五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがライフオリジナル 感想①

2012年09月12日 | ◆4コマ誌③ まんがライフオリジナル

2012年10月号

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 表紙は、いつも通りの『おうちがいちばん』に並んで、

 犬上すくね先生の新連載『明日もコトコト』が並んでおります。 力入れてる~。

 そのほかにも、下に小さく諸作品。 よりどりみどりの面白さ!

 

 

 今月の「おめでたいで賞」は、『けんもほろろ』より、佐々木さん!

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 美人だけど、遠巻きに見られるばかりで友達いない佐々木さん。

 そんな彼女に、ついに友達出来るのか!? という佐々木さんネタがおめでたい。

 と同時に、ネタ的に面白さが半減するかもという危惧が(ォィ

 それは冗談ですが、友達って良いことばかりじゃないんだよ? とは忠告しておきたい(コラ

 

 

 

【コミックス5巻、10月27日発売!】

●晴れのちシンデレラ (宮成楽 先生)

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 コミックス発売は10月ですが、隔月連載ですので、今月号にて長文感想。

 いきなり、とんでもない夢を見て目覚めたあたる君。

 正体不明の仮面の使者・・・ 恐ろしい。 心臓、ばっくんばっくんいってます。

 

 今回は、そんな恐夢から、おびえ逃げるあたる君を描いたサスペンスホラーな話でした(ぇ

 夢について考えていたら、御園さんから「正夢かも」と言われて、意識してしまうあたる君。

 御園さんが善意で言っているだけに、可笑しさ倍増(´▽`;)

 

 そこからは、もうO仮面の幻影から逃げるだけ!

 晴さんが衣装を縫っていると聞いて、もはや逃げるしかないとダッシュを決め込むや、

 あっという間に追いつかれているシーンなんて、まさにホラー!

 おびえるあたる君と、晴さんの無垢な笑顔のギャップが面白すぎる!! ちと怖いけど。

 

 もはや、O仮面からは逃げられない・・・

 と思いきや、ちょっと可愛らしいオチがついて、ホッと一息のあたる君でありました。

 けれど、最後のどんでん返しには大笑い!゜(*゜´∀`゜)゜ めっちゃ怖かった!!

 可笑しいんだけどちょっと怖い、コメディとホラーの入り混じった感覚が面白かったお話。

 コミックス5巻が10月27日発売とのことで、そちら共々、今後も楽しみです!

 

 

 

【新連載!】

●明日もコトコト (犬上すくね 先生)

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 カフェを営む年上女性と、男子高校生と、その妹のお話。

 物語は、夢を見て目覚めた高校2年生・真部学くんが、

 「カフェいつしま」の店主・聿島琴子さんに、朝食を用意してもらう所から始まります。

 

 母親がいないため、食生活の大部分を琴子さんに頼っている状態なのだとか。

 そのかわりに時間の空いているときは、お店を手伝うという関係。

 それは、学くんの妹・慈さんも同じなのだけど、彼女は部活で忙しいらしく、

 おもに手伝うのは学くんばかり。 なので、必然と琴子さんと2人の時間が多いことに・・・?

 

 といった風に第1回目は、主要な登場人物の顔見せと、現在の状況などが描かれます。

 「カフェいつしま」を舞台に、年上女性と男子高校生の物語がつむがれる作品になりそう?

 恋愛に発展しそうなあおりはありましたが、今は2人ともそのような意識はないようで、

 こあたりがどう進行してゆくのか、さらに、生意気盛りの妹ちゃんがどうからんでくるのかが

 見所になるのでしょうか。

 

 前作『ういういdays』と同じく、4コマ漫画もついていて良い感じ。

 最後の4コマは笑いましたわ。 がんばれ、健さん!

 さて、犬上先生の新作ということで、今後が楽しみです!

 

 

 

【最終回!】

●貴美TALLEST (美月李予 先生)

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 コミックス5巻・6巻が、2ヵ月(9,10月)連続発売! そして今回、最終回!!

 「背中をのばして、胸をはって・・・最終回!!」

 これほど最終回の貴美さんにふさわしい言葉はないですね。

 

 身長180㎝の麻荘貴美さんは、高身長を気にするOLさん。

 いつも縮こまるなど、背を低く見せようとしていましたが、最後は胸をはっての〆。

 南さんとの仲がついに進展し、ある種の承認と自信を得たからなのでしょうね。

 最近の展開は、この南さんともう1人の男性・流行くんとの関係を軸に描かれてきました。

 はじめは、南さんとの関係だけで、ず~っと引っ張ってきたのに、

 本編以外では登場していた流行くんが合流してからは、三角関係まっしぐらに(^^;

 

 いつまでたっても進展しない南さんとの関係に、緊張感が生まれ、

 もしかすると流行くんもアリなんじゃないだろうか?と思わせる描写もあったりして、

 なかなか引き込まれる終盤の内容であったと感じます。

 でも、最後は南さん。 これには私も、何だか安心しました。

 

