五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のナポレオン

2016年11月03日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2016年12月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 ヴァグラムの戦い、決着!

 包囲殲滅を図るカール大公率いるオーストリア軍。
 ウジェーヌは対応すべく、マクドナルドに西へ行くよう指示しています。

 この独断で軍を動かした行動は、ナポレオンの耳に入るものの、
 それを「でかした」と評価されていたのは面白い。

 あのウジェーヌくんが、今ではヒゲも生やして立派になっているのは、
 なかなか感慨深いものがありましたけども、実力も評価されていて、喜ばしい所。

 

 

 

 ナポレオン、マッセナに指示。

 敵の包囲が完成すれば、左翼から崩れると考えたナポレオン。
 そこでマッセナを南下させ、それを防ごうというのですが、
 これではマッセナが敵前を通過することになり、かなり危険な状況に。

 ベルティエたちが驚くも、ナポレオンは「マッセナならできる」と言い切っていて笑!
 いや、無理させすぎでしょ、とは思うのですが、たしかにマッセナであればできる
 という妙な信頼はありますよね(^^;

 そして実際、ぼやきながらも実行してしまうマッセナさん。
 敵に集中的に狙われるのの、べシェールやラサールの活躍で乗り切っていたのは、
 カッコよかった! イタリア遠征組が心強いというのも納得です。

 

 

 

 失った勇気を奪い返す。

 昨夜の戦いで、逃走するはめに陥った軍団に、マクドナルドが喝!
 ナポレオンに与えられた汚名返上の機会を無駄にせぬようにと、
 ハッパをかけています。

 そして、兵士たちが未熟ゆえ、間隔を狭めた編成をとっており、
 これでは敵のマトになると懸念されていますが、マクドナルドは逃走を防ぐため、
 あえてこのようにしていて、覚悟のほどがうかがえます。

 ここで、マクドナルドが思い起こすのは、ナポレオンの不興を買った日のこと。
 皇帝陛下の妹ポリーヌと、男女の営みを交わしたことがバレたことで、
 自分はナポレオンに嫌われたと思っている様子。

 その再現場面、当時と現在のマクドナルドが、ナポレオンの怒りの表情をはさんで
 描かれているのですが、過去の若さと現在の精悍さの対比が、時を感じさせますね。
 これはウジェーヌの姿も同様で、時間の経過を印象付ける効果があります。

 

 

 

 マクドナルドの叫び。

 やがて、右翼ダヴーの進撃により、ナポレオンは戦いが佳境に入ったと確信。
 ウディノとマルモンがヴァグラム高地を急襲する中、マクドナルドのいる中央では、
 凄惨な状況が繰り広げられ・・・

 8千の兵が4千にまで減ってゆきます。
 援軍を要請するも、さらに兵士は削られてゆき、次第に追いつめられるマクドナルド。

 まだ援軍は来ないのかと焦る彼が、必死にこらえたような表情を見せた後、
 「俺たちを全滅させる気か!!」と叫び声をあげる場面は、命がけの迫力がありましたね。

 その頃、ナポレオンは予備軍を動かしてマクドナルドを救援させており、
 おかげで勝利をつかむことができたわけですが、マクドナルドは皇帝に見捨てられる所だった
 と考えているようで、やはり過去のことを引きずっている様子。

 

 

 

 ナポレオンとマクドナルド。

 そこへ、ナポレオンがやって来て、マクドナルドにかけた言葉が
 「んなわけあるか」だったのは、何とも可笑しかった!

 私怨で軍を危険にさらすなどありえないわけで、援軍が送れなかったのは
 敵の増援としてヨハン大公が来るかもしれなかったため。

 なので、中央でのマクドナルドの奮戦は、ナポレオンも大いに評価しており、
 そこからナポレオンがマクドナルドに対して「今では我々は友人だ」と
 述べていたのが、何とも爽やか。

 その言葉を受けてマクドナルドは、かつてのポリーヌとの情事の際、
 彼女から言われたことを思い出していましたけど、これがまた素晴らしかった!

 まさか、ポリーヌさんが、こんなことをしていたとは・・・
 ただの男好きというだけではなかったのですね~。

 彼女のしていたことは、兄ナポレオンの味方を増やすこと。
 「人生はいい時だけじゃない。悪い時も助けてくれる人が友人」という言葉には、
 思わず感動してしまいましたよ。

 そして、差し出されたナポレオンの手を取るマクドナルド。
 彼の心の声が、その内面の誠実さを感じさせて、輝いて見えましたね。

 ナポレオンも、ランヌというかけがえのない友人を失ったばかり。
 ここでマクドナルドを「友人」と呼んだのは、まさにランヌの仇討ち後、
 少しでも“取り返したかった”からなのかもしれません。

 などなど、ヴァグラムの戦いに決着のついた今回。
 いよいよ絶頂期を迎えるナポレオンですが、それすなわち、転落の前触れでもあります。
 はたして、どうなってゆくのか・・・と気にしつつ、今後も楽しみです!

  

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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