『蒼き鋼のアルペジオ オフィシャルブック 戦闘詳報2059』
(Ark Performance 先生)
『蒼き鋼のアルペジオ』のオフィシャルブック。
内容は、蒼き鋼戦闘記録、メンタルモデル紹介、ファッション・チェック、
マンガ「an extra」2作品、スペシャル対談、ドラマCD「TRIO TRIANGLE」シナリオ、
Ark Performance先生へのへ21の公開質問状、“幻”の第1話ネーム、蒼語辞典など、
盛りだくさんであり、ファン必携の1冊となっています。
表紙はイオナと、イ401。
イオナの普段着はもちろん、401の“赤裸々”な姿が、魅力的ですね。
この記事では、「戦闘詳報2059」の雑感および、
以前から気になっている、ある事柄について、つらつらと書いてみます。
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
【an extra 2作品】
『蒼き鋼のアルペジオ』番外編2つ。
1つ目は、スペシャルブック収録のタカオ函館滞在記。 (スペシャルブック感想)
タカオが出会った、とあるご婦人との交流が描かれています。
すでに、ご婦人の正体については作中出てきているので、
ラストに素性が明かされても、今一つ驚きはないのですが、
スペシャルブックで読んだときは、大いに納得感を覚えたものでした。
それにしても、9巻では「青樹タカオ」と名乗っていたタカオさんが、
ここでは「霧乃タカオ」であるのは面白いですね。
まだ“霧”から離れて間もないころなので「霧乃」だったものが、
「蒼き鋼」に加わったことで、「青樹」になっているということでしょうから。
そうした部分のこだわりを感じられます。
天羽琴乃と群像と、第4施設焼失事件と・・・ (ヤングキングアワーズ 2014年5月号)
「an extra」2作品目は、群像の幼なじみ・天羽琴乃を中心に、
群像との関係、彼女が見る不思議な夢、そして第4施設焼失事件とが描かれます。
天羽琴乃は、施設の事故にて亡くなったとされており、
このエピソードで、その顛末の一部が見えたような、そうでもないような・・・?
詳しいことは、連載時の感想で書きましたので、そちらで。
加筆・修正は、事故が起きてからの、琴乃と群像とのやりとりのシーン。
ここで、群像からの言葉にハッとする琴乃が加筆されたことで、
印象がだいぶ違ったものになっていましたね。
連載時だと、不安げな表情から、唐突に笑顔になって群像を送り出す琴乃に、
怪訝なものを感じてしまったのですが、こちらでは、ワンクッションはさまったことにより、
自然な流れになっていた気がします。
などなど、様々な情報その他が詰め込まれている「戦闘詳報2059」。
“幻”の第1話ネームや、スペシャル対談なども興味深く読めましたし、
ファンであれば、買って損ない1冊かと思います。
【人の瞳と、メンタルモデルの瞳と】
Ark Performance先生への公開質問状。
Q13) 翔像はなぜいつもサングラスをしているのですか?
について気になったことを、ちらほら。
質問の答えは、はぐらかしたのかどうなのか、面白いことが書かれていましたけども、
真面目に考えますと、401と共に出発したときの翔像は、サングラスをかけていません。
9巻で出てきたヤマトの回想でも、かけていないように見えます。
しかし、その後ムサシの艦上にいる彼は、サングラスをかけており、
確認できる限り、外している場面はないように思えます。
ここで私が気になったのは、人間とメンタルモデルの瞳の違いです。
これは、Twitteでフォロワーさんがおっしゃっていたことなのですが、
人間とメンタルモデルでは、瞳の描き方が異なっている可能性があるとのこと。
たしかに、注意して読み返してみますと、的を射たご意見だと感じました。
1巻44ページより。
ここで、イオナ(メンタルモデル)と、群像(人間)の瞳を比較してみます。
(左)イオナの瞳 (右)群像の瞳
まず、イオナの瞳の中、黒目の周囲に輪っかのようなものが確認できます。
対して、群像の瞳には、黒目はありますが、その周囲の輪っかは確認できない。
じつは、作品全体を通してみても、こうした傾向があることがわかります。
つまり、メンタルモデルの瞳=「黒目の周囲に輪っかがある」ということですね。
5巻165ページより。
イオナとタカオの会話シーンでも、
メンタルモデルである2人には、黒目+輪っかを確認できます。
アップにならないとわからないのですが、他のメンタルモデルたちにも、
この特徴が見られることは、まず間違いありませんでした。
現在いる翔像は、はたして人間なのか?
人とメンタルモデルの瞳の違い。
そこから、翔像のサングラスのことを考えますと、
もしかして翔像は、瞳を見られないよう隠してるのではないか?
という疑惑が浮上してくることになるのですね。
もし、黒目+輪っかが、彼の瞳に確認されてしまえば、
翔像はムサシのメンタルモデルである可能性が高まります。(9巻感想、ヤマトの回想参照)
それを作中では悟られぬよう、サングラスをかけている、ということはないでしょうか。
もちろん考え過ぎであるかもしれませんし、そう思わせといて実は・・・
なんてブラフであることも、あり得ます
天羽琴乃と、ヤマトと、コトノ。
そして、もう1つ気になるのは、天羽琴乃を中心にしたメンツ。
ここでも、なかなか興味深いことがわかるのですが、
むしろ混乱を助長しているようにも思えます。
(左)天羽琴乃 (中央)ヤマト (右)コトノ
明確に違いの出ていることが、お分かりでしょうか?
中央のヤマトのみが、黒目+輪っかというメンタルモデルの特徴を示し、
天羽琴乃とコトノは、黒目のみになっていることが、うかかがえます。
ヤマトがメンタルモデルであることは明白なのですが、
問題は、コトノの瞳が「人間」の特徴を示していること。
コトノは自らを、ヤマトのメンタルモデルであると語っていました。
しかし、瞳の特徴は「人間」のもの・・・ これは、いったいどーゆーことなのか。
もちろん瞳の特徴で、必ずしも人間とメンタルモデルを
見分けられるとは限らないのですが、それでも、何かしら考えられることはありそうです。
コトノ自身は、自分のことを天羽琴乃ではないとも語っていましたけど、
やはり同一人物の可能性が高そうですね。 そして、人間であるという可能性も・・・?
ところが、1つだけ例外が・・・
ここまで、瞳の特徴によって、メンタルモデルと人間を見分けられるということを
前提にしてきましたけども、じつは、1つだけ例外を見つけてしまいまして・・・
1巻3ページ、物語の冒頭部分に、黒目+輪っかの女性が。
何やら男たちに追われる女性を、群像たちが助けるシーン。
女性は議員関係者らしいものの、普通に「人間」の女性っぽく、
彼女によって、黒目+輪っか=メンタルモデルの特徴という説が、破綻してしまいました。
まあ、もしかすると、この女性が実は“霧”の諜報員だった可能性や、
このときはまだ、特徴分けを考えていなかったのかも? なんてことも考えられますが、
正直、ちょっと自信なくなってしまいましたよ、トホホ。
ただ、それでも傾向としては存在していますので、この特徴には注目してゆきたいですね。