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◆ 『蒼き鋼のアルペジオ』9巻・感想 コンゴウ艦隊との決戦、そして“霧”の謎

2014年07月05日 | ◆マンガ 感想

『蒼き鋼のアルペジオ』9巻 (Ark Performance 先生)

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 (8巻感想)

 いよいよ、コンゴウ艦隊との決戦に突入する401。

 前衛艦隊を率いるヒエイ以下、ミョウコウ4姉妹、そしてアタゴといった、

 とんでもない戦力を相手に、いかに立ち向かうのか?

 そうした戦闘に関する内容はもちろん、“霧”の再起動や、イオナの謎など、

 様々な事柄が気になる第9巻となっています。

 

 表紙は、ヒエイさんですけど、衣装が生徒会長ではありませんね・・・ これが普段着?

 (各話の感想は、連載時に書いていますので、記事末のリンクからご参照ください)  

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

【コンゴウ艦隊との決戦!】

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 ヒエイ率いる前衛艦隊。

 旗艦・コンゴウを護衛するのは、

 ヒエイを筆頭に、ミョウコウナチアシガラハグロ(ミョウコウ4姉妹)、

 そしてアタゴ(彼女だけ特別)、他に駆逐艦(第六駆逐隊)などが数隻という陣容。

 大戦艦1隻、重巡5隻、駆逐艦数隻、これだけの戦力を相手に、401が挑みます。

 

 面白いのは、前衛艦隊の指揮を執るヒエイの発案により、

 ミョウコウ4姉妹のメンタルモデルは、制服を着用し、生徒会スタイルであるということ。

 ヒエイさんなりの考えあってのことですが、ミョウコウやハグロには不評。

 ハグロさんなどは「昔の格好に戻りたい」と言っていますけど、

 そうなると、彼女たちの“普段着”も気になる所ですね。

 

 また、アタゴだけは生徒会仕様になっておらず、ヒエイの指揮下にないことを示しています。

 その理由については、ヤングキングアワーズ2014年7月号で明かされていましたね。

 次巻の収録になるでしょうから、ここでは述べませんけども、彼女はちょっと別枠なのです。

 

 

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 緒戦は、重巡・アシガラと401の戦い!

 武闘派で「粗忽者」なんて言われてしまうアシガラさん。

 401を発見するや、しびれを切らして海中へ突っ込んでゆき、

 そこで戦闘となるのですが、ここでの相手の動きを読み合った戦いぶりが面白かった!

 

 401には、艦長の群像が不在であり、

 メンタルモデルのイオナが指揮を執っているのですが、

 イオナの実力も相当なもので、アシガラ相手はもちろん、

 その後、ヒエイや他のミョウコウ姉妹たちを、翻弄する様子が痛快でした。

 群像のあだ名=万年2位をプリントしたTシャツには笑いましたけど、

 一応、グッズとしても販売予定だったりします(^^;

 

 

 

【様々な謎】

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 ヤマトの回想。

 コトノではなく、ヤマトが思い出す過去の出来事。

 そこでは、ムサシと争ったらしき描写があり、

 ムサシの前に倒れている翔像と、ムサシがもつデルタ・コア、

 さらにイオナの“誕生”など、重要と思われる事柄が色々と描かれていました。

 

 なぜ、ヤマトとムサシが争っているのか?

 想像にすぎませんが、ムサシ側にいる翔像がカギになりそうです。

 彼がムサシを動かして、“霧”の総旗艦であるヤマトと戦わせた可能性。

 もしくは、彼の存在そのものが、ヤマトとムサシの関係を破綻させた可能性。

 とりあえず、そのあたりが考えられますけども、情報不足でわからないことが多いですね。

 

 そして、ムサシのもつデルタ・コア。

 ヤマトやナガトなど総旗艦の資格を有し、メンタルモデルを複数つくれる艦と同様に、

 ムサシもまた、このコアを持っているはずなのですが、メンタルモデルは1人だけ。

 このことから、もしかするとムサシは、ここで翔像を模したメンタルモデルを、

 デルタ・コアを使って創造したのではないか? という疑惑が浮上するわけですね。

 以前、群像がムサシの艦上にいる翔像を、本物なのかと疑う場面がありましたけど、

 その可能性が現実味を帯びてくることになったわけです。

 

 イオナの“誕生”については、正直よくわからないですね。

 ムサシからヤマトをかばうように、401が動いているようにも見えますが、

 なぜ、ここで“生まれた”のかは、まるで不明。

 終盤描かれたイオナの秘密に、関係しているのかもしれません。

 

 

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 5月1日。

 “霧”の再起動という話題。

 「再」というからには、1度起動したことがあるわけで、

 それがいつだったのかというと、1945年5月1日だと、ヒュウガの口から語られています。

 

 では、この日付の意味は、何なのか?

