五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のナポレオン

2018年07月20日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年8月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 少年画報社の企画「うらめしや少年画報社」にて、
 長谷川先生も描かれていますが、宮原るり先生に対して、そのような噂が流れていたのですか…
 以前、どこかのコメントで誤解されるようなことを書いておられたような?(記憶曖昧)

 あと、編集の星野さんってネタにされやすいんですかね?
 宮原るり先生・水上悟志先生のマンガにも登場しておられたような…人望があるということかな。
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 モスクワ炎上後も、のんびりムードなフランス軍・・・

 フランスから届いた手紙を受け取る兵士たちが、各々、嬉しそう。
 望郷の思いを抱きつつ、癒しのひと時を過ごしているのでしょうか。

 そんな中、ビクトルさんには手紙が届いておらず、ルカくんにも邪険にされて、
 セルゲイさんの所に来てますが、そこで彼から「ロシアの冬」について聞かされ、
 今のうちに外套やブーツ、帽子と手袋を探すよう言われるも、言葉がわからない状態。

 ロシア人であるセルゲイさんにとって、冬の厳しさは当たり前のことなのでしょうけど、
 ビクトルさんにはピンと来てない様子で、このあたりの認識の齟齬は気になる所でした。

 

 

 

 ロシアの冬を前に・・・

 時を同じくして、コランクールから毛皮やブーツを用意しなければならないと
 進言を受ける皇帝陛下でしたが、その意見はモスクワ撤退を前提としており、
 ナポレオンには受け容れがたいものらしく、お冠。

 モスクワで春を待つ、なんて言い切るナポレオン。
 しかしコランクールは、冬になれば孤立無援となり、ロシアの大攻勢を受けるため、
 それをハッタリだと考え、話を合わせつつ、やるべきことをやろうとしていたのが面白い。

 つまり、「冬営の準備」と称して、毛皮や食料を集めようと申し出たのですが、
 これもナポレオンに却下、ロシア皇帝アレクサンドル1世に会い、和平を結ぶよう命じられ、
 それを断っていたのが印象的でありました。

 ここでのコランクールは、ナポレオンよりも状況がよく見えていて、アレクサンドルの狙いを
 しっかり見極めていたと言えるでしょうね。 一方、ナポレオンは希望的観測に基づいて
 事態を想定しており、焦っていることが感じられます。

 今退けば、ヨーロッパ諸国はナポレオンの敗退とみなし、反旗を翻すことになりかねない。
 そして、モスクワに留まることはできないとわかってもいて、退くも地獄、留まるも地獄と、
 困難な状況にあることがわかりますね。

 それでも、アレクサンドルが 和平を求めてくると考えているナポレオンの見通しの甘さは、
 時間のロスを生んでしまい、最悪の判断ミスを招いてしまったと言えるのかもしれません。

 

 

 

 時間が過ぎる中・・・

 ビクトルさんとルカくんが、略奪品探しをしていると、服屋らしき場所の地下で
 大量の毛皮を発見していたのは、幸運というべきでしょうか。

 まあ、ダヴー元帥に報告して、褒美をねだろうとするものの、
 ビクトル嫌いなダヴーさんに通用しなかったのは、可笑しかったですけども(^^;

 そして、手に入れた毛皮を自分たちだけでなく、捕虜のセルゲイさんにも届ける
 ビクトルさんとルカくんが、戦時中の交流を感じさせて、心地よいですね。

 敵国人同士、言葉は通じていないものの、意思疎通を図ることができたことは、
 微かな希望を感じさせる場面に感じられます・・・とはいえ、フランス軍を襲う、
 これからの悲劇を思うと、束の間の光でしかないのかもしれませんが・・・

 

 

 

 1ヶ月という時間・・・

 そして、雪が降り始めた頃、アレクサンドルからの返信はないまま、
 ロシアの各将軍にフランス軍との交渉を禁じた旨がナポレオンに伝えられ、
 1ヶ月の時間を無駄にしたことが、決定的となりました。

 「俺は貴重な1ヵ月をドブに捨てたのか!」と、憤るナポレオンでしたが、
 すぐさま頭を切り替え、撤退を考えている点はさすがというべきでしょうか。
 遅きに失した感はありますけども・・・

 しかも、このタイミングでミュラがロシア軍の攻撃を受け、後退。
 そのため、クトゥーゾフに一撃を食らわせねばならなくなり、
 もはやクトゥーゾフの罠にかかりつつあるようにも思えます。

 来た道と同じ経路を通ることになれば、食料を食べつくした土地しかなく、
 フランス軍は飢えるしかなくなるわけで、とてつもなく不穏であります。

 

 

 

 撤退開始・・・

 まだ雪が降っていなかった頃、戦傷将兵をパリに送り返す部隊が出発し、
 寒さが厳しくなる前に帰還できたようで、このあたりが運命の分かれ道だったのかと、
 費やした時間の大きさに、ため息が出てしまいます。

 そして今、撤退を始めたフランス軍には、略奪品を積んだ車両がついてきており、
 さらに一般人(商人・職人・芸人・役者など)が同行しているなど、
 やたらと大所帯な集団になっている様子ですが、そこに書かれた一文は衝撃的ですね。

 「やがて全員が地獄を見る」
 ロシア遠征の悲劇を象徴する一言といえる言葉が、ただただ不吉でしかありません。

 などなど、ついに始まった撤退戦。
 後世の我々は、その先行きを知ってはいるわけですけども、それがどのように描かれるのか、
 “勇者の中の勇者”ミシェル・ネイの伝説が拝めるのか、不安と期待まじりで、今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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