3日(火)-8日(日)10:00-6:00
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下 地図C

・市電「中央区役所前」から徒歩1分
・地下鉄東西線「西11丁目」から徒歩2分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「厚生年金会館前」から徒歩5分


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