goo blog サービス終了のお知らせ 

五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『蒼き鋼のアルペジオ オフィシャルブック 戦闘詳報2059』雑感 人の瞳とメンタルモデルの瞳と

2014年07月06日 | ◆マンガ 感想

『蒼き鋼のアルペジオ オフィシャルブック 戦闘詳報2059』

 (Ark Performance 先生)

 Detailed_battle_reports_2059

 『蒼き鋼のアルペジオ』のオフィシャルブック。

 内容は、蒼き鋼戦闘記録、メンタルモデル紹介、ファッション・チェック、

 マンガ「an extra」2作品、スペシャル対談、ドラマCD「TRIO TRIANGLE」シナリオ、

 Ark Performance先生へのへ21の公開質問状、“幻”の第1話ネーム、蒼語辞典など、

 盛りだくさんであり、ファン必携の1冊となっています。

 

 表紙はイオナと、イ401。

 イオナの普段着はもちろん、401の“赤裸々”な姿が、魅力的ですね。

 この記事では、「戦闘詳報2059」の雑感および、

 以前から気になっている、ある事柄について、つらつらと書いてみます。

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

【an extra 2作品】

 Detailed_battle_reports_2059_p079

 『蒼き鋼のアルペジオ』番外編2つ。

 1つ目は、スペシャルブック収録のタカオ函館滞在記。 (スペシャルブック感想

 タカオが出会った、とあるご婦人との交流が描かれています。

 すでに、ご婦人の正体については作中出てきているので、

 ラストに素性が明かされても、今一つ驚きはないのですが、

 スペシャルブックで読んだときは、大いに納得感を覚えたものでした。

 

 それにしても、9巻では「青樹タカオ」と名乗っていたタカオさんが、

 ここでは「霧乃タカオ」であるのは面白いですね。

 まだ“霧”から離れて間もないころなので「霧乃」だったものが、

 「蒼き鋼」に加わったことで、「青樹」になっているということでしょうから。

 そうした部分のこだわりを感じられます。

 

 

 Detailed_battle_reports_2059_p107

 天羽琴乃と群像と、第4施設焼失事件と・・・ (ヤングキングアワーズ 2014年5月号

 「an extra」2作品目は、群像の幼なじみ・天羽琴乃を中心に、

 群像との関係、彼女が見る不思議な夢、そして第4施設焼失事件とが描かれます。

 天羽琴乃は、施設の事故にて亡くなったとされており、

 このエピソードで、その顛末の一部が見えたような、そうでもないような・・・?

 詳しいことは、連載時の感想で書きましたので、そちらで。

 

 加筆・修正は、事故が起きてからの、琴乃と群像とのやりとりのシーン。

 ここで、群像からの言葉にハッとする琴乃が加筆されたことで、

 印象がだいぶ違ったものになっていましたね。

 連載時だと、不安げな表情から、唐突に笑顔になって群像を送り出す琴乃に、

 怪訝なものを感じてしまったのですが、こちらでは、ワンクッションはさまったことにより、

 自然な流れになっていた気がします。

 

 などなど、様々な情報その他が詰め込まれている「戦闘詳報2059」。

 “幻”の第1話ネームや、スペシャル対談なども興味深く読めましたし、

 ファンであれば、買って損ない1冊かと思います。

 

 

 

【人の瞳と、メンタルモデルの瞳と】

 Detailed_battle_reports_2059_p133

 Ark Performance先生への公開質問状。

 Q13) 翔像はなぜいつもサングラスをしているのですか?

 について気になったことを、ちらほら。

 

 質問の答えは、はぐらかしたのかどうなのか、面白いことが書かれていましたけども、

 真面目に考えますと、401と共に出発したときの翔像は、サングラスをかけていません。

 9巻で出てきたヤマトの回想でも、かけていないように見えます。

 しかし、その後ムサシの艦上にいる彼は、サングラスをかけており、

 確認できる限り、外している場面はないように思えます。

 

 ここで私が気になったのは、人間とメンタルモデルの瞳の違いです。

 これは、Twitteでフォロワーさんがおっしゃっていたことなのですが、

 人間とメンタルモデルでは、瞳の描き方が異なっている可能性があるとのこと。

 たしかに、注意して読み返してみますと、的を射たご意見だと感じました。

 

 

