五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 「お気に入り」4コマ漫画 単巻作品

2013年07月16日 | ◆「お気に入り」  4コマ漫画

「お気に入り」4コマ漫画の単巻作品です。

完結作品も書きたかったのですが、なかなか時間が(以下略)

 

 

『サチウス』 (水森みなも 先生)

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 不幸体質だけど、そのことをあまり気にしていない少女のお話。

 向井サチさんは、誰もが認める不幸体質。

 歩いているだけでトラブル続出、生傷絶えない女子高生ですが、

 本人はあまり気にせず、のほほんと毎日を過ごしている姿が面白おかしい4コマ作品です。

 

 外出すれば、電車は遅れる、落し物はする、ケガをする・・・

 などなど、とにかく不運なサチさんの不幸体質(ネガティブ)ですが、

 それを気にしない性格(ポジティブ?)によって相殺されることで、

 可笑しさを生み出している点が魅力になっていますね。

 

 また、学園では優等生として知られる、極楽院ミサ子さんの存在も面白い。

 彼女はサチさんの不幸体質を「不思議な力」だと思っていて、

 そのことをうらやましがり、オカルト研究会に取り込もうとします。

 オカルトに傾倒している変な人でありながら、学園では優等生というギャップ。

 さらに、あれこれ策を用いてサチさんを勧誘する行動が、楽しさを感じさせてくれますね。

 何だかんだで、そうして2人が友情を深めてゆく様子は微笑ましいです。

 

 などなど、不幸でありながら、それを気にしない姿勢と、

 サチ&ミサ子の仲良しぶりが楽しい4コマ作品。

 『笑って!外村さん』とのコラボ回も掲載されています。

 単巻完結はもったいない気もします(サチさんを好きな男子もいましたし)が、

 これはこれで、ちょうど良い具合に楽しめる長さかもしれませんね。

 

 

 

『さえずり少女、しんしん鎌倉』 (matoba 先生)

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 「とびきりキュートな異文化交流ダイアリー」 (オビ文より)

 フランスからやって来た高校1年生・コズリさん。

 憧れの地・鎌倉にて、お世話になる先生や友達に囲まれて、

 楽しく過ごす様子が描かれる4コマ物語です。

 

 小学生に間違われそうな小さな身体に可愛らしいしぐさ。

 そうした金髪美少女・コズリさんの魅力と、鎌倉の風景のミスマッチ感が、

 良いコントラストになっていて、かなり素敵な雰囲気を生み出している印象。

 それでいて、デフォルメされた登場人物たちのやりとりは、

 軽快なコメディとなっていて、笑いと共に楽しさを感じさせてくれます。

 

 また、コズリさんと、和菓子屋さんの跡取り孫・静くんとの関係や、

 コズリさんの持つ大切な“ペンダント”にまつわるエピソードも、見どころとなっています。

 私などは、作中で描かれる鎌倉の風景に、目を奪われっぱなしでありました。

 こうした風景を切り取った一枚絵って、大好きなんですよね。

 そこに金髪美少女が配置されているのも、またオツです。 (連載時・最終話感想

 ただ、特別編(まんがホーム2013年5月号)が掲載されていないのは、少し残念。

 

 

 

『モノローグジェネレーション』 (小坂俊史 先生)

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 「世代群像 モノローグ。」 (オビ文より)

 10代から70代まで、さまざまな世代の人々の想いがつづられる4コマ作品。

 主要8名、そのほかにも多くの人たちが、毎回1つのテーマを軸に、モノローグで語ります。

 

 最年少の女子中学生・ひとみさん。

 彼女が毎回、最初と最後に登場し、その間に他の7名をはさんだカタチが基本。

 年代はもちろん、立場も中学生、大学生、ストリートミュージシャン、OL、

 イラストレーター、会社社長、小学校教師、年金生活者と、幅広くそろっていて、

 それぞれの生活を感じさせながら、同じテーマで別々の想いが描かれるのは面白い。

 

 これら詩的に心へ触れるモノローグが、

 緩やかに笑いを誘ったり、どことなくしみじみとさせてくれたり、

 胸の奥を軽くえぐられるような気分を味わわせたりと、

 情緒に響いてくる感覚で、きわめて上質です。

 1つ1つのネタが勢いまかせではなく、言葉とシチュエーションによって

 丁寧に作り上げられているのが好感触でありました。

 

 『中央モノローグ線』『遠野モノがたり』につづく、モノローグシリーズの第3弾。

 前作の主人公なのかさんも、登場人物の1人として出てくることで、

 それぞれの人物・世代の重みも増しているように感じられますね。

 また、レギュラーではありませんが、「中央~」のキャラクターも出てくるのはニクイ所。

 しかしモノローグシリーズは、これにてシリーズ完結。

 登場人物のモノローグでつづられる、この稀有な4コマ作品は一読の価値ありと思います。

 興味をもたれたら、ぜひとも・・・! (連載時 いじめ回感想 最終話感想

 

 


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