 貴美さんの「本当に私が恋人で・・・いいんですか?」

 という問いに対する彼の答えが、もう最高すぎてたまりません。

 あれだけ貴美さんへのアプローチを、理屈をこねては避けてきた彼。

 ヘタレとまで評されていた南さんの、カッコイイところが満載! 男でしたね~。

 

 本作品は、高身長を気にする女性の、その特徴をいかしたネタを中心に、

 面白おかしく展開してきた物語でしたが、当初は恋愛ムード、ほとんどなかったんですよね。

 どちらかというと、初めの頃は課長さんとのかけあいや、先輩とのやりとりが主。

 そこに、南さんが加わって来てから、貴美さんとの関係が徐々にクローズアップされ・・・

 という感じだったと記憶しています。

 

 私にとっては、本誌を読み始めたころ、すぐに好きになった作品なので、感慨もひとしお。

 終わりはとても残念ですが、長い間、楽しませていただきました!

 コミックス5巻6巻も、もちろん購読します。 大好きな作品でしたー!!!

 

 

 

●ひみつの花園 (みなづき忍 先生)

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 コミックス2巻、10月27日発売! ・・・ですが、こちらも最終回!

 前回、両親が帰ってくることに伴い、寮生活から“解放”された青葉くんでしたが・・・

 やはり少し寂しいようで、ご両親とのショッピングにも、思い出にひたったりしています。

 

 最終回だというのに、ご両親が陽気すぎて面白かった(´▽`;)

 その明るさに圧倒される青葉くん。

 最後は、青葉くんとご両親の買い物風景で、家族水入らず・・・

 のはずだったのですが、2人の口からとんでもない事実が!?

 

 てっきり最後は、お嬢様方が押し掛けてきての終了となるかと思っていたのですが、

 ああ、こうきましたか!という〆でありました。

 最後の草次郎さんの行動や、“あいさつの言葉”をみていると、

 もはや青葉くんにとってのHOMEは、あそこなんだな~と、しみじみ感じてしまいますね。

 ちょっとだけ気の抜けた、だけどハッピーなラストでありました!

 

 本作品では、変わったお嬢様たちの住む寮に、男の身でありながら生活することになった

 小学生男子を通じて、その個性的な人々の姿、やりとりが面白おかしく描かれてきました。

 私は、お嬢様では桜さん、そのほかでは姉・紅葉さんやSP内藤さん、青葉友・田中くん

 などがお気に入りでしたね~。 そんな感じで、楽しませていただきましたー!

 

 

 

【今月のピックアップ!】

●モノローグジェネレーション (小坂俊史 先生)

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 まさかの時事ネタ! しかもシリアスに攻めてきましたね・・・ 追記小坂先生のツイート

 今回のテーマは「いじめ」。

 中学生ひとみさんのクラスで起きているいじめを中心に、

 かつていじめていた者、いじめから逃げるように生きてきた者、いじめ環境から脱出した者、

 大人の世界でのいじめ、小学校低学年のいじめ、ネット社会でのいじめなどなど、

 様々ないじめについて描かれていました。

 

 とくに、ひとみさんのクラスで起きているリアルタイムいじめの話は、

 当事者ではないひとみさんの視点と、被害者Nさんの視点と、加害者Yさんの視点と、

 3つの視点から描かれていて、それぞれの心情・思惑がみてとれて興味深い内容。

 気の毒だと思いつつ、どこか傍観者であり、かつ残酷な事情を抱えたひとみさんの心情は、

 10代の「社会」でのリアルを感じさせて何とも言えない気分に・・・

 Nさんの辛さの表現も、「殺」というイメージが事の重大性を意識させますし、

 片やYさんの思考も、クラスの中でのパワーバランスにおびえているふしがあったりと、

 一筋縄でいかないそれぞれの事情が、もういかにもって感じでやるせなかった。

 

 そして、加害者視点で語られていた「いじめていた側の認識」が、

 このYさんにも重なってしまうんですよねえ・・・ Nさんの顔なんて覚えないのだろうと。

 その程度、だけどNさんには地獄の苦しみ。 このギャップの残酷さは言葉にできないです。

 

 最後の「解決」も一安心ではあるのだけど、「正義」をはき違えてしまうひとみさんの行動に、

 現実社会でも起こる行き過ぎの影が見え隠れしていて、風刺という言葉ではおさまらない

 もっと深い作品性を感じずにはいられませんでした・・・ すごかった。

 本作品のレギュラーキャラクターたちが、過去いじめ加害者であったり、

 行き過ぎた正義を行使したりする様子は、それらに対する単純な批判ではなく、

 一歩間違えれば自分自身も陥りかねない暗い落とし穴であるのだと、

 自制を促しているようにも受け取れますからね。

 

 などなど、今回は深刻なテーマでつづられていましたが、

 だからこそ、みごとな一遍となっていたと感じます。 浅い描写ではしらけますからね。

 小坂先生の作家性の深みが感じられた内容でした。 もちろん、今後も楽しみです!

 

 

②へつづきます。