2016年3月号
表紙は、雪だるま(?)と山下さん!
どこかで見たことあるお顔の雪だるまに、マフラーかけてあげてます。
他、小森さんや、らいかさんと竹田くんも、雪だるまづくりで楽しそう!
今月の「物語と人生と・・・で賞」は、『迷想乙女の文学会議』より、更級日記!
今回の題材は、『更級日記』。
「源氏物語」の大ファンである菅原孝標娘が作者として有名ですが、
その愛好家ぶりは、まさに現代のオタクと同じで、聖地巡礼までしていたとか。
そんな熱烈な物語好きである菅原孝標娘のお話が、親近感を持たせつつ、
面白かったわけですけども、それと同時に、物語にハマった末路とでも言いますか、
それによる後悔もまた、身につまされるものがありました。
物語にハマらなければ「こんな人生じゃなかったかも」。
現実の中でそう考えてしまう孝標娘の姿は、人生の先行きに不安を覚えさせます。
そして、主人公の倉野さんも、文学にハマらなければ、と考える出来事があり、
【文学少女の終わり】なんてタイトルが、寂しく感じられましたが・・・
なんと、次回で最終回!? はたして文学少女に希望はあるのか? 気になります!
【今月のピックアップ!】
●北斎のむすめ。 (松 阪 先生)
お栄さんと高尾さん。
以前、男装して吉原へ行ったお栄さんですが、
その後、遊女さんからお手紙をもらうこと、しばしば。
吉原の遊女さんは、よく客に手紙を送るとのことで、一種の営業なのでしょうね。
けれど、当然お栄さんの返事はつれないものばかりで、遊女さんもやきもき・・・
ですが、高尾花魁はなかなかやるもので、お栄さんの欲するものを的確に察し、
「文」として送っていたのは、さすがでしたね~。
そこで、高尾さんと文のやりとりをするお栄さん。
向こうはこちらを男と思っているわけで、相手をだましているような感じですが、
遊女の嘘と真は霧の中で、騙し合いのようなものだという意見は面白かった。
「遊女のまことと四角い卵、あれば西から日が昇る」とは、言い得て妙ですなあ。
まあ、お栄さんが「玄人の女を手玉に」取っているなんて考えていたのは、増長(^^;
さらに、かけおちしようなんて持ち掛けられて、慌てていたのは、ご愛敬。
でしたけど、まあ、さすが高尾花魁、玄人の凄味を見せつけて、
お栄さんを驚かせていたのは、脱帽でありました。
「吉原は客と遊女の化かし合い」
気高くふるまう優雅な高尾さんがおっしゃると、重みが増して聴こえ(見え)ます。
けれど、どうもお栄さんに惚れているのは本当のこと?
女性同士ではありますが、なかなか面白い関係になりそうですね。
しかも、高尾さんとのやりとりが、あの名画を生むきっかけになるとは!
いや~、これには驚かされてしまいました。
などなど、お栄さんと高尾さんとの関係を気にしつつ、今後も楽しみです!
【ゲスト作品】
●美軍師張良 (秦和生 先生)
かの“名軍師”、張良さんのお話。
始皇帝で有名な秦帝国を討ち、その後、漢帝国を建てた劉邦。
彼を支えた中でも、三傑に数えられるほどの策略家が、張良さん。
そんな彼の若かりし頃を描いた物語です。
「美軍師」というタイトルからもわかるように、張良さんは美形。
実際、歴史書にも「婦人好女の如し」なんて書かれていますからね。
と同時に、賢い少年でもあった張良さん。
もっと世間のことを知りたいと街に出ようとしますが、身体が弱いため、
許可がもらえず却下されてしまいます。
が、そこは未来の策略家。
あれやこれやと策を弄し、試行錯誤しつつ、目的を達成する様子が、
面白おかしく描かれていました(^^;
お供の士毅さんとのやりとりも楽しかったりしましたけど、
弟くんに関しては、ちょっと寂しい気分にもさせれれちゃいました・・・
というのは、後に弟くんが亡くなった際、〈秦〉に復讐するのため資金を
つくるべく、弟くんの葬式の費用も出せなかったなんて逸話がありますからね。
それにしても、最後は〈秦〉が攻めて来るなんて場面になってましたが、
これだと続きは、逃亡から始皇帝暗殺未遂、そして劉邦との出会いなんて話に
なってしまうのでしょうかね?
「王佐の才」という代名詞としても使われるほど、有名な人物・張良。
その生涯が描かれる作品になったりするのであれば、期待が大きいですよね。
なので、ぜひとも続きを~!