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■第39回鉄道ファン・キヤノンフォトコンテスト入賞・佳作作品展 (2016年4月7~19日、札幌)

2016年04月14日 22時58分37秒 | 展覧会の紹介-写真
 正式名称は

交友社/キヤノンマーケティングジャパン:2015 第39回 鉄道ファン・キヤノンフォトコンテスト 入賞・佳作作品展

です。

 今回は、北陸新幹線の開業や「北斗星」の運行終了といった話題が豊富だったためか、前回よりも千件以上多い5500件を超す応募があったとのことです。
 このコンテストは昨年の実施で、11月以来、銀座、名古屋、仙台、梅田、福岡のキヤノンギャラリーを巡回して、札幌が最後の開催地です。

 さすが入賞・佳作の作品はすばらしいものが多いです。
 言い換えれば、個性的な作品が多く、どこかで見たことがあるような作品は全くありません。
 列車や駅が廃止になる日には、プラットフォームにカメラを手にした人があふれる光景が、新聞やテレビで報じられます。こうした「撮り鉄」の増加には、頭を痛めている鉄道会社や利用客も少なくないでしょう。しかし、そのような場所でさよなら列車を撮った作品は1枚も入賞していません。

 ようするに、他人と同じ写真を撮っても、評価されないってことですよ。

 全体的には、蒸気機関車(SL)人気の根強さが目を引きます。
 一時期目立った、海外での撮影は、今回はわずか2点にまで減少しました。

 北海道で撮った作品は、それほど多くありません。
 そのうち「流星に想いをこめて」は、ブルートレイン北斗星を牽引するディーゼル機関車DD51重連を低いアングルからとらえた作品。寝台車はうつっていません。左手の海はおそらく噴火湾でしょう。流星とは、DD51の青い車体にデザインされた星のことをさしています。
 全国的には「北斗星」を引っ張るのは電気機関車というイメージなのでしょうが、道産子にとっては、やはり青いDD51なのです。

 車両列車部門で銀賞になった「地吹雪の中」(伊藤正和さん)は、キハ40系ディーゼルカーを遠くからとらえた作。すでに雪がはれて明るいのに、風が強いために吹雪になっているという、道民にはおなじみの光景です。

 「ファンタジックブルートレイン」にも感銘を受けました。
 夜、深い雪の中を走る列車の車窓から漏れるあかりが、両側の雪山に、色とりどりに反射しているのです。これほどロマンティックな鉄道写真は珍しいと思います。

 「スポットライト」は、札幌のJR苗穂工場で撮影したとおぼしき1枚。旭山動物園号や特急オホーツクが休んでいる中を、DE15とSLの重連が走っていきます。SLニセコ号牽引でひと働きするため札幌駅に向かうのでしょうか。それとも車庫に戻ってきたのかな。

 「Space Tunnnel」は、トンネルの中を走るブルートレイン「カシオペア」。望遠レンズで思い切り引っ張ったことは分かりますが、どういう撮影位置でシャッターを押したのか、皆目見当が付きません。すごい。

 一般部門金賞の「誇り」は、黒光りするC57が被写体。機関士と服機関士に、夕日が当たっているようすをみごとにとらえています。これは題名の勝利ともいえそうです。

 次回は、北海道新幹線の開業をテーマにした作品が並ぶのでしょうか。楽しみです。


2016年4月7日(木)~19日(火)午前10時~午後6時、土日祝日休み
キヤノンギャラリー 札幌(中央区北3西4 日本生命札幌ビル 高層棟)





□入賞作品一覧 http://railf.jp/contest/2015/nyushou/index.html

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