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浮世絵に見る「いき」-高橋博信の眼(1月28日まで) (4)

2007年01月20日 23時52分22秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
国貞「御誂絵馬尽 深川八幡の額ノ内 さゐく物」

 芸者が三味線の絃を交換しているのを見てちょっとおどろいた。
 こんなこともじぶんでやっていたんですね。

 この絵のこま絵はやや大きめで、なかに「さゐく物」と書かれ、なにやら機織りでもしているような感じ。
 ところで、深川八幡は、正式名称を富岡八幡宮といい、江東区富岡2丁目に現存する有名な神社だ。
 八幡宮とは、応神天皇をまつる社。弓矢の神様である。
 富岡八幡宮は江戸三大八幡のひとつに数えられ、門前には料理屋などが立ち並び、カキ、シジミ、ハマグリ、ウナギなどが名産だったということだ。
 
 どうも、三味線の絃とはあまり関係がないような気がする。

 題にある額であるが、青蓮院宮尊証法親王の筆跡という。
 この人物については、こちらに記述があった。
 後水尾天皇の第十七皇子の由。
 しかし、やはり三味線とは関係がなさそう。
 どなたか、この額がここに出てくる意味を御存知の方は教えてください。

□富岡八幡宮の地図

国貞「当世美女吾妻風景 王子の午の日参」
 美女が参った王子稲荷については、このページが非常にくわしい。
 「江戸名所図会」に
「当社は遙かに都下をはなるゝといへども、常に詣人絶えず」「実にこの地の繁花(はんか)は都下にゆづらず」
とあるのがおもしろい。王子って、江戸から遠く離れた地だったのね。いまは京浜東北線で東京駅から20分もかからない。
 まあ、だからキツネもたくさん出ていたのであろう。
(王子稲荷にはキツネの穴がのこっている)
 当時の人はみんなあるいていたんだから、「遙かに離れる」というのもわかるし、あらためて江戸人の健脚ぶりには驚かざるを得ない。

 絵は、王子稲荷から帰ってきた美女が足などをふいている図。手前に傘が置いてあるが、ということは雨だったのか。それとも日傘?

 ちなみに、この展覧会に出ている国貞「江戸名所百人美女 あすかやま」の飛鳥山は、王子稲荷の近くだな。

 □王子稲荷の地図

12月13日(水)-2007年1月28日(日)
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D
これくしょん・ぎゃらりぃの2階から入れば無料です。


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