 考えられるのは「1945年」、すなわち第2次世界大戦が終わった年という点。

 「5月1日」で思いつくのは、ドイツのベルリン陥落(5月2日)の前日であるということ。

 そして、1914年~1945年までの年表を見てみると、

 「ヨハネス・ガウス」「出雲薫」「グレーテル・ヘキセ・アンドヴァリ」という3名が、

 アドミラリティ・コードに関与しているように思われ、中でも「ヨハネス・ガウス」が重要っぽい。

 

 年表の記述を眺めると、ヨハネス・ガウスは、敗色濃厚だった祖国ドイツを救うべく、

 アドミラリティ・コードの力を利用しようとしたのだと考えられます。

 そこで、1度は起動したアドミラリティ・コードが、

 何らかの理由で停止⇒行方をくらます、という流れであったのではないか、と。

 

 また、1つ気になるのは、「ビスマルク姉妹」の名前が、1943年の時点で確認されること。

 “霧”の大戦艦・ビスマルクのメンタルモデルと関係あるのでしょうか?

 さらに、アドミラリティ・コードの「人類評定」とは? まだまだ、謎めいたことだらけです。

 

 

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 イオナという存在。

 彼女が見る“夢”の中で、イオナ自身が特別な存在であることが示唆されていました。

 連載時の感想でも書きましたけど、話している相手が「太陽」と「月」のシンボルマーク

 であることが、ビスマルクを連想させます。

 

 しかし、イオナの対話相手は、自身を「プログラム」であると述べています。

 ここでの会話から想像されるのは、現在のイオナの記憶は不完全であるということ。

 しかも、おそらくは自己(もしくは上位)の意思において、そうなっているということ。

 このあたりから、イオナの存在が特別であることがうかがえるものの、

 まだ、わからないことだらけで、謎が深まるばかりの第9巻でありました。

 

 このほか、レパルスさんが可愛いとかも書きたかったんですけど、

 ただでさえ駄文猛省なため、泣く泣く割愛いたしました(;;)

 

 

 

【加筆・修正シーン】

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 マツシマのデザイン。 (上:コミックス9巻 下:連載時)

 連載時は、マンボウのようだったマツシマですが、

 コミックスでは、シュモクザメのようなお姿に(^^;

 なんでも、神(Ark Performance 先生)弐号様が、ダメ出しされたのだとか。

 マンボウも愛らしかったのですけどね・・・・・・

 コミックスでは、ことごとく描き直されていて、大変だったのだろうな~と思ったり。

 

 

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 群像とヒュウガの会話シーン。 (画像は連載時のもの)

 ここが、大幅に描き直されていて驚きました。

 連載時14ページ ⇒ コミックス18ページになって、ほぼ丸ごと異なっています。

 台詞などは、一部省略・追加はありますけども、内容は同じ。

 ページ数増により、台詞1つ1つに余裕があって、そのぶん会話に重みが感じられました。

 

 また、ディスプレイも普通だったものが、空中に映像が映し出されるタイプになっており、

 より未来感といいますか、SF感が出ていて、楽しませてくれました。

 ただ、ヒュウガが群像にコーヒーを入れてあげるシーンが、なくなっているのですよね。

 女性型“アンドロイド”が“お茶くみ”という構図が、遠慮されてしまったのかなんて、

 ちょっと無粋なこと考えてしまいました・・・ 問題になってましたからね、色々。

 

 

 

・連載時の感想

 ヤングキングアワーズ 2013年10月号 ヤマトの回想

 ヤングキングアワーズ 2013年11月号 マツシマでの会話

 ヤングキングアワーズ 2013年12月号 アシガラ、吠える

 ヤングキングアワーズ 2014年 1月号 開かれる戦端

 ヤングキングアワーズ 2014年 2月号 人類の困窮

 ヤングキングアワーズ 2014年 3月号 イオナの謎