 Arpeggio_of_blue_steel_01_p044 

 1巻44ページより。

 ここで、イオナ(メンタルモデル)と、群像(人間)の瞳を比較してみます。

 

 Arpeggio_of_blue_steel_01_p044b_2 Arpeggio_of_blue_steel_01_p044a_2

 (左)イオナの瞳  (右)群像の瞳

 まず、イオナの瞳の中、黒目の周囲に輪っかのようなものが確認できます。

 対して、群像の瞳には、黒目はありますが、その周囲の輪っかは確認できない。

 じつは、作品全体を通してみても、こうした傾向があることがわかります。

 つまり、メンタルモデルの瞳=「黒目の周囲に輪っかがある」ということですね。

 

 

 Arpeggio_of_blue_steel_05_p165

 5巻165ページより。

 イオナとタカオの会話シーンでも、

 メンタルモデルである2人には、黒目+輪っかを確認できます。

 アップにならないとわからないのですが、他のメンタルモデルたちにも、

 この特徴が見られることは、まず間違いありませんでした。

 

 

 Arpeggio_of_blue_steel_03_p147_5

 現在いる翔像は、はたして人間なのか?

 人とメンタルモデルの瞳の違い。

 そこから、翔像のサングラスのことを考えますと、

 もしかして翔像は、瞳を見られないよう隠してるのではないか?

 という疑惑が浮上してくることになるのですね。

 

 もし、黒目+輪っかが、彼の瞳に確認されてしまえば、

 翔像はムサシのメンタルモデルである可能性が高まります。(9巻感想、ヤマトの回想参照)

 それを作中では悟られぬよう、サングラスをかけている、ということはないでしょうか。

 もちろん考え過ぎであるかもしれませんし、そう思わせといて実は・・・

 なんてブラフであることも、あり得ます

 

 

 Detailed_battle_reports_2059_p101 Arpeggio_of_blue_steel_08_p030

 天羽琴乃と、ヤマトと、コトノ。

 そして、もう1つ気になるのは、天羽琴乃を中心にしたメンツ。

 ここでも、なかなか興味深いことがわかるのですが、

 むしろ混乱を助長しているようにも思えます。

 

 Detailed_battle_reports_2059_p101_2 Arpeggio_of_blue_steel_08_p030b_4 Arpeggio_of_blue_steel_08_p047b

 (左)天羽琴乃  (中央)ヤマト  (右)コトノ

 明確に違いの出ていることが、お分かりでしょうか?

 中央のヤマトのみが、黒目+輪っかというメンタルモデルの特徴を示し、

 天羽琴乃とコトノは、黒目のみになっていることが、うかかがえます。

 

 ヤマトがメンタルモデルであることは明白なのですが、

 問題は、コトノの瞳が「人間」の特徴を示していること。

 コトノは自らを、ヤマトのメンタルモデルであると語っていました。

 しかし、瞳の特徴は「人間」のもの・・・ これは、いったいどーゆーことなのか。

 

 もちろん瞳の特徴で、必ずしも人間とメンタルモデルを

 見分けられるとは限らないのですが、それでも、何かしら考えられることはありそうです。

 コトノ自身は、自分のことを天羽琴乃ではないとも語っていましたけど、

 やはり同一人物の可能性が高そうですね。 そして、人間であるという可能性も・・・?

 

 

 Arpeggio_of_blue_steel_01_p003_2  Arpeggio_of_blue_steel_01_p003b_2  

 ところが、1つだけ例外が・・・

 ここまで、瞳の特徴によって、メンタルモデルと人間を見分けられるということを

 前提にしてきましたけども、じつは、1つだけ例外を見つけてしまいまして・・・

 

 1巻3ページ、物語の冒頭部分に、黒目+輪っかの女性が。

 何やら男たちに追われる女性を、群像たちが助けるシーン。

 女性は議員関係者らしいものの、普通に「人間」の女性っぽく、

 彼女によって、黒目+輪っか=メンタルモデルの特徴という説が、破綻してしまいました。

 

 まあ、もしかすると、この女性が実は“霧”の諜報員だった可能性や、

 このときはまだ、特徴分けを考えていなかったのかも? なんてことも考えられますが、

 正直、ちょっと自信なくなってしまいましたよ、トホホ。

 ただ、それでも傾向としては存在していますので、この特徴には注目してゆきたいですね。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。