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■早坂賀道作品展「newa ペニウンクル」

2022年12月02日 09時09分09秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 筆者がこの展覧会について知ったのは1北海道新聞の1月14日夕刊カルチャー面でした。
 帰宅してからネット検索すると、次のようなお知らせ記事が、北海道新聞のサイトに載っていました。

 旭川出身のアイヌ民族で、芸術の創作や音楽演奏に取り組む早坂賀道(よしみち)さん(57)=札幌在住=の木版画など約100点を展示する。7年前に脳梗塞をわずらい、リハビリをして制作した早坂さんの独創的な作品が並ぶ。

 早坂さんは2000年にアイヌ民族のイタオマチプ(板つづり舟)の復元に取り組んだことをきっかけに、芸術家集団アイヌアートプロジェクトの創設に参加。音楽、踊り、木彫、版画などの表現活動に従事している。15年に脳梗塞で利き腕の右手などが不自由になり、リハビリを経て3年前から木彫などの創作を再開。今回が病後初の本格的な作品展となる。

 樺太アイヌなどが用いている弦楽器トンコリ、アイヌ文様やドットなどを描いた「カラス」「たか」などの木版画、銅やしんちゅうで作ったサケやシマフクロウのオブジェ、アイヌ文様を印刷したパーカーなど多彩な作品を展示。自由に動く左手で制作した。アイヌ文様の刺しゅうを施した妹ユカさん(53)=札幌=のタペストリーなどもある。

 
 
 概略は、上の引用部分でわかると思います。
 なので、つけ加えることはあまりありませんが、筆者がふむふむと見ていると、作者が会場にいて気さくに話しかけてきて、そのうちに共通の知り合いが複数、オホーツク方面にいることがわかり、話が弾んだのでした。

 印象としては、とにかく、手がけている分野が幅広い!
 装飾模様がびっしりと全面をおおう版画をはじめ(ポストカードが購入しやすいです)、金属部品を組み合わせてつくった魚のオブジェ、アクセサリーなど。
 また、ロックバンドのメンバーでもあり、トンコリが展示してありました。
(おもしろいのは、この画像とは別のトンコリは、5絃なのに木の巻き取り部分が三つで、よく見ると、元になったギターのペグが五つあるのでした。トンコリはギターにくらべると音程が狂いやすいことは筆者も知っており、たしかに便利な工夫だと思いました。早坂さんは「そのうち7絃のトンコリも作りたいね」と話していました)

 
 
 さらに、ファイヤーダンスも踊るとのことで、ポスターが貼られ、映像が会場で流れています。
 それぞれ別名義で行っているので
「おれも時々、じぶんでわかんなくなるんだよな」
と笑っていました。

 出身は層雲峡の由。
 その縁で層雲峡の夏のまつりでもファイヤーダンスを披露しているようです。
 幼いころに家族・親族で撮った写真も会場にあって、子グマが3匹、子どもたちと一緒に写っています。一瞬、飼い犬かと思うほど自然な感じです。別に疑っていたわけではないのですが、「わ~、ほんとに子グマを飼っていたんだ~」と思いました。

 新聞や、上記の引用では、病気のことがいろいろ書かれていましたが、話していた感じではたいへんにお元気で、先述のオブジェを「病室で作った」というときぐらいしか病気については話が出ませんでした。
 こんなに多芸多才なアーティストをいままで知らなかったのは不覚というべきで、また機会があったら見たいと思います。


2022年11月14日(月) ~ 12月3日(土)午前9時半~午後5時(最終日は午後1時まで)、日曜、月曜休館
MOAアートホール北海道(札幌市西区二十四軒4の2)



・JR琴似駅から約500メートル、徒歩7分
・地下鉄東西線琴似駅5番出入り口から約570メートル、徒歩8分

※カフェ北都館ギャラリーから約300メートル、徒歩4